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卒業式の答辞 書き出しの文章はどうするか

卒業式では卒業生が在校生の送辞にこたえる形で答辞を読みます。

中学校、高校での3年間は特に濃密で思い出もたくさんあると思いますが、

自分で文章を考える時に一番悩むのは書き出しの文章ではないでしょうか。

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皆の前で読むものですから、季節に相応しいものを選ばなければならないのか、

言葉使いも公式な時候の挨拶に準じるのか、

など色々考えてしまいがちです。

でも、卒業式の答辞は普通の時候の挨拶とは少し違っていて、

巣立っていく卒業生がその心情を優先して読めばよいのです。

今回は答辞の書き出しについて触れていきます。

答辞の書き出しについての考え方
答辞の基本的な構成と例文

に分けて進めていきます。

答辞の書き出しについての考え方



答辞の書き出しは多くの場合、時候の挨拶から始まります。

時候の挨拶はその季節の季語や季節を表す言葉を交えた定型文から始まり、

季語+~の候/のみぎり+相手を気づかう言葉

または

季節を表す表現+相手を気づかう言葉

の形を取ります。

季語や季節を表す言葉は二十四節気の季語でしたら使う時期が決まっていますし、

その他の表現でもその季節の気候を的確に表すように用います。

しかし、卒業生が答辞に使う場合は、厳密に季節に合わせなくてもよいと思います

このブログの記事3月の時候の挨拶 卒業式の答辞を考える時のポイントでも詳しく触れていますが、

未来を目指す卒業生の心象風景を表す表現にするのが良いでしょう。

冬から春へ向かう表現
巣立っていく旅立ちを感じさせる表現
蕾が花開くような表現
躍動を感じさせるような表現

にすると卒業生の心情を表しやすくなります。

また、聞く人の心に響きやすくするにはこのブログの記事卒業式の送辞 高校生が感動を与えるためにで触れていますが、

身近なものを織り込んだ時候の挨拶にするのが効果的です。

ここでいくつか例を見てみます。

◆書き出しの例

梅の蕾もほころび始め、寒さの中にも春の息吹が感じられるようになりました。

校庭の桜の蕾も色付きはじめ、本格的な芽吹きの季節がやってきました。

日差しが日一日と温かさを増し、滝野川の生き物たちも春を喜ぶ季節となりました。

若鳥たちも巣立ちの準備をはじめる春が訪れようとしています。

厳しい冬の寒さも和らぎ、木々の蕾も膨らみ始める季節となりました。

日差しは日増しにやわらぎ、春の訪れを感じる季節となりました。

教室の窓から見える風景にも春の気配を感じる季節となりました。

一雨ごとに春の色が濃さを増し、校庭の桜の蕾も色付きはじめました。

開花を待つ桜の息吹が感じられ、本格的な芽吹きの季節をむかえました。

など。

「○○の候」「○○のみぎり」などの改まった言い回しよりも普段から使っている言い回しの方がより伝わりやすくなります。

また、天候を使った表現にあまり神経質になることはありません。

当日の天候は予想できませんし、前日まで晴れていても卒業式当日が雪、ということも珍しくありません。

多少の食い違いは仕方ないと思います。

もし、気になるのなら天候に関する表現を避けるか、当日の天候によって複数の言い回しを用意しておきましょう。

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答辞の基本的な構成と例文



答辞の基本的な構成は次のようになります。

①冒頭の挨拶
②卒業式開催に対しての感謝
③在学時の思い出
④先生方への感謝
⑤来賓の皆様、地域の皆様への感謝
⑥在校生へのメッセージ
⑦父兄(両親)への感謝
⑧これからの決意
⑨締めの言葉(再び感謝の言葉)

