冬休みの課題で自由研究が出されることがあります。
自由研究というと夏休みが定番ですけれど、冬休みはあっという間に終わってしまいます。
でも、理科の実験の中から選べば最長で3日、最短で数時間で終わってしまうものもあります。
今回は冬休みにピッタリの実験を集めてみました。
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どれも身近でそれほど手間をかけなくてもできるものばかりですから、早めにチャレンジしてみてください。
塩水のエレベーター実験
小学校低学年から、中学1年生くらいまでに向いた実験です。
学年に幅があるのはレポートのまとめ方でそれぞれの学年にあった考察ができるからです。
でも、行う実験と用意するものは一緒です。
◆用意するもの
・野菜、数種類(サツマイモ、キュウリ、ニンジンなど縦長のものが良い)
・ワセリン(薬局などで買えます)
・食塩
・あぶら粘土
・細いチューブ(透明な2ミリくらいのもの)
・セロテープ
・プラスティックのコップ、または容器
・輪ゴム
◆使用するもの
・包丁
・小さめのスプーンまたはバターナイフ
小学校の低学年の人は包丁を使う部分はお家の人にやってもらってくださいね。
◆実験の準備
では早速準備しましょう。
①まず用意した野菜を長さ10センチくらいに切ります。
②次に切った野菜の内部をスプーンやバターナイフを使って穴をあけます。
このときに野菜のカベの厚さを7ミリくらい残して中味をくりぬいてください。
③穴が開いたら、そこに食塩を入れます。
アナにすりきり一杯よりも少し少な目くらいまで入れます。
④用意しておいたチューブを塩に差し込みます。
穴の深さの大体、3分の2くらいまで差し込んでください。
⑤チューブを差し込んだ野菜の口をあぶら粘土で塞ぎます。
空気や水が浸入してこないようにしっかりと塞いでください。
⑥次に輪ゴムを野菜に巻いて締め付けます。
⑦用意したプラスチックのコップまたは容器に水を入れて野菜をその中に入れます。
水の量は野菜の粘土でふさいだ口の少し下位に来るようにします。
⑧容器を壁際に置き、チューブをカベにまっすぐにセロテープで貼り付けます。
⑨数種類の野菜で同じように装置を作ります。
こうして観察します。
ワセリンは粘土でもうまく塞ぎきれないときに塗ると漏れを防げます。
◆観察の方法
・透明なチューブの中を水が上がっていく様子を観察します。
・同じ時間で野菜の種類によって水の上がる早さの違いや量を観察します。
◆なぜ水が上がるのか
水は食塩よりも野菜に多く含まれています。
塩分の濃度は同じになろうとして、野菜の中の水分は食塩のほうに移動します。
そして食塩のほうに多くの水分が入っていきます。
さらに、野菜にはたくさんの穴が開いているので野菜の水分が全て食塩の側に移動しても浸かっている容器の中の水分を取り込んで中の食塩のほうに水が移動し続けます。
すると時間がたって、食塩を入れてある部分に水が収まりきらなくなって、チューブを上がっていきます。
小学生ならば実際に見た結果と野菜の種類による違いをまとめます。
中学生くらいになれば、浸透圧と半透膜がこの実験のキーワードになるので教科書や参考書、ネット等で調べてまとめます。
先に原理を説明してしまったのはその方が調べてまとめやすいからです。
実際に水がチューブを上がってくるのに時間がかかるかもしれませんから、実験は余裕をもってやってみてください。
5円玉レンズ、50円玉レンズ
これもとても簡単な実験です。
でも自由研究としては身近なことと関係しているのでふさわしいテーマですよ。
小学校の中学年、3年生から4年生くらいに向いている理科の実験です。
◆用意するもの
・5円玉または50円玉
・スポイト
◆実験の準備
①用意した5円玉または50円玉の中央の穴にスポイトを使って水をたらします。
②そして、水が張っている穴から覗いてみます。
③文字や絵の見え方を観察します。
◆観察の方法
・スポイトで垂らす水の量を変えて覗いてみます。
・水の量が多いときと少ないときの見え方の違いを記録します。
◆どんな見え方をするのか
・水の量が多いとき
例えば文字を覗いてみると実際よりも大きく見えます。
・水の量が少ないとき
同じ文字を覗いてみると実際よりも小さく見えます。
◆なぜ大きさが違って見えるのか
水の量が多い時には、水の表面張力の関係で穴の上下から水が盛り上がっています。
この状態は凸レンズと同じ状態です。
凸レンズは稜の方向がレンズの外側に向かっているので、そこを通して見るものは外側に引っ張られた状態で見えます。
つまり広がって見えるわけです。
反対に水の量が少ない時には、水の表面は凹んだ状態になっているはずです。
この場合は凹レンズと同じ状態になっています。
凹レンズは稜の方向がレンズの中心側に向かっているので、それを通して見るものはレンズの中心に引っ張られた状態になります。
つまり、実物よりも小さく見えるのです。
