理科の自由研究、夏休みの定番ですが切羽詰ってやる人も結構いますね。
中学生や小学生には必ず課題が出ますから、避けては通れません。
中でも塩の結晶の観察は手軽ということで取り組む人が多いですが、落とし穴もあります。
休みが終わる直前で取り組んで失敗して焦るケースも見受けられるので、
今回はその辺も踏まえて塩の結晶の観察を紹介します。
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まずは塩の結晶とはどんな形をしているのか押さえておきましょう。
塩の結晶の形
塩の結晶はでき方や環境によっていろいろな形になりますが、主に次のような形になります。
いずれもhttp://www.shiojigyo.com/siohyakka/about/data/shape.htmlより
基本的な形はサイコロのような形をしています。
正確には正六面体と言いますが、この形が基本となって積み重なったりしていきます。
少し難しくなりますが、塩とは塩化ナトリウムのことで、整った形になる原因はイオン同士(塩化物イオン、ナトリウムイオン)の結合力がどの方向にも等しく働くためです。
形を確認したところで、塩の結晶を作り出す実験を紹介します。
はじめは基本的な実験手順です。
モールの回りに塩の結晶を付着させる実験
◆用意するもの
・食塩:400g
・水1リットル
・なべ
・モール(3本くらい)
・菜箸(鍋の直径より長い棒)
・糸(木綿糸、釣り糸など)
・段ボール
・2リットルペットボトル
・新聞紙
◆実験の手順
この実験では、食塩水の中にモールを吊るして、その周りに塩の結晶を付着させます。
画像では容器がペットボトルになっていますが、鍋を使います。
まずは実験装置の組み立てです。
①モールを形作る
色違いのモールを好みの形に曲げます。
それに糸を結びつけます。
モールに結んだ糸は菜箸などに縛ります。
②容器を作る
用意したダンボールに新聞紙を敷いて鍋を入れて合わせます。
隙間隙間があるようなら新聞紙を入れて調整します。
鍋は取り除いておきます。
これで準備が出来ました。
ここからが実験です。
③鍋に水と塩を入れてかき混ぜ、火にかけます。
食塩が完全に溶けてしまっているようなら、足してください。
少し、残っているくらいが理想です。
④結晶を確認する
火にかけている食塩水の水面に結晶が浮き始めたら火を止めます。
⑤モールを入れる
モールを縛ってある菜箸を鍋に渡してモールを食塩水の中に浸けます。
⑥鍋を段ボールに移す
火傷をしないように注意しながら鍋を先ほど用意したダンボールに移します。
⑦結晶のでき方を観察します。
塩の結晶がモールについたのを観察できるのは最短で1日はかかります。
実際には条件により数日から1週間以上かかることも珍しくありません。
けっこう気長にやらないとなかなか結晶を観察できないかもしれませんね。
また、よくある現象として、モールにはあまり結晶がつかず、鍋の下の方に大きめの結晶が出来たり、思うようにいかないことも多いです。
私も最初はうまくいきませんでした。
大きめの塩の結晶を観察するには
・焦らない
・食塩水がゆっくり冷めていくようにする
・水が蒸発しやすい状態にする
ことがポイントだと思います。
とくに水が急激に温度を下げるとうまくいかないので、新聞紙とダンボールで熱が早く逃げないようにしています。
実験の結果やレポートのまとめにはこのブログの記事
夏休みの自由研究 中学校理科のレポートはこう書く!
を参考にしてみてください。
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条件を変えて実験してみる
塩の結晶がうまくできて、時間に余裕のある時には一つだけ条件を変えて実験を行ってみましょう。
より深い考察が得られると思います。
◆食塩水の温度を変えてみる。
先ほどは食塩水を鍋で加熱しました。
加熱していない食塩水では結晶のでき方に違いがあるかどうか観察します。
同時に食塩の溶ける量も温度によって違うのかどうかも確認します。
どちらも食塩が解け残った状態の飽和食塩水の状態にしたものを使用してください。
※飽和食塩水
これ以上食塩が溶けきらなくなった状態の食塩水の事。
ただし、温度によって食塩の溶解量は異なります。
温度が高い程食塩の溶解量は増え、低い程溶解量は減ります。
※溶ける食塩の溶解度には注意が必要です。
塩は温度によって溶ける量に極端な変化がありません。
飽和溶液、100グラム中の量では
20℃で26.39g
100℃で28.15g
です。
この点も踏まえて結果を考察しましょう。
◆容器を密閉する
完全に密閉するわけではありませんが、水が蒸発しやすい状態と蒸発しにくい状態とでは結晶のでき方に違いがあるかを比べます。
◆温度変化を変える
基本の実験では加熱した食塩水が急激に冷めないように周りを新聞紙とダンボールで囲みました。
今度は熱が逃げやすい状態、温度変化が急激な状態で結晶のでき方を観察します。
これらの実験を同時に行うことで塩の結晶が出来やすい条件がより明確になってくると思います。
もっと早く塩の結晶を作る方法
塩の結晶をもっと早く作りたい場合はこの方法がおすすめです。
◆準備するもの
・底の浅くて広い容器
・水
・食塩
◆実験の方法
①まず飽和食塩水を作ります。
水に食塩を溶かしていき、これ以上溶けない状態にします。
②容器に食塩水を入れる
水が早く蒸発しやすいように浅い容器を選びます。
③日向に出して観察する
天日干しで塩を作る方法と同じやり方です。
真夏の日差しなら5時間から6時間くらいで結晶が出来始めると思います。
これも最初の食塩水の温度を変えたものと比べてみたり、容器に入れる食塩水の量などいろいろと条件を変えて試してみましょう。
理科の実験の中で塩を使った実験は手軽そうに見えますが、結晶を観察する実験は条件が整わないとなかなかうまくいきません。
成功した場合だけではなく、うまくいかなかったこともそのままレポートにして原因を考察すれば立派な自由研究になります。
うまくいく模範解答にこだわらずに実験の過程を記録し、きちんと観察しましょう。
くれぐれも期間に余裕をもって行ってくださいね。
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2017-05-25 12:24
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