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夏休みの自由研究 手作り石鹸を作ってみる

石鹸を作る自由研究は小学生向きに良く紹介されています。

比較的手軽に取り組める夏休みの課題ですが、今回はいくつかのパターンを紹介しましょう。

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方法としては粉せっけんを使用するもの、石鹸の素を使うもの、液体洗剤を使用するものに分かれます。

今回は

液体せっけんから作る方法
石鹸の素をから作る方法
粉せっけんから作る方法

の順に紹介します。

何れの方法でも、石鹸は型に入れて完全に固まるのにある程度の日数を要しますので、余裕をもって行います。

液体せっけんから作る方法



一番簡単確実で、原理を理解しやすい方法です。

よく勘違いしがちですが、液体せっけんは合成洗剤とは全くの別物ですので注意しましょう。

◆用意するもの

500mlのペットボトル
コップ
塩180g
液体せっけん
コーヒーフィルターなど水を濾すもの
型(100均などで売っている適当なサイズのもの)

◆作り方

①塩水を作る

ペットボトルに水を入れ、塩を加えながら良く振る

塩が解ける限界まで入れます。

②液体せっけんをコップに入れる

およそコップ4分の1くらいまで液体せっけんを入れる

③塩水を加える

液体せっけんを入れたコップに作った塩水をいっぱいまで入れる

④濾す

コップに塊りが浮いてくるので、コーヒーフィルターなどで掬って濾す。

⑤型に入れる

掬ったものを集めて型に入れてきつく押し、水分を抜きます。

そのまま乾燥させて方から抜けば出来上がりです。

◆石鹸が出来る原理

なぜこの方法で液体せっけんから石鹸の塊りを作れるかというと。

液体せっけんは水の分子と結びついて液体の状態になっているので、

水の分子を奪う、あるいは置き換わるものを入れると固形に状態で現れる

というわけです。


もう少し詳しく見てみると、

液体せっけんは水酸化カリウムと反応させた脂肪酸のカリウム塩と呼ばれます。

元素記号を使って表すと

RCHOOH(脂肪酸)+KOH(水酸化カリウム)→RCOOK(脂肪酸カリウム塩)+H2O(水)

この右側の状態が液体せっけんの状態です。

ここにNaCl(塩化ナトリウム)つまり、塩の入った水溶液を加えると

K(カリウム)がNa(ナトリウム)に置き換わり、RCOONa(脂肪酸ナトリウム)となります。

これは普通の固形石鹸の状態です。


もう一つ、塩析と言われる現象を調べてみるとよいでしょう。

せっけんの場合に限って簡単に説明すると、塩水の中で脂肪酸ナトリウムが溶解できずに塊りとなって現れます。

ネットで調べるとすぐに分かりますが、

タンパク質や低分子有機化合物などの溶質が高濃度の塩の溶液には溶解しないという性質を利用し、それらを分離・精製する方法である

と説明されています。


最後にこの実験で一番重要なのは用意する液体せっけんです。

液体せっけんでも、「カリ石鹸」と呼ばれるものを使用してください。

カリ石鹸とは先ほど説明した、脂肪酸カリウム塩のせっけんの事です。

裏の成分表示などで確認して選びましょう。


元素記号を習っていれば、上に挙げた化学変化と塩析の二つの点からまとめてみてください。

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石鹸の素から作る方法



石鹼の素、ソープの素、と呼ばれるものが市販されています。

水を加えてこねるだけのもの、廃油を加えて作るものなどあります。


夏休みの研究ではこれだけでは芸がないので、

ここでは野菜の残りを使って色を付けて石鹸を作る

と言う方法を紹介します。

野菜による色付けと、素材による違い、乾燥後の色の変化

などを画像で記録しながらまとめてみると、エコな自由研究となります。

◆用意するもの

石鹸の素

ビニール袋
エッセンシャルオイル(好みで)

野菜の残り
ブレンダーなど野菜をジュース状にするもの
濾し網など

石鹸の素の一例です


◆作り方

①野菜の準備をする

用意した野菜の残りや不要な部分をブレンダーなどでジュース状にします。

水分の多い野菜はそのままでよいですが、少ないものは水を足してください。

次に濾し網、などを使って濾して繊維質を取り除きます。

これで、色付けをするジュースが出来上がりました。

②石鹸を捏ねる

石鹸の素をビニール袋に入れて水を加えます。
(石鹸のもとによってはお湯、油などの場合があります。それに従って加えてください)

外側から揉んで捏ねます。

③色を付ける

ビニールの中に先ほどの野菜の汁をすこしづつ加えて好みの色の濃さにします。

さらに捏ね上げます。

④型に入れる

ビニールから取り出し、型に入れてきつく押し、乾燥させます。


乾いたら、型を外して出来上がりです。

◆考察する点

自由研究としてまとめる時には次の事に着目します。

一種類ではなく、数種類の野菜を比べてみる

野菜の種類と色を記録する

画像は乾燥する前、乾燥後のものをそれぞれ記録する


最終的にまとめる時には

石鹸を作ること以外にも、

野菜の不要部分や廃棄野菜から染料を作っている企業なないかを調べたり、

乾燥後と乾燥前で色が変わるのはなぜか、などを調べてまとめても良いと思います。

最近、話題になっている食品ロスの視点も組み込むとよいでしょう。

粉せっけんから作る方法



無添加の粉せっけんから石鹸を作る方法です。

ポイントは軟水を用意することにあります。

水には含まれるミネラル成分があり、その中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンが硬度を決めると言われます。

これらの量が多いと硬度が高くなり、少ないと低くなります。

石鹸との関係は、硬水では泡立ちが悪く、軟水では泡立ちがよい、と言うことです。

今回の研究では泡立ちの違いを比べるので、軟水の方が何かと都合がよいのです。

◆用意するもの

無添加の粉せっけん
軟水
油各種(キャノーラ油 大豆油 オリーブオイル ひまわり油など)
耐熱性容器
かきまぜ棒あるいはスプーンなど


無添加粉せっけんの一例です。


◆作り方

①耐熱容器に軟水を大さじ一杯入れて電子レンジで加熱する(500Wで10秒ほど)
②そこに粉せっけんを20gほど入れて混ぜる
③さらに油を小さじ1杯ほど入れる
④混ぜて、再び電子レンジで10秒ほど加熱する
⑤再びよく混ぜる
⑥冷めて、手で触れる温度になったら手で捏ねる
⑦型に入れて押し付け、形を整える

このようにして、使用する油を変えて数種のせっけんを作ります。

◆考察の方法

作った石鹸の数だけペットボトル(すべて同じ大きさ)を用意し、中に同量の軟水を入れる。

それぞれに作った石鹸を1gほど削り取り、

良く振って泡立ちの違い、泡の消えるまでの時間

などを比較してまとめます。


また、小さな布に醤油や泥などの汚れを付けて、洗浄の効果を比べてまとめてもよいでしょう。

市販の合成洗剤との比較で、含まれている界面活性剤について調べると研究も深まります。

※界面活性剤は簡単に言うと汚れを分離して引きはがしてくれる成分です。石鹸や洗剤はこの作用により汚れを落とします。


今回は手作り石鹸について3つの方法を紹介しました。

自由研究ですから、作る過程だけではなく、作った石鹸からいろいろと考察してまとめると深いものが出来上がります。

夏休みの参考にしてください。

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