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神道の葬儀に出席するときの作法

友人知人、またそのご家族が亡くなって葬儀に出席するとき、

相手方が神道のやり方で葬儀を行う場合には独特の作法を知っておく必要があります。

その場で神職の方や先方、回りの方々に聞くこともできますが、身内を亡くして大変な時ですから、出来れば控えたいものです。

そんなときのために今回は神道式の葬儀の作法を紹介します。

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仏式で行われる葬儀とは異なり、マナーや儀式にも特別なものもあります。

1、故人に対する考え方
2、人が亡くなって行うこと
3、葬儀の流れ
4、気を付けるべき作法と知識
5、香典の目安は


に分けて説明していきます。

では全ての作法のもとになる「人の死」に対する考え方から見ていきましょう。

故人に対する考え方



一般に人の死は身内の方や友人知人にとってとても悲しいものですが、

神道では死を、悲しむべきものではない、と考えられています。

人はなくなると、魂はその家の守護神や地元を守る神様になる、という考え方をします。

葬儀の際にも悲しいことを連想させる言葉を使いません。

葬儀自体も「神葬祭」と呼びます。

人が亡くなってから行うこと



では人が亡くなった時には神道ではどうするのか、簡単に説明します。

1、死を報告する

家には神棚と祖霊舎(仏壇に当たるもの)に故人が亡くなったことを報告します。

これを帰幽報告と言います。

このときに、神棚と祖霊舎の扉を閉じて、白い紙を前面に貼って封じます。

仏式でも、神棚があるお宅では同じように神棚を閉じて白い紙を貼り、神棚封じを行います。

2、枕直しの儀

故人が自宅に戻ってきたら、北枕にして安置し、顔を白い布で覆います。

枕元には守り刀を置きます。

近くに台などを使って祭壇を設置し、その上に米、塩、水を乗せて整えます。

このときに故人の好きだったものを一緒にお供えします。

このあたりの準備は葬儀社の方に聞くと良く解ります。

3、納棺の儀

遺体を清め、白装束を着せて棺の中に安置します。

親族たちで行うことは最近は少なく、葬儀社の方々が行ってくれることがほとんどです。

棺のふたを閉め、その上を白い布で覆います。

ここまでが、家族、親族で行う準備です。

4、通夜祭と遷霊祭

その名の通り、お通夜に当たるものです。

仏式では僧侶を招き読経をしてもらいますが、

神式では神職の方を招き、祭詞と祭文を唱えてもらいます。

この際に、遺族の方と参列された方は玉串というものをささげて礼拝をおこないます。

仏式での焼香に当たるものです。

これに続いて、遷霊祭という儀式が行われます。

霊璽と呼ばれるものに故人の魂を移す作業を行います。

霊璽は仏教では位牌に当たるもので、葬儀が終わると祖霊舎に入れられます。

仏式では49日までは白木の位牌で遺骨を自宅に安置し、49日の法要で仏壇に供える位牌に魂を移します。

5、葬場祭

告別式に当たるものがこの葬場祭です。

行うことは通夜祭と同じですが、喪主の挨拶や出棺に際しての準備が行われます。

仏式でも棺に花を入れたりしますが、神式も同じように行います。

6、火葬祭

火葬場で遺体を火葬します。

神職の方が同行して、祭詞の奏上して、参列した方々に玉串を備えてもらいます。

儀式が終われば、遺体を火葬します。

7、埋葬祭

その名の通り、遺骨を埋葬します。

神道では火葬したその日に埋葬を行うのが普通です。

墓地がまだ見つけられない場合などは自宅に安置することもあります。

8、帰家祭

埋葬を終えて自宅に戻って無事に終了したことを報告します。

9、直会

葬儀後の会食の事です。

神職の方、親類縁者、出席者らとともに宴を開きます。

自宅に帰る前にどこかのお店を予約したりして行うことも多いですね。


地域や個々の家庭の事情で異なる場合もありますから、不明な点は神職の方に聞いておくようにします。

葬儀社の方も詳しいので打ち合わせの際に確認しておきましょう。


葬儀に出席する側は特に通夜祭、葬場祭の時の作法を知っておく必要があります。

葬儀の流れ



地域や神社によっても多少異なります。

参加する側の視点で見ていきます。

◆通夜祭の場合

修祓の義(お祓いをします)

祭主一拝(祭主とは神主さんです。)

遷霊の儀(魂を霊璽に移します)

献饌の儀(お供えやお飾りをします)

玉串奉奠(お焼香に当たる儀式です。後で詳しく説明します)

撤饌の儀(お供えを下げます。下げない場合には省略します)

祭主一拝(最初と同じように神主さんと礼をします)

神職退下(神主さんの退場)

閉式(お通夜の終わりです)

通夜ぶるまい(来ていただいた方と親族でお食事をします)


全てが終わり解散します。

◆葬場祭

修祓の義(お祓いをします)

祭主一拝(代表の神主さんと一緒に礼をします)

献饌の儀(お供えをします)

祭詞奏上(神職の方が行います)

玉串奉奠(これも後に詳しく説明します。)

撤饌の儀(御供え物を下げます)

祭主一拝(代表の神主さんと一緒に礼をします)

