クリスマスの植物としてお馴染みの柊。
飾られる理由はその花ことばと形にあります。
でも、クリスマスに飾られる柊は日本の柊とは別の種類のもの、ということをご存知でしたか?
本来クリスマスに飾られるのは(西洋柊)セイヨウヒイラギと呼ばれるもので日本の柊(ヒイラギモチ)とは違う種類のものです。
クリスマスに柊が使われるのは柊の葉っぱの棘がイバラのようでキリストのかんむりを連想させるからと言われます。
また、聖書ではヨゼフとマリアが幼子をつれてヘロデ王からエジプトに逃れてきたとき、
追手が迫って柊の茂みに身を隠すと葉が茂って彼らの姿を兵から隠してくれたので危険を回避できたというお話もあります。
マリアはこのときに自分達を守てくれたヒイラギに祝福を与えたのでそれ以降かれることのない木になったそうです。
今回はこんな不思議な言い伝えをもつ柊について少し掘り下げて見ます。
西洋柊、セイヨウヒイラギ(クリスマスホーリー)について
クリスマスに飾られる本来の柊は地中海地方原産のこの
セイヨウヒイラギです。
画像の出典はhttps://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-907
クリスマスホーリーと呼ばれて聖なる木と言われています。
学名はIlex aquifolium
和名はセイヨウヒイラギ
モチノキ科モチノキ属
柊はモクセイ科で葉が対生するのですが、セイヨウヒイラギはモチノキ科で葉が互生(交互に生える)します。
なぜ、和名のセイヨウヒイラギがついたかというと、鋸葉が柊の葉っぱに似ているからこの名前がついたそうです。
どちらも葉っぱがとげとげしい形なのは若木の葉っぱで木が成長して大きくなると、葉っぱは丸くなって棘も無くなってきます。
成長した木の葉っぱは、別の木の葉っぱのように見えます。
西洋柊(セイヨウヒイラギ)は4月から5月ごろに白い花をつけ、11月ごろに赤い実がつきます。
クリスマスのリースや飾りとして多く使われています。
柊の形の造花や、デコレーションも多く市販されていますね。
言い伝えでは
柊の棘はキリストの茨の冠に、
赤い実はキリストの血、
に例えられるとされます。
このことからクリスマスに飾れるようになったのですが、その花ことばも少なからぬ影響があるのかもしれません。
◆セイヨウヒイラギ(クリスマスホーリー)の花ことば
・神を信じます
・不滅の輝き
・予見(将来の見通し、未来への希望)
などが有名です。
最後の「予見」というのは暗い未来の予知というのではなく、前向きなニュアンスのものだそうです。
これ以外に西洋柊(セイヨウヒイラギ)にまつわる言い伝えには
・セイヨウヒイラギの多く生えているところには石炭がある(イギリス)
・セイヨウヒイラギの多くは得ている土地にはミョウバンがある(ヨーロッパ諸国)
・セイヨウヒイラギの実がたくさんなっている年には寒さが厳しくなる
・身があまりなっていない年には冬は暖かい
と言われます。
では、今度は日本の柊についてです。
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柊(ヒイラギモチ)について
日本の柊はヒイラギモチと言われ、中国原産の木でチャイニーズホーリーと呼ばれる木です。
緑の濃い葉と赤い実のコントラストがきれいなので、クリスマスの時期にはクリスマスホーリーとして大量に出回ります。
つまり、
多くの方が見ているクリスマス飾りはこのチャイニーズホーリーということになります。
このヒイラギモチも若木のうちは葉がとげとげしいのですが、成長していくと丸みを帯びていくのはセイヨウヒイラギと同じです。
画像の出典はhttps://www.awaji.ac.jp/alphagarden/migoro/backnumber/bn2017/m01/no2
金木犀と同じモクセイ科の植物で、木が若いうちには葉っぱは四角形をしていて、その四隅と先端に棘があります。
私たちのイメージにある柊の葉っぱはこの若木の葉っぱのようですね。
◆名前の由来
柊の名前の由来はこの棘からきています。
「
ひいらぐ(柊ぐ)」ということばがありますが、これは葉の先の棘に触れた時に感じるヒリヒリした痛みを指します。
この棘の痛みをキリストの受難と考えてセイヨウヒイラギ(クリスマスホーリー)を飾るのです。
同じ様な葉をもつヒイラギモチが用いられている訳です。
また、日本ではこのヒイラギモチは伝統的な行事に使われています。
◆節分に用いられる柊
日本では柊は2月3日の節分に用いられます。
最近はあまり見かけなくなりましたが、
柊の枝葉に鰯の頭を刺して玄関先に立てて魔除けにします。
節分の柊に関してはこのブログでも
節分とは、めざしやいわしを飾ることもある?
で以前、採りあげましたが、昔ながらの庭のある家には庭木や生垣の木にもよく使われています。
この理由も葉の棘が邪気や悪いものの侵入を防ぐという意味もあるのかもしれません。
また、寒さに強く、刈り込みやすいことも庭に植えられてきた理由でしょう。
今回はクリスマスに飾られる柊についてのお話でした。
本家のクリスマスホーリーは西洋柊(モチノキ科)、
多く流通しているのはチャイニーズホーリーのヒイラギモチ(モクセイ科)、
共に若木のうちには葉っぱがとげとげしいが、成長すると葉は丸くなっていく、
ということです。
クリスマスにはその棘がキリストの受難とその実がキリストの血を表すとして多く出回ります。
今回のような知識をもってリース選びや飾りを作るとちょっと違った楽しさがあるかもしれません。
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