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10月の時候の挨拶 秋雨にまつわる粋な表現

「秋雨」という季語を御存じでしょうか?

10月の時候の挨拶の定番のものとしては知られていますが、

その読み方は「しゅうう」「あきさめ」なのか迷う人もいるようです。

結論から言うと、どちらで読んでも問題ありません。

10月は秋雨前線の活動で雨天や曇りの日もあるのが普通で、一雨ごとに秋も深まっていきます。

今回はこの秋雨という季語とそれに関連した季節の表現で雨にまつわるものを紹介します。

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手紙や公式な文書の時候の挨拶での使い方にも触れていきますよ。

時候の挨拶の決まった形



季節ごとに文書や手紙にはその時期や気候に合った時候の挨拶が冒頭に置かれます。

公式な文書は社内文書には

季語/季節を表す言葉+候/みぎり+相手を気づかう言葉

秋雨を例にすると

秋雨の候 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

という感じになります。

目上の方への手紙などでは

秋雨の候、朝夕も冷え込み秋もいよいよ本番です。皆様お変わりありませんか。

のように使います。


時候の挨拶に使われる季語はそれを使ってよい時期があって、二十四節気に基づいて使われます。

また、旧暦を基準にしているので、いまの四季の流れとは多少ズレていることもあるので、

使うときには一応、その季語は何時から何時まで使うのが良いかきちんと調べておく方が無難です。

10月の季語に関しては

時候の挨拶 10月に出す案内状の例文

で、上旬、中旬、下旬に分けて紹介していますのでそちらを参考にしてみてください。

では、今回採りあげる「秋雨」という季語についての説明です。

秋雨はいつごろ使うのが良い季語なのか



秋雨という季語は

10月上旬から、中旬にかけて使うことが多い季語です。

この頃に使う他の代表的な季語は

仲秋 秋分 黄葉 清秋 紅葉 秋晴 清秋 秋冷 秋涼 寒露

などです。 

もちろん、秋晴れの多い年には出番が少ないと思いますが、その年の気候や季節の移り変わりに合わせて使うようにします。

暦では旧暦の7月から9月が秋とされていて、仲秋と呼ばれる8月が現在に直すと「秋雨」を使う時期と重なります。

もともと、仲秋の頃に降る雨を秋雨と呼んだらしいので、現代に当てはめると

9月の中旬以降から10月の上旬くらいになります。

秋雨前線による降雨や台風の多く発生する季節でもあるので、10月の中旬くらいまで多く使われるようになっています。

このことから、秋雨を使う時期

9月なら中旬以降、10月は中旬くらいまで

と考えてよいでしょう。

ちなみに「秋雨の候」とは

しとしと秋の長雨が続くきせつになりましたが、

という意味です。

友だち同士の手紙などで砕けた表現を使うならいろいろと雨の多い年と少ない年に合わせた表現を柔軟に変えられますが、

公式の文書の場合はその年の気候にしっくりと合わないなら、他の季語の中から選ぶ方が良いと思います。

秋雨と同じ時期につかう雨の表現



秋雨と同じ時期には他にも雨を表す表現があります。

手紙の時候の挨拶でもそれらを使い分けると季節感がより鮮明になっていきます。

一つ一つ紹介していきましょう。

◆秋の雨にまつわる言葉

・冷雨(れいう)

冷たい雨で晩秋に降ります。降り方は「しとしと」という感じです。

・秋黴雨(あきついり)

秋入梅とも書きます。6月の梅雨の時期のように降り続く秋の長雨を指します。

・白驟雨(はくしゅうう)

激しく、断続的に降る秋の雨のこと。地面に当たると白く雨脚を跳ね上げる大きい粒の雨で、白雨と驟雨を合わせた言葉です。

・霧雨(きりさめ)

霧のように細かい雨です。いつの季節にも使ってしまいますが、春に同じように降ると「小糠雨(こぬかあめ)」と言います。

・秋霖(しゅうりん)

秋の長雨で秋雨と同じ意味です。これも秋雨前線による雨です。

・秋湿り(あきしめり)

同じく、秋の長雨の事を指します。

・秋驟雨(あきしゅうう)