神職退下(神主さんが退場します)

弔電奉読(弔電が読まれます)

最期のお別れ(献花などを行います)

出棺の挨拶(祭主からのご挨拶)

出棺(火葬場に向けて出発します)

火葬

収骨(火葬が終わったら、皆で骨を拾います)

火葬場出発(式場に戻ります)

十日祭(火葬から戻ったらそのまま行うことも増えて居ます)

埋葬

直会(いわゆる精進落としで、神職のかた、親族、参列者をねぎらう会食です)

この後、解散となります。

本来、神道では十日祭は葬儀の後、50日まで、十日ごとに行うのですが、省略されることも多いようです。

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気を付けるべき作法と知識



では、神道の葬儀に出席するときに気を付けることをまとめてみましょう。

◆服装

仏式と同じで、通常の喪服で大丈夫です。

ただ、神式では数珠は持っていきません。

◆ご挨拶の言葉使い

先程も触れましたが、神道では死を悲しむべきものではないと考えます。

ですから、「お悔やみ」の言葉は基本的に使いません。

仏式の言葉は使いませんから、言い換えの例を知っておきましょう。


お悔やみ申し上げます。→この度は突然のことで…

ご冥福お祈りいたします→御霊のご平安をお祈りいたします。

成仏→平安


などです。

また、神式の言葉がなじみの深い仏式では何に当たるのかを対比すると以下のようになります。

法要→霊祭
喪主→祭主
位牌→霊璽
御布施→御玉串料、御礼、御祭祀料
焼香→玉串奉天
戒名→諡名、霊号
忌中払い→直会

この他、

初七日に当たるものは十日祭

四十九日に当たるものは五十日祭

と少し日にちがずれます。

一周忌も一年祭と呼びます。

◆知っておきたい作法

1、手水

神社にお参りする際に心身を清める作法として知られているのが手水です。

神式の葬儀でも参列者の心身を清める儀式として行います。

やり方は神社で行うものと一緒です。

やり方

まず、右手で柄杓を持ち、水を掬い、左手にかけて清めます。

次に左手に柄杓を持ち替え、水を掬い、右手にかけて清めます。

さらに、右手に柄杓を持ち替え、水を掬って左手で受けて、その水で口をすすきます。

柄杓を元に戻して、半紙で両手を拭きます。


2、玉串奉奠

仏式のお焼香に当たるものです。

やり方

自分の順番が来たら、次に人に会釈して進み出ます。

遺族、斎主の方へ向き直り一礼します。玉串を受け取った後で一礼することもあります。

神職または、葬儀社のかたから玉串を胸の高さで両手で受け取ります。

そのままの高さを保ち、右手で付け根、左手で葉に近い部分を持ちます。

左手を上に、右手を下にして玉串を垂直に立てます。

垂直になったら、左手を右手に近い位置に移しておきます。

玉串を時計回りに180度回し、付け根が上を向くようにします。右手を上に移動させて回します。

付け根が遺影の方向、葉が自分に向くようにして、台の上に玉串を静かに置きます。

遺影に2回お辞儀をします。

次に音を立てないようにして、2回拍手をします。

もう一度お辞儀をします。

後ろに下がって、遺族の方、斎主に一礼して席に戻ります。


神社に参拝するときの作法と同じなのが解ると思います。

自分の番が来るまでに、前の方の作法を確認しておきましょう。

次は持参する香典についてです。

香典の目安は



持参する香典の金額は亡くなった方との関係性で違ってきます。

◆金額

親族

両親の場合(義理の両親も含む):5万円~10万円
祖父母の場合:3万円くらいまで
兄弟姉妹の場合:5万円くらいまで
叔父叔母の場合:2万円くらいまで
従兄弟など遠い親類:2万円くらいまで

下限の金額は示していませんが、常識の範囲内で考えて、少なすぎないようにします。

◆仕事関係

上司の場合:1万円くらいまで
上司の家族の場合:1万円くらいまで
同僚、部下の場合:1万円くらいまで
同僚、部下の家族の場合:1万円くらいまで

◆交友関係

友人知人の場合:1万円くらいまで
友人知人の親の場合:1万円くらいまで
恩師の場合:1万円くらいまで
ご近所の方の場合:1万円くらいまで

一応の目安ですが、故人との関係性が強ければ金額は多めに、それほどでもない場合には少な目になります。

また、地域の習慣などによっても違ってきますので、良く解らないときにはご近所の方にそれとなく聞いてみるのも一つの方法です。


金額以上に気を付けるのが香典に使用する封筒です。

◆香典に使用する袋

香典に使用する袋は文具店やコンビニ、100均などで簡単に手に入りますから、突然の時にも困らなくなりました。

でも、神式の場合には以下の点に気を付けてください。

蓮の花が描かれたものは使用しない
水引の色は黒と白のもの、または双銀のものを選ぶ

蓮の花は仏式用なので特に気を付けてください。

◆表書き

表書きは水引の上側に

御霊前

御玉串料

と書きます。

下側に自分の名前を書きます。

神道のお葬式になれている人は多くありませんし、作法を知っている方も少ないと思います。

急な訃報が届いたときに参考にしてみてください。

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