夏休みが終わりに近づいて時間が無くなってきたときにお勧めなのが水を使った自由研究。
中でも表面張力の実験は失敗が少なく、手軽なのでお勧めの一つです。
今回は小学6年生レベルでレポートをまとめる知識について触れたいと思います。
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準備するものが今ではあまり使われないものなので家にはないと思いますけど、100均などでそろえて行うことができます。
費用もそれほど掛かりません。
水の表面張力の実験
まずは水の表面張力を観察する基本的な実験を行ってみましょう。
ここではいくつかの実験を紹介しますが、これから紹介するものがすべての実験の基礎になりますから、
水の状態を観察して表面張力がどんなものかつかんでおきましょう。
◆準備するもの
・適当な大きさのコップ(口の広いものが適している)
・水
・ビー玉(同じ大きさでそろえます)
コップは口の狭いものよりも広いものが観察がしやすいです。
ビー玉は同じ大きさのものを用意しないと、後で対照実験をするときに困ります。
◆実験の手順
①まず、コップに水を一杯に入れます。
グラスの縁まで入れます。
②ビー玉を入れます。
1つずつ、静かに入れていきます。
③水面の様子を観察します。
ビー玉を入れると、徐々に水面がコップのふちよりも盛り上がってきます。
その様子をできればデジカメなどで撮影します。
何個ビー玉が入るか記録します。
縦長の口の狭いコップだと、すぐに水がこぼれて、観察しにくいので同じ要領なら口の広いものを使用しましょう。
◆水がこぼれなかった理由は
コップのふちよりも水面が高くなっても水がこぼれない理由、
それが
表面張力というものです。
水は水分子という小さな粒が集まってできています。
分子同士は普段、お互いに引き合っていて、できるだけ小さくまとまろうとしています。
そのためコップのふちから盛り上がっても、できるだけ表面積を小さくしようとする力のおかげでこぼれないでいられます。
この実験では水の性質の一つ、表面張力を観察できたわけです。
ではこの表面張力についてもっと深く探る実験をやってみましょう。
同じ装置を使った表面張力の実験
上の実験と同じ道具で表面張力についてもっと深く考えます。
◆水の温度で表面張力が変わるのか
まず、冷蔵庫で冷やした水と熱して温めた水を使用して先ほどと同じ実験をします。
①同じ大きさのコップ(耐熱容器が無難です)を用意します。
②片方には冷やした水、もう片方にはお湯を一杯まで入れます。
お湯の扱いには十分注意して、火傷をしないようにしてください。
③ビー玉を一つずつ、静かに入れていきます。
④水面を観察します。
水面の盛り上がりと、水がこぼれた時のビー玉の個数を記録します。
◆結果から表面張力について考察する
冷やした水よりも、お湯の方がはやくコップからこぼれたはずです。
表面張力の大きさは
液体の温度
液体の種類
表面積の大小
で決まります。
今回の温度に注目した実験では
温度が高くなると表面張力が小さくなる
ことを確かめます。
他にも、
同じ容量で口の大きさの違うコップが用意できれば、表面積と表面張力の関係を調べられます。
油などほかの液体と同時に実験すれば液体の種類による表面張力の違いを比較したすることもできます。
1つの実験だけではなく、同じ道具でできる対照実験を行うことでより深い考察ができるようになります。
その方自由研究のレポートをまとめるときも楽になりますし、内容も充実します。
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表面張力と不純物の実験
表面張力は不純物が含まれると小さくなるという性質があります。
このことを確かめる実験です。
ここではアメンボに見立てた針金を用意します。
◆準備するもの
・針金で作ったアメンボ
・洗面器や浅めの容器
・台所用洗剤
・ストロー
針金は太いものではなく、0.2㎜くらいの細くて軽いものを使用して画像ように足が4本生えているアメンボを作ります。
円い部分は釘など適当なものに巻き付けてつくるとうまくいきます。
怪我をしないように注意してください。
◆実験の手順
①容器に水を張ります。
一杯に張る必要はありません。
②アメンボを浮かせます。
ピンセットのようなものでそっと水面に浮かせます。
③洗剤を加えます。
ストローを使ってアメンボの近くに少しずつ、洗剤を落とします。
④アメンボの動きと状態を観察します。
◆結果と考察
ストローで洗剤を落とすと、アメンボが落とした位置から逃げるように動くのが観察できると思います。
水の分子はお互いに引っ張り合って表面張力が安定していましたが、洗剤を入れることでその部分の表面張力が弱くなって、反対に引っ張られます。
逃げているように見えたのは、実は表面張力が強い側に引っ張られていたのです。
このことから、洗剤を加えることで表面張力が弱くなることが観察できます。
さらに、洗剤を落とし続けると、アメンボは沈んでしまいます。
洗剤を加え続けるとアメンボを支えられないくらいに表面張力が弱まって針金のアメンボが沈むのです。
表面張力が弱まる原因は
水の表面張力が弱まる原因は先ほど挙げた不純物が入ることによります。
このとき、どんなことが起こっているかに少し触れておきます。
◆界面活性剤
界面活性剤とは石鹸や洗剤に含まれている成分です。
界面活性剤はマッチ棒のような形をしていて、片方が水になじみやすい部分、もう片方が水になじみにくい部分になっています。
水になじみやすい部分を親水基(しんすいき)
水になじみにくい部分を疎水基(そすいき)
と言います。
水に洗剤を落とすと、中の界面活性剤の親水基の部分が水になじんで、水分子同士が引っ張り合う力を弱めます。
結果、洗剤を落として部分から表面張力が弱まって、落とし続けると水面全体の表面張力も弱くなり、
実験で使ったアメンボも沈んでしまうのです。
先ほどの実験ではこの界面活性剤を使用しているものであれば、洗剤ではなくても同じ結果が得られるでしょう。
表面張力と界面活性剤の影響を見る実験
先ほどは針金のアメンボを使用してその動きで表面張力の変化を見ましたが
もっとはっきりと確認するにはコショウなどを使用して観察します。
◆実験の方法
①先ほどと同じ容器に水を入れて、コショウなど振りかけます。
水の動きが確認できる程度で十分です。
②まず、指や何もついていないストローの先端で水面を触ります。
③次に洗剤を先ほどの要領で落とします。
◆結果と考察
指や何もついていないストローのときには水面のコショウはそのままのはずです。
でも、洗剤を垂らすと一瞬で穴が開いたようにコショウが縁の方に引っ張られていくのが確認できるはずです。
まるでドーナツみたいになります。
先ほども説明したように、洗剤を中心に表面張力が弱くなり、力の強い縁の方に引っ張られたのです。
こちらの実験の方がはっきりとその様子を確認できますね。
夏休みの自由研究は手軽と言われるものでも、
取り掛かると難しかったり、結果が出るのに時間がかかったりするものがありますが、
この表面張力の実験は失敗も少ないのでお勧めです。
それだけに同じ条件で複数の実験をおこなったり、少し観点をかえてみたりと工夫が必要です。
レポートにまとめる時にはその方がやりやすいと思います。
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2017-05-27 10:43
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