秋に降るにわか雨の事です。「驟雨」はにわか雨や夕立を指し、雨脚の激しい雨の事です。

・伊勢清めの雨(いせきよめのあめ)

神嘗祭(宮中行事の一つ)が執り行われる陰暦の9月17日の翌日に降る雨。祭祀の後を清めるとされています。

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・山茶花梅雨(さざんかつゆ)

秋と冬の間に降る長雨を指します。

・無月(むげつ)

雨ではありませんが、曇りや雨天で月が見えない状態の空のことです。仲秋の名月の時期なのでこの言葉があるのでしょう。

・露時雨(つゆしぐれ)

霧が一面に降り注ぐことを指します。

・秋時雨(あきしぐれ)

秋の終わりから冬にかけて通り雨のように降る雨の事を指します。

・秋の地雨(あきのじあめ)

「地雨」は長く一定の強さで降り続く雨の事を指します。秋雨と同じ意味です。

・紅雨(こうう)

花に降り注ぐ雨のこと、または赤い花の散る様子を指します。

紅葉にも使えるかもしれないですね。


一見してニュアンスが伝わらないものはいきなり書くと相手も戸惑うかもしれませんが、

漢字や響きからその様子が伝わるものは秋雨よりも詳しく季節感を伝えてくれるでしょう。

公式な文書などでは良く知られた定番のものを使うのが無難ですが、

私的な手紙などには良いと思います。

ではお礼状で使われている例文をみてみましょう。

秋雨を使った10月のお礼状の例



秋雨という季語を使った時候の挨拶の例文です。

◆目上の方へのお礼状の例文

拝啓 秋雨の候、雨の合間の澄んだ空が心地よい季節になりました。お変わりなくお過ごしのことと存じます。

神崎先生、採れたてのさつまいもありがとうございます。

早速、家族皆で蒸かしていただきました。甘みのあるホクホクの味がとても上品で子供たちも大喜びでした。

毎年、この時期になると一足早く先生のご自宅の畑から届く秋の味覚を楽しみにしております。

秋も深まり、朝夕は肌寒くなりましたので、くれぐれもお体ご自愛ください。

取り急ぎお礼まで。

                                      敬具


目上の方へのお礼状ということで時候の挨拶は改まった形にしてあります。

砕けた形の挨拶文の例では


長雨が続き、無月の夜が物寂しく感じられます。お変わりなくお過ごしのことと存じます。

例年より長い秋湿りで肌寒い日が続きますが、皆様お変わりありませんか。


など、その年の気候を反映した挨拶にできます。

反対に秋晴れが多い年なら


高く澄み渡った秋空にさわやかな風が吹き抜けるき季節となりました。

秋晴れのさわやかな空のもと、スポーツにお励みの事と存じます。


のように。

紹介した例文は手紙に書くためのものですが、はがきに書く時には

拝啓 敬具



冒頭の時候の挨拶の部分を省略することもできます。

でもその場合は親しい間柄や家族に限定した方が良いかもしれませんね。

目上の方や恩師の方へのお礼状なら省略はしない方が良いと思います。

ハガキで冒頭の時候の挨拶を省略するときにも、結びで相手を気づかう言葉は入れるようにしてください。


10月の結びの言葉の例には


秋冷の折、お体ご自愛ください。

朝夕は冷え込むようになりました。お風邪などお召しになりませんようお体ご自愛ください。

気候不順の折から、お気をつけてお過ごしください。

今年は秋雨が多く、肌寒い日が続いております。くれぐれもご自愛ください。

一雨ごとに肌寒くなっております。お体に気を付けてご壮健にお過ごしください。


のように季節の変化と相手への気遣いを表しましょう。

今回は秋雨という季語と10月の雨にまつわる言葉を中心に時候の挨拶を紹介しました。

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季語やその他の文例

10月の時候の挨拶 おたよりに使える表現集
時候の挨拶 10月に出す案内状の例文
10月の時候の挨拶 メールで行うときの注意点
10月の時候の挨拶 お礼状を書く時の例文
季節の挨拶 10月にビジネスや個人宛ての手紙に使う表現
ビジネス文書で使う時候の挨拶 10月中旬の場合と形式

でも例を挙げて採りあげていますので参考にしてみてください。





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