卒業式の送辞は各校伝統があって、任された在校生代表はプレッシャーに感じるでしょう。
でも、ポイントを一つ一つ抑えていけば見事な送辞を書くことはそれほど難しくありません。
今回は高校生が聞く人の心をつかむ感動的な送辞を書く時のポイントを紹介します。
スポンサードリンク
送辞自体の構成や書き方は基本的に小学校、中学校の場合と変わりません。
ただ、人の心をつかむには少し着眼点を変える必要があります。
送辞を書く時の基本的なポイント
感動的な送辞にするポイント
実際の文例
に分けて紹介していきます。
まず初めは基本的な構成をふまえた送辞のルールを紹介します。
送辞を書く時の基本的なポイント
まず基本的な送辞の構成をおさらいします。
◆送辞の構成
冒頭の挨拶
卒業生へのお祝いの言葉
卒業生との思い出
卒業生への感謝
卒業生への激励
ほとんどの送辞はこのような構成になっています。
送辞のマナーというかルールのようなものはあまり触れられていないことが多いですが、まとめると次の様になります。
◆送辞を書く時に気を付けること
・自分が慣れ親しんだ言葉を使う
難しい言葉を使っても自分の中に十分落とし込めていないと周りには伝わりませんし、無理をしていると分かってしまうものです。
自分が普段使う言葉を丁寧にしたくらいの、等身大に近い言葉を使うのがコツです。
表現も慣れた言い回しの方が気持ちが伝わります。
・上から目線にならないようにする
特に卒業生への激励の部分では気を付けましょう。
書物や格言からの引用などを用いた時には十分注意します。
・個人的な人物名を出さない
卒業生とのエピソードの部分にはつい特定の先輩の名前を出してしまいがちですが、
卒業生全員が対象の送辞ですから、個人名出さないようします。
・読むときにはゆっくりと読む
決して早口にならないようにゆっくりと読みます。
また、抑揚をつけて区切るところはきちんと言葉を区切ります。
また、送辞全体の長さもゆっくりと読んで、2分程度の長さにします。
このように注意しながら送辞を考えていきます。
スポンサードリンク
感動的な送辞にするポイント
さらに感動的な送辞にするには、
聞く人により情景が思い浮かぶような要素を盛りこみます。
その要素とは身近に接してきたものです。
樹木:学校内に植えられているものや、卒業生が記念に植えた木など
周辺の自然:川、丘、公園、など(特に四季の変化があったり、生徒たちが手入れしたり、掃除したりしている場所、教室から見える風景)
行事:例祭、盆踊り、縁日、七夕、クリスマスなど(特につながりの強い施設や学校が積極的に参加していたもの)
いつも身近に接したものは、無意識のうちにその変化を見ていたり、感じたりしているので、情景を頭に描きやすいものです。
ただし、盛りこみすぎには注意してください。
特に冒頭の挨拶の部分に盛り込むと効果的です。
これから登場する卒業生が出る舞台が聞く人の頭に作られるので、卒業生、在校生共に引き込まれやすくなります。
また、
卒業生との思い出と感謝の部分では
入学して初めて先輩方にしてもらって感動したことや活躍
自分にとっての先輩のイメージとそれを象徴する出来事
自分が憧れている部分を先輩たちの姿に見たエピソード
の様にすると文を組み立てやすくなります。
これはある程度時系列に沿っていて、先輩方を見ながら成長する自分を語ることになるので、
聞く人の頭の中にも自然な流れを作ることができます。
では、送辞全体の例を見てましょう。
実際の送辞の文例
◆例
酒匂川の水面に柔らかな日差しが煌めき、校庭の木々の蕾が春の訪れを告げています。
今日この佳き日に、新たな世界へ巣立ちゆく卒業生の皆様、ご卒業おめでとうございます。
この大居高校で先輩方は多くのことを成し遂げてきました。
その姿に私たちは憧れ、常にそのあとを追い続けてきました。
先輩方の今日の姿に誇らしさと同時に一抹の寂しさを感じずにはいられません。
先輩方は私たちにとって、常に大きな存在であり続けました。
初めての体育祭で伝統の組体操と集団行動に私たちは衝撃を受けました。
一糸乱れぬ動きと響き渡る声から伝わる気迫、私はただただ感動で鳥肌が立ちました。
大居高校の伝統を背負う姿を目の当たりにした思いがしました。
それ以来、先輩方を思う時、いつも「チーム」という言葉が思い浮かびます。
部活動ではお互い支え合いながら、全力で相手に挑み、嬉しさや悔しさを共有する姿に強い絆を感じました。
一方で励まし合いながら受験という大きなものに立ち向かい黙々と勉学に励み
疑問点をお互いに出し合い、先生に何度も質問に行く姿も心に残っています。
自らの思い描く姿に向かって積極的に未来を切り拓くいていこうとする姿に感動しました。
また先輩たちは、私たち後輩をチームの一員として迎え入れ、共に寄り添ってくださいました。
私が文化祭の実行委員になり、準備に参加した際に、堂々とした先輩方に気後れして発言も行動もうまくできませんでした。
そんな時、先輩方が積極的に声をかけてくださり、温かく迎え入れてくれたおかげで、意見を出し合い、任された役割を無事に果たすことが出来ました。
学年を問わず、誰もが大居高校の一員として接する先輩方の優しさを感じました。
思い起こせば,勉強でも、学校行事でも、部活動でも先輩方は常に,私たちが目指す目標でした。
来年度からは先輩方の後を受けて私たちが大居高校を引っ張っていく存在とならなければなりません。
先輩方の姿を胸に切磋琢磨し、支え合い、新たな大居高校の未来を築く存在となることを、在校生一同、ここにお約束します。
これから先輩方はそれぞれ目指す道に進んでいかれます。
夢を実現することは簡単な道のりではないことでしょう。
新しい環境に不安になったり、様々な困難や壁にぶつかることもあると思います。
しかし、この大居高校で私たちを導いてくださった強く、優しい先輩方なら必ず乗り越えていけると私たちは信じています。
どうかそれぞれの場所で、自分の輝く場所を築いてください。
最後になりましたが、先輩方のより一層のご活躍をお祈り申し上げ、送辞と致します。
令和〇年三月〇日
在校生代表 ○○○○
スポンサードリンク
合わせて読みたい記事
卒業式の送辞 中学校の例文
卒業式の送辞 小学校の場合の例
卒業式の送辞で使われる時候の挨拶の考え方
3月の時候の挨拶 卒業式の答辞を考える時のポイント
卒園式の謝辞で使う時候の挨拶の文例 考えるときのコツ
コメント 0