ここで触れてきた時候の挨拶を入れるのは冒頭の部分です。

今回はそれぞれの部分を例文を見ながら確認してみます。

◆卒業生の答辞の例文

これは高校の卒業式を想定した例文です。


厳しい冬の寒さも徐々に和らぎ、校庭の木々の蕾が膨らみ始める季節となりました。


本日は私達3学年○○〇名のためにこのような心のこもった式を挙行していただき、ありがとうございます。
またご多忙の中ご出席くださいました御来賓の皆様、校長先生はじめとする先生方、保護者の皆様、在校生の皆さん、
卒業生一同、心より御礼申し上げます。
先ほどより、皆さまからいただいた数々のお祝いや激励のお言葉を胸に、本日、私たち○○○名は卒業いたします。


思い起こせば、入学してから今日までの3年間は本当にあっという間でした。
何気なく過ごしてきた仲間たちとの時間は、今となってはかけがえのない時間に思えます。
○○高校での充実した時間の中で、私たちは多くのことを経験しました。

真新しい制服に身を包み、入学した3年前は、新しい仲間と新しい環境に期待と不安が入り混じっていました。
そんな中、初めてクラスで力を合わせて取り組んだのは合唱コンクールでした。
課題曲を決め、苦手なところは教えあいながら練習し、本番に向けてクラスが一つにまとまっていくのを感じました。

二年生の文化祭では自主製作映画にチャレンジしました。
脚本から撮影、編集まで、積極的に意見を出し合って工夫を重ねました。
演じるだけではなく、それぞれの役割を積極的にこなし、意見をぶつけ合いながらも協力し合い、一つものを作り上げることが出来ました。

3年生の時の体育祭では個人競技以外にも応援合戦や伝統の組体操などクラス一丸となって本番に向けて練習しました。
お互いに助け合い、大きな目標に向かって努力する姿勢は部活動や受験勉強にも生かすことが出来ました。


校長先生、いつも私達に寄り添い、やさしく励ましの声をかけ、見守っていただきました。

私達を支え、学ぶことの喜びを教えてくださった先生方。
一人一人の自主性を尊重して見守っていただき、的確なアドバイスで導いていただきました。
毎日の授業だけでなく個別指導や進路に悩んだ時にも丁寧に対応してくださいました。
学習だけではなく、日常の相談にも乗っていただき、学習面だけでなく精神面でも大きく成長することができました
未熟だった私たちがここまで成長できたのも、先生方のご指導のおかげです。


私達をサポートしてくださった、事務局の方、清掃員の方、警備の方、技術院の方、地域の方々、多くの方のおかげで私たちは安心して学校生活を送ることが出来ました。
ありがとうございました。


いつも一番身近で見守ってくれた両親。
普段は素直に伝えることができないけれど、言葉にできないほど感謝しています。
3年間いつも支えてくれてありがとうございました。


在校生の皆さん、先ほどは心のこもった祝辞をありがとうございました。
私達は今日で卒業しますが、4月からは皆さんが○○高校の伝統を引き継ぎ、
それぞれの目標へ向かって努力を重ねていってください。
どんな時でも同じ目標へ向かう仲間と、それをサポートしてくださる多くの先生方がいることを忘れず、
高校生としての残された時間を悔いのないものにしてください。


あっという間のこの3年間、楽しいことだけではありませんでしたが、
どんな時も支えあい、お互いを高めあえる仲間とともに3年間の学校生活を送ることができて本当に幸せでした。
日常の授業も、部活動も、受験勉強も仲間がいたからこそ乗り越えていけました。
時には壁にぶつかることもありましたが、そんな日があったからこそ今の僕たちがいます。
これから私達はそれぞれの道を歩んでいきます。
夢への道のりは決して平たんではないと思いますが、
この○○高校で学んだことを自らの糧として、最後まで諦めず精一杯挑んでいきます。


最後になりましたが、学校生活を支えてくださったすべての方々に改めて御礼申し上げるとともに、 ○○高校の更なる発展を願って答辞の言葉とさせていただきます。

20○○年3月〇日 卒業生代表 ○○○○

例文では順番をすこし入れ替えています。

文脈によって④~⑦はある程度変えても不自然にはならないでしょう。

学校で用意された答辞を読むこともありますが、卒業生として自分で考える場合の参考にしてください。

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