年賀状を出すときに気を遣う場合、それは相手が病気の時や病気の家族がいる場合です。
今回は文例を交えてどのような一言を付け加えるのが良いかを紹介します。
もともと先方の状態を知らなければ気遣うことではないのですが、
たまたま知ってしまった、仕事関係の流れで知っている、親しい間柄なので家族のことまで知っている、
などの場合はやはり気になってしまいます。
年賀状は普通は定型の印刷された文章の後の空いたスペースに相手に対して一言付け加えるのが普通で、
一人一人違う文章を手書きすることは少なくなっています。
印刷された文字だけのものよりも手書きの文字があると温かみを感じるものです。
では、年賀状の基本的な構成から確認します。
年賀状の構成
年賀状は次の様な構成になっています。
①賀詞
謹賀新年
恭賀新年
賀春
迎春
頌春
賀正
あけましておめでとうございます
謹んで新春のお慶びを申し上げます
謹んで年頭のご祝詞を申し上げます
などの言葉で右側に大きく書きます。
目上の方に出す年賀状には漢字2文字の賀詞は失礼にあたるとする向きもあるので、注意します。
②旧年中の交誼へのお礼を述べる
旧年中は大変お世話になりました
旧年中は公私にわたりご懇情を賜り、誠にありがとうございました
などが一般的ですね。
③新年の決意や抱負、変わらぬお付き合いのお願いなど
賜ったご教訓を忘れず、一層努力を続けて参る所存です
本年も何卒 倍旧のお引き立てをお願い申し上げます
仕事関係のものはこんな風に堅い感じになりますが、友人同士や親しい間柄にはもっと砕けた感じでも構いません。
コンビニの年賀状の定型文はどなたに出しても失礼の無いようなものなので、それを選ぶのも無難です。
④先方の幸せ、健康を祈る言葉
本年が素晴らしい年となりますようお祈り申し上げます
皆様にとりまして本年が平安なお年でありますようお祈り申し上げます
など。
⑤日付
最後に日付を入れます。
平成○○年元旦
新春吉日
などが良く使われます。
では一番シンプルな例を一つ上げてみましょう
◆年賀状の文例
謹賀新年
旧年中は何かとお世話になり大変ありがとうございました
本年もよろしくお願い申し上げます
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
平成○○年元旦
○○○○○○〇
最後の○○の部分は手書きで一言入れるスペースです。
たくさん書く時にはそれ以外は印字して済ませておきます。
また、特別な事情の方には全文をすべてオリジナルで書いた方が良い場合もあります。
今回取り上げる先方が病気をしていたりする場合は特に気を遣ってください。
気を付ける忌み言葉
病気や怪我で療養中の方にはとくに使うべきではない
忌み言葉に注意してください。
◆特に気を付ける言い回し
再び 重なる 重ねる たびたび またまた 弱る 枯れる 終わる 衰える 寝付く 続く 落ちる 消える 苦しむ 倒れる 折って
などは使わないようにします。
また、数字で
四(死を連想させる)、
九(苦を連想させる)も使わないように言い回しを工夫しましょう。
病気や怪我の時の年賀状
年賀状を出す相手が病気や怪我をしているときには次のように一言を付け加えます。
◆定型文の後に一言付け加える場合の文例
先の程の年賀状の
○○○○○○の部分に手書きで書き加える時の例文です。
書く時に気を付けることは
・過大な心配を表さない
・暗い印象の文面にしない
・不自然な同情を表さない
・明るい見通しを思わせる文にする
です。
表現もできるだけシンプルにします。
文例
お加減いかがでしょうか 一日も早く退院されることを祈っています
奥様よりだいぶ良くなっていると伺っております