年末になると年賀状作りに追われる、
高齢者の方々はそんな時代を過ごしてきたのではないでしょうか。
今は若い人たちはメールやラインで挨拶を済ませているようですが、
毎年手作りで送られてくる年賀状はどこか温かみのあるうれしいものです。
今回は高齢者の方が年賀状を手作りする方法でお勧めのものを紹介しますが、
体の状態や施設に入っているなどの理由で作るのを遠慮したり、年賀状を辞退することも多くなっています。
高齢者施設やデイサービスでの年賀状の手作りはそんな高齢者の方の支援の意味もあります。
年賀状の作り方とともに、年賀状をもらうこと送ることについても考えてみたいと思います。
たくさん年賀状を手作りできる方法
高齢者施設で作る年賀状は一品物の様な手書きのものだと、送る人が多い場合に作るのが大変です。
同じ柄や絵を手作りで作るのに簡単な方法が
型染めというやり方です。
もともとは布や生地に染めるやり方なのですが、それを応用して絵や柄を紙に書いていきます。
◆用意するもの
ハガキ
型紙
クリップ
絵の具又はポスターカラー
タンポ
◆作り方
①型紙を作る
自分が作りたい絵や模様のイラストをハガキの大きさに合わせて用意します。
絵の具が染み通らないような紙に印刷して、形を切り抜きます。
こんな感じで、イノシシなら輪郭と目や模様の型紙をつくります。
梅の花なら花の形と中心の模様の型紙をつくります。
複雑な形などは職員の方が手伝ってあげてください。
②はがきに固定する
次は型紙をハガキにクリップてズレないように固定します。
猪なら最初に体の全体を固定して、それが終わったら模様や牙、顔を別の型紙で入れていきます。
③色を塗る
固定した型紙の上からタンポの様な物に絵の具を付けて色を乗せる感じでたたいていきます。
絵の具の水分量が仕上がりに影響しますから、あまり水が多すぎるときれいに仕上がりません。
あらかじめほかの紙で試してから行うと失敗がありません。
始めは輪郭や大きなところ、次に細かいところの型紙に変えて行います。
型紙を変える時には前に塗った絵の具が十分に乾いてから外すようにしてください。
④文字を入れる
絵が完全に乾いたら、文字を入れます。
「謹賀新年」
「頌春」
など筆ペンなどで大きめに書いて、そのあとに新年のご挨拶を書きます。
これで完成です。
利用する高齢者の方の状態でところどころ手伝えば、皆さん完成できるでしょう。
描こうとする絵が複雑になれば、それだけ型紙も多くなるので、塗る工程も増えます。
細かいところは普通のタンポではやりづらいので筆の先に小さなものを作って用意しておく方が良いでしょう。
また、ハガキ自体も施設のレクリエーションとして事前に作っておくこともできます。
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牛乳パックを再利用したハガキの作り方
普段使い捨てている牛乳パックからハガキを作ることができます。
作り方はそれほど難しくもないので月の始めに作っておいてそれを使用するとより一層手作り感が出ます。
◆用意するもの
牛乳パック
ハサミ
水の入る水槽
ポリバケツ
鍋
ザル
水
台所用中性洗剤
家庭用塩素系漂白剤
ミキサー
木製の枠 15×10×3のものを2つ
金網枠よりも一回り大きいもの
アイロン
タオル
まな板
◆作り方
①パックを開いて切る
良く洗ったパックを開いてハサミで2枚に重なった部分を取り除いて適当な大きさに切る。
鍋に入る大きさに切ることがポイント
②鍋で煮る
水と1リットルに対して中性洗剤は小さじ2杯程度を目安にして鍋に入れる。
切ったパックを入れて、弱火で1時間くらい煮る
このまま半日放置する
③漂白剤溶液を作る
水一リットルに対して漂白剤は小さじ2杯程度の割合で溶液を作る
先程のパックを入れてそのまま12時間くらい置く
④すすぐ
ザルに浸けておいたパックを入れて、水でよく洗う
⑤パルプ繊維のみにする
洗い終わったら、表面のフィルムをはがして中のパルプ繊維のみにする
表裏両方はがします。
⑥紙をちぎる
パルプ繊維飲みになった紙を水の中に入れて指で千切ります。
千切った紙はミキサーに入れて水を適当に加えて、スイッチを入れます。
⑦パルプ液を作る
ミキサーからボウルにそのままあけて、水を加えて濃さを調整します。
少し時間を置くと、繊維が沈殿するくらいの濃さにします。
⑧梳き枠の準備
木の枠に金網を挟んでズレないようにして、水槽の真ん中に置きます。
そこに水を入れて上の枠3分の2くらい浸かるくらいにします。
⑧パルプ液を入れる
好き枠をしっかり抑えながら、パルプ液を入れます。
ムラになる時にはヘラや棒で鳴らして調整します。
⑨水を切る
持ち上げて水を切ります。
上側の枠だけをはずして、出来上がっている紙の上にタオルを乗せます。
その上にまな板を載せて上から押します。
こうすると水が絞れます。
次にひっくり返して、下枠と網を取り外します。
その上にタオルとまな板をのせる。
上から抑えて水を絞る
まな板を外して、新聞紙に挟みます。
その上からまな板で挟んで上から押し、水を切ります。
⑩アイロンがけする
片側だけまな板、タオルを外して、紙にアイロンをかけます。
これで完成します。
ちょっと時間と手間もかかりますが、準備ができていれば利用者の方に楽しんでやってもらうことができるでしょう。
高齢者の方にとっての年賀状は
最近は高齢のため、認知症のため、施設に入ってるなどの理由で年賀状を辞退する傾向にあります。
でも、高齢の方が過ごしてきた大部分の時代は年賀状が年末と年始の楽しみに一つになっていたはずです。
一方で年とともに手が不自由になったり、体の機能が衰えてきた方にとっては年賀状をつくったり、書いたりすることが負担になるのも事実です。
身内や昔からの友人、後輩や教え子達から来る年賀状を楽しみにしている方も多いのです。
また、そんな人たちに向けて年賀状を書きたい、受け取った年賀状に返事を書きたい
と願っている方も結構いらっしゃいます。
この気持ちを、「自分一人では大変だけど、周りに迷惑になるから手伝ってほしい」と言い出せないで押さえてしまうのは楽しみを一つ失ってしまうことになるのかな、と思います。
もし、高齢者施設やデイサービスで年賀状を作る機会があれば、職員の方々に遠慮せずに手伝ってもらえますし、
ある意味家族より言い出しやすいかもしれません。
そんな気持ちの方が少なからずいるのであれば、
年賀状の手作りをレクとして取り入れてみてください。
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