自由研究としてはハードルの低い野菜染め。
取組みやすいことから行う人が多い課題の一つです。
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家庭科や工作ならば、絞り染めなどの一品物を作るだけでも行えますが、
理科の課題にするならば、染めを複数回行い、
染め上がりの違いを比較してまとめる必要があります。
今回は
1、
基本的な野菜染めのやり方
2、
媒染について
3、
野菜染めの実験方法
に分けて進めてみたいと思います。
ではまずは、基本的な手順から行きましょう。
基本的な野菜染めのやり方
定番の素材、玉ねぎの皮を使った例で説明しましょう。
媒染(後に説明します)はミョウバンを使います。
◆準備するもの
玉ねぎの皮
ミョウバン
ボウル
鍋
布
菜箸
フィルターになるもの(コーナーポット用の不織布など)
計量スプーン
輪ゴム
◆染める手順
①染色液を作る
玉ねぎの皮をコーナーポット用の不織布に入れて輪ゴムでしっかりと留め、
鍋に水を張って沸騰してから15分から20分くらい煮ます。
あるいは、鍋に直接玉ねぎの皮を入れて、煮てから、不織布で濾して染色液を作る方法もあります。
②布を入れる
出来上がった染色液に用意しておいた布を入れて15分前後煮ます。
ときどき菜箸でかき回してください。
色がついたようなら、日を止めてそのまま放置します。
③媒染液を作る
媒染液は布に染色液の色を定着させるために使用します。
主に水溶性の金属が使用されますが、最もよく使われているのはミョウバンです。
精密な測りが無い時には、多めの水と薬品を使用して作り、少量使うという方法をとります。
1リットルの水に2gのミョウバンを入れて作りますが、
水に溶けにくいので、お湯にミョウバンを溶かして使用します。
④媒染液に入れる。
ミョウバンで作った媒染液に先ほど冷ましておいた布を入れます。
染色液からあげたら、軽く水洗いしたものを媒染液に入れます。
⑤媒染液の中で放置する
およそ20分くらいそのままにしておきます。
あとは液からあげて軽く水洗いして、乾かせば出来あがり。
媒染液につけた瞬間から、玉ねぎの皮の赤茶色に染まった布は萌葱色に変化しているはずです。
この後、
実験をするときには媒染液はすべて
水1リットルに対して2g、と言うように濃さを統一しておいた方がよいでしょう。
では媒染液について詳しく見てみます。
媒染について
先程の染で使用したミョウバンを溶かした液の事を
媒染液と言います。
染色液では布に作った染料が定着していません。
それを定着させる役割をするのが媒染です。
本来は色止めの役割をするものですが、使う媒染剤によって色が変わります。
水溶性の金属化合物が多く使われますが、
自由研究で使うものでは手に入りやすい、銅、鉄、アルミニウムが良く使われます。
それぞれ媒染液を作って先ほどの玉ねぎの皮で染めた布を入れると次のようになります。
◆媒染液による染め上がりの違い
・
アルミニウム(ミョウバン):赤茶色→萌葱色
・
鉄:赤茶色→緑っぽい色
・
銅:赤茶色→萌葱色(アルミよりもやや明るい萌葱色になる)
◆媒染液の作り方
・アルミニウム
いわゆるミョウバンなので市販のものをそのまま使用します。
作り方は先程のやり方を参考にしてください。
・鉄
お酢と少量の塩を入れた液をティッシュに染み込ませ、その上に鉄くぎを数本置いて錆びさせます。
釘が真っ黒に錆びたら、水を足して、錆の茶色い駅を容器に移します。
この際にコーヒーフィルターやガーゼを使って濾すと液ができます。
・銅
10円玉や銅線を使用して作ります。
鉄の時と同じように、お酢に食塩を入れて錆びさせて作ります。
お金を使うことに抵抗がある時には、100均で銅線や「漬け物名人」という漬け物の色を鮮やかにするものが売られていますので、それを利用するのも方法の一つです。
野菜で煮だした染色液で染めた後にそれぞれの媒染液でどのように色が変化するか試してみてください。
それでは自由研究として行える実験のバリエーションをいくつか挙げてみます。
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野菜染めの実験方法
◆媒染液による色の違い
もっともよく行われる方法です。
染色液と布を同じにして媒染液を変えて色の変化を比べる方法です。
結果は先程わかってしまっていますが、結果と出来上がったものをまとめてみるとよいでしょう。
◆染色液による色の違い
染色液を変えてどんな色に染まるのかを比べます。
先程は玉ねぎの皮の例を紹介していますが、
他にもいろいろなものを使用できます。
・トマト、ニンジンなど
カロチノイドと言う色素が含まれます。
水に溶けにくく、に出して染色液を使うことができないものです。
お酢を混ぜた水でモミ出すと赤を抽出できます。
・玉ねぎの皮、ミカンの皮など
フラボノイドという色素が含まれます。
・緑色野菜
クロロフィルという色素です。
酸性の液では黄褐色、アルカリ性では緑色になります。
・ナスの皮
アントシアニンと言う色素が含まれています。
酸性では赤く、アルカリ性では緑や青などになります。
上手く染まるもの、そうではないものなど結果をまとめ、理由も考察するとよいでしょう。
◆素材による染まり方の違い
布の素材を変えて染まり具合を調べます。
用意するのは
絹、麻、木綿、毛糸、化学繊維
などです。
もし、うまく染まらないときには
助剤と言うものを使用してみます。
これは染色液の色が布に良く入るように予め、布に染み込ませておくものです。
一般的なのは豆をミキサーにかけて作った汁や豆乳です。
ある程度種明かしをしてしまうと、
染まりやすい素材とは、たんぱく質を成分とするもの、
染まりにくい素材とは、たんぱく質の少ない素材、
となります。
絹はカイコが作り出すものなので、良く染まるでしょう。
麻や木綿は植物なので、染まりにくいかもしれませんね。
こう考えると毛糸はどっちでしょうか?
まず、すべての素材を助剤なしで染めてみて、うまくいかなかったものは助剤を使って再チャレンジして結果を比べてください。
染まりにくかったものは先程の助剤を薄めたものを用意して、
染色液に入れる前の布を入れて染み込ませ、
しばらく置いたら、軽く水洗いして乾かしておきます。
こうすると先程よりも染まりやすくなります。
夏休みの工作の課題として行われがちな野菜染めですが、
幾つものバリエーションがあるので、自由研究としても十分にやりがいがあると思います。
是非参考にしてみてください。
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