5円玉と50円玉の穴に落とした水をレンズに見立てて膨らんでいるときと凹んでいるときの違いを観察します。
まとめるときにはレンズの違いによる見え方を中心にまとめましょう。
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水の表面張力の実験
今回の実験の中で一番手軽、何も買いそろえなくてもできる実験です。
先ほどの実験でも触れましたが、水の表面張力を体験するものです。
◆用意するもの
・あみじゃくし、または細かいあみ目のザル
・コップ
◆実験のやり方
今回は準備する必要がないのでいきりなり実験します。
①まずコップ一杯に水を入れます。
②あみじゃくしをコップのふちにかぶせて上から手で押さえます。
③もう一方の手でコップそこを押さえて、コップを上下から押さえるように持ちます。
④そのまま上下をひっくり返して余分な水がこぼれなくなるまで待ちます。
⑤上側の手を放してあみじゃくしの取っ手を持ちます。
⑥そのまま、そっと下側の手を放していきます。
すると、コップの中の水はあみじゃくしの間からこぼれずにそのままになっています。
◆観察の方法
複数のあみじゃくしを用意できれば、網の目の大きさによってどのくらいまで水がこぼれないかを試してみます。
可能なら、お家の人に許可を得てアルコール(ウイスキーやお酒)で試してみるのも良いでしょう。
◆なぜ水は網をすり抜けないのか
ヒントは今まで紹介した実験で予想がつきますが、
水の表面張力によって網の目が埋められてしまうため、コップはふたをされたような状態になります。
それで水がこぼれないのです。
もちろん網の目が大きくなると表面張力の限界を超えてしまうのでこぼれてしまいます。
また、水は液体の中でも特に表面張力が強いのでこぼれませんが、アルコールや油は同じ網の目でもこぼれてしまいます。
アルコールや油は水の半分くらいの表面張力しかありません。
実験は網の目の大きさを変えて結果を比べてみた後で、同じ網の目でアルコールなどを試してみましょう。
水中にシャボン玉を作ってみる
最後に表面張力の強さの実験をシャボン玉で行いましょう。
シャボン玉というとシャボン液にストローをつけて息を吹いて遊んだ記憶があると思いますが、今回は水中に作ってみます。
小学校5年生から6年生くらいに向いています。
◆用意するもの
・プラコップ(透明なもの)2つ
・水
・ストロー
・食器用洗剤
・水彩絵の具
・ハサミ
◆実験の準備
①シャボン液を作ります
コップに水を入れて食器用洗剤を10滴くらい垂らします。
あまり濃すぎるとうまくいきません
②泡立たないように気を付けながら割りばしやストローでかき回して混ぜます。
③これを二つ用意します。
④二つ用意したシャボン液の片方に水彩絵の具で色を付けます。
見やすい色なら何でも構いません。
⑤ストローを10センチくらいに切ります。
これで準備完了です。
◆実験のやり方
①
・透明のシャボン液の中にストローを2センチくらい入れて反対側を指でふさぎます。
・静かに液からストローを上げて液の水面上3センチくらいで、押さえているストローの反対側の指を放します。
・するとストローの中のシャボン液が落ちて水中に玉状の物ができます。
②
・色のついたシャボン液の中にストローを同じように入れて、指で上側を押さえて塞ぎます。
・色のついていないシャボン液の上にストローを持って行って、同じように落とします。
・すると、シャボン液の中に色のついた玉状のものができます。
◆観察の方法
・落とすシャボン液の量と落とす高さを変えて水中にできる玉の状態を観察しましょう。
◆なぜ水中にシャボン玉ができるのか
同じことを水で行っても水中に玉状のものはできませんね。
色のついた水を落としても絵具が広がるだけです。
これも表面張力に関係しています。
水は小さな分子からできていてお互いを引っ張り合っている。
この力が表面張力といわれるものです。
水中にシャボン玉が出来るためには落とした水滴の回りに空気の薄い膜ができる必要がある。
水の分子の表面張力は強いのでこの空気の膜を壊してしまいます。
でも、洗剤を混ぜることによって水の表面張力を小さくすることが出来るので、空気の膜が壊れにくくなり、シャボン玉が水中にできます。
前の実験であみじゃくしの網の目から水はこぼれなくても、油やアルコールはこぼれてしまうのと同じ理由です。
これらの実験は水の同じ性質を違った角度から確かめるわけですね。
また、理科の実験のレポートのまとめ方はこのブログの記事
夏休みの自由研究 中学校理科のレポートはこう書く!
で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
小学生も中学生も書き方とまとめ方は同じです。
冬休みは短いので自由研究も計画を立てて一日か二日くらいで終わらせましょう。
理科の実験は短時間で終わるものが多いので特にお勧めです。
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