3月は卒業シーズン、卒業式では卒業生代表が贈られた祝辞や送辞に対して
答辞を述べて応えます。
その中で冒頭に含める時候の挨拶は普通に季語を選ぶときとは少し性質が違います。
今回は卒業式に答辞を読む代表の生徒が知っておくべきポイントを抑えます。
1、3月の時候の挨拶と答辞の季語の違い
2、卒業式に使える時候の挨拶
3、答辞の基本的な構成
4、中学生向けの答辞の例文
を順を追って説明していきます。
では一番のポイントである時候の挨拶から見ていきます。
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3月の時候の挨拶と当時の季語の違い
ビジネス文書や個人間で交わされる手紙で時候の挨拶は
公式な形は季語+~の候/のみぎり+相手を気づかう言葉、
砕けた手紙などでは季節を表す表現+相手を気づかう言葉
という形をとります。
このブログでもこの基本について、
3月 4月 春の時候の挨拶 お礼状やビジネスで
時候の挨拶 3月下旬の桜の開花のころの例文
の記事で触れています。
卒業式の答辞では公式文書に使われる表現と季語は使われないことがほとんどです。
卒業していく生徒が自分の気持ちを素直に表現したものを考えて書かれます。
その方が、聞いている人たちの心を打つので、当然と言えば当然です。
ただ、このときに気を付けてほしいのは
卒業式の行われる時期の気候や自然を忠実に表すとは限らない
ということです。
地域によって気候は様々ですが、
卒業式の当時の冒頭の時候の挨拶に当たる部分では
巣立っていく希望と喜び、新しい生活や進路への期待、芽吹き、のような心情を写す表現を優先して選ぶ
ことが大切と思います。
例えば、
例年にない寒さで卒業式の行われる日にも春の気配もの乏しい年に
通常の手紙などは
春まだ浅く、空気にも冷たさが感じられる日々が続いております。
冬の名残がまだ残るこの頃、いかがお過ごしでしょうか。
などと始めますが、
卒業式に際しての挨拶では
日差しが日々やわらかくなり、桜の蕾も色付き始め、命の躍動する春の訪れを感じる季節となりました。
のように、心象風景を優先するように考えます。
特に、「冷たい」「寒い」「雪に閉ざされた」「浅い」といった言葉は否定的な印象がありますから、
実際の気候に合致しなくても避けたほうが全体の印象が明るくなります。
式に出席した方々が聞いていて卒業生の心情を感じさせるような表現を考えるようにした方が良いでしょう。
ではいくつかの表現例を挙げてみます。
卒業式に使える時候の挨拶
では、答辞での時候の挨拶を考えるヒントになる表現例を挙げてみましょう。
◆前半部分の例
ひと雨ごとに春の色が濃さを増し、校庭の桜の蕾も色付き始め~
桜の蕾もふっくらと色付き、春の深まりを感じるこの頃~
沈丁花の香りに春の到来を感じるこの頃~
日々、景色が春の色に染まっていく季節となり~
開花を待つ桜の蕾の息吹が感じられる季節~
日差しが日一日と温かさを増し、桜の蕾も色付き始め~
◆後半部分の例
生き物は躍動し、心躍る季節となりました。
命の躍動する季節となりました。
心浮き立つ季節がやってまいりました。
本格的な芽吹きの季節です。
○○が春の日に照らされて鮮やかに輝いています。
○○川の生き物たちも春を喜ぶ季節となりました。
学校の校庭の植物や周囲の川や公園の動物や植物に触れるとより生き生きとしたものになります。
イメージとしては
「寒さ」から「暖かさ」へ向かう中でも暖かさへの変化に焦点を当てて表現を考えます。
生き物も
「冬眠」から「目覚め」への向かうイメージで目覚めの方へ焦点を当てます。
冬から春に向かうすべてのものをこういう視点で表現すると
卒業式の時候の挨拶で失敗することもないでしょう。
では答辞の構成を確認します。
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答辞の基本的な構成
卒業式の答辞は次の様な構成が基本になります。
◆当時の構成
①冒頭の挨拶
②卒業式開催に対しての感謝
③在学時の思い出
④先生方への感謝
⑤来賓の皆様、地域の皆様への感謝
⑥在校生へのメッセージ
⑦父兄(両親)への感謝
⑧これからの決意
⑨締めの言葉(再び感謝の言葉)
人によってはいくつか一緒にまとめた内容になることもありますが、盛り込む内容は上記のようになります。
ここでクローズアップしている
時候の挨拶は①の冒頭に入ります。
一番初めに来ることが多いので、注目される部分です。
では、具体例を見ながら確認していきます。
中学生向けの答辞の例文
中学校の卒業式の答辞を想定した例文です。
盛り込む内容は小学校でもそれほど変わりません。
◆答辞の例文
校庭の桜の蕾も日差しの中でしだいに色付き始め、開花を待つ命の鼓動を感じる季節となりました。
先程は校長先生をはじめ、御来賓の皆様、在校生の皆さんから励ましのお言葉をいただきましたことに、心より御礼申し上げます。
また、このように素晴らしい卒業式を開催していただき、誠にありがとうございます。
私たちは今、卒業の時を迎え、感謝の気持ちでいっぱいです。
と同時にこの○○中学校から巣立つことに寂しさも感じています。
入学してから3年間、勉強に部活動などさまざまな学校行事を通して、私たちは多くの事を学び、大きく成長することが出来ました。
初めて経験する定期テストに戸惑いながらも一生懸命勉強したことも今となっては良い思い出です。
悩み事を抱えていた時に周囲の友達や先輩方に助けてもらったことは心強く、
私にとってはかけがえのない経験でした。
諸先生方、授業や部活動を通して私たちを日々、指導していただきありがとうございました。
学校生活において先生方は一番身近で頼りになる存在でした。
進路を決めるにあたり、戸惑いの中にいた私たちを親身になって指導してくださいました。
厳しく、そして優しいその指導に心から感謝いしています。
卒業しても変わらぬご指導をよろしくお願いいたします。
御来賓の皆様、本日はご出席いただきありがとうございました。
日頃から地域の中で私たちを見守り、温かく接していただきありがとうございました。
在校生の皆さん、学校行事や部活動を通じて、この○○中学校で共に時間を過ごすことが出来たことに感謝しています。
これからも○○中学の「文武両道」のよき伝統を守り、皆さんで学校を一層盛り立てていってください。
私たちにいつも寄り添い、見守ってくれている家族にも感謝したいと思います。
この3年間、困らせたり、心配させたり、いつも迷惑をかけてきましたが、
今日まで育ててくれたことに感謝しています。
今日、私たちはこの学校を卒業し、新しい道を歩み始めます。
正直、不安と希望の入り混じった気持ちでいっぱいですが、中学校生活の3年間で学んだことを糧に
未来を見つめ、自分の道を歩んでいきます。
最後になりましたが、卒業生を代表し、もう一度心から感謝の言葉を申し上げ、答辞とさせていただきます。
本当にありがとうございました。
○○年 3月〇日 卒業生代表 ○○○○
思い出の部分はもっと具体的に
体育祭
文化祭
などの行事触れても良いでしょう。
卒業式の答辞は感謝の気持ちと巣立ちの決意を伝えるものでもあります。
冒頭の時候の挨拶もそれに向けて聞いていて明るく希望にあふれるような言葉を考えてください。
今回は
3月の時候の挨拶と答辞の季語の違い
卒業式に使える時候の挨拶
答辞の基本的な構成
中学生向けの答辞の例文
を紹介しましたので、卒業式の答辞で冒頭のあいさつを考える時には参考にしてください。
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