6月に入ると梅雨入りの気配が徐々にしてきます。
時候の挨拶にも梅雨の時期ならではの季語や表現を使ったりすることが多くなります。
個人間の手紙では特に豊かな表現ができます。
今回は梅雨の時期の季語とその例文を紹介していきます。
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企業の文書などで使うとき
企業の取引などに使う文書では定型文があり、それに季語を当てはめればよいので、使う時期に気を付けるだけです。
「入梅」という季語を例に例文を見てみます。
入梅の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
季語+「~の候」「~のみぎり」「~の折」+相手を気づかう言葉
の形になっています。
また、企業によっては梅雨時のイメージを好ましく思わない場合もあり、
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
のように季節を問わない表現を選ぶこともあります。
企業間で使う時候の挨拶についてはこのブログの記事
時候の挨拶 7月中旬にビジネスで使う表現
で詳しく説明していますので、そちらも参照してみてください。
梅雨の時期は個人間の手紙やメッセージの方が季節感を出しやすい時期でもあります。
では、季語ごとの例を見ていきましょう。
「走り梅雨」の例文
走り梅雨は5月の中旬から6月上旬にかけて使われる季語で、
迎え梅雨とも呼ばれます。
梅雨入り前の時期に梅雨を思わせるような天気が続くことを指します。
暦の上では本格的な梅雨入りは仲夏ですから、走り梅雨はそれ以前の
初夏の季語です。
◆例
走り梅雨に濡れ、木々の緑も一層深く感じます。
梅雨の走りでしょうか、不安定なお天気が続いております。
迎え梅雨に山の緑が一層鮮やかに見えます。
この他、
梅雨間近、
梅雨を控えて、
などの言葉も同じ時期に使えます。
◆例
梅雨入りも間近でしょうか、ぐずついたお天気が続いております。
いよいよ梅雨入りのようですが、お元気で活躍のことと思います。
梅雨を間近に控え、今年は傘を新調しようと思います。
など
「入梅」の例文
その名の通り梅雨に入る時期です。
6月上旬から中旬にかけての季語ですが、一般的にはその年の梅雨入りの時期に合わせて使います。
◆例
入梅の報せとともに、街に色とりどりの傘の花が咲いています。
入梅の報せに気持ちを曇らせる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
梅雨入りが気になる時期になりました。いかがお過ごしでしょうか。
梅雨に入り、蒸し暑い毎日が続いております。
など
「梅雨」もこの時期から盛んに使われる季語です。
◆例
梅雨に入り、洗濯物が乾きにくい季節が始まります。
今年も本格的な梅雨の季節がやってまいりました。
梅雨と言っても今年は雨も少なく、過ごしやすい気候が続いています。
連日の雨に青空が恋しくなります。そちらはお変わりないでしょうか。
など
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「空梅雨」「梅雨の中休み」の例文
空梅雨、梅雨の中休み、梅雨の晴れ間、などは梅雨でも晴れ間が見えたり、梅雨入り宣言後にもあまり雨が降らないときに使います。
同じく、
仲夏の季語です。
◆例
ここしばらくは梅雨も中休みでしょうか、気持ちの良い青空が広がりました。
梅雨晴れの日には夏の強い日差しが感じられます。
梅雨の晴れ間には太陽のありがたさをしみじみと感じる今日この頃です。
今年は空梅雨のようです。今から水不足が気になりますね。
空梅雨で夏を思わせるような天気が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
久しぶりにのぞいた青空と木々の濃い緑が鮮やかに映る今日この頃です。
梅雨晴れの日は日差しも強く、夏の気配を感じます。
今年は空梅雨でしょうか、過ごしやすい日々が続いております。
梅雨の中休みには、空が眩しく、夏の気配が感じられます。
連日の雨も今日は中休み、久しぶりの青空を見るとホッとします。
など
梅雨時期には「
長雨」、「
梅雨寒」といった季語もよく使われます。
◆例
長雨で肌寒い日が続きますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
連日の雨で青空が恋しいですね。お元気でお過ごしでしょうか。
うっとうしい長雨の季節、お風邪など召されていませんか。
こちらでは梅雨寒が続きますが、そちらはいかがでしょうか?
7月とは思えないような梅雨寒が続いていますが、お元気でしょうか。
今年は例年以上に梅雨冷えが長引いていますが、お変わりございませんか。
朝晩は梅雨寒に震えております。そちらはいかがお過ごしでしょうか。
思いがけない梅雨冷が続いておりますが、お変わりありませんか。
長雨が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
「梅雨明け」の例文
梅雨明けの時期は一気に猛暑がやってくるなど、季節感も一変します。
感覚的には本格的な夏の始まりですが、
季節は
晩夏に入ります。
◆例
梅雨も明けていよいよ夏本番、今年は暑くなる予報です。
長かった梅雨も明け、青空がひときわさわやかに感じられます。
梅雨明けと同時に猛暑がやってきました。体調に気を付けて頑張りましょう。
憂鬱な梅雨も明け、緑の木々が清々しく映ります。
梅雨明けの空が眩しく、久々に山に出かけたくなりました。
また、梅雨明け間近の激しい雨を
送り梅雨
と言います。
この送り梅雨は、大雨、集中豪雨、雷を伴うなど、かなり激しいものです。
俳句などで使われることが多い季語です。
送り梅雨でしょうか、昨夜の雷雨に驚きました。そちらはいかがでしたか。
梅雨の時期に関連した季語
6月には次の様な言葉も季語として使われます。
どれも梅雨と関連付けて使います。
梅雨の時期に使われる季語
衣替え 紫陽花 レインコート 若鮎 梅干し カタツムリ さくらんぼ 傘 日傘
など
◆例
梅雨に入り、紫陽花が一層鮮やかに輝いています。
傘とレインコートの1年生たちが華やかに街を彩っています。
梅雨も明け、街に日傘が行きかう季節になりました。
つややかなさくらんぼが店頭に並んでいます。
庭の梅の実がたわわに実っています。今年は梅干しづくりにチャレンジしてみようと思います。
梅雨も明け、夏服姿の学生さんたちが眩しく見える季節になりました。
など
梅雨の時期は憂鬱になる反面、見方を変えると表現豊かな文章が書ける時期でもあります。
親しい方やお世話になった方へ手紙を出すときにはぜひ参考にしてみてください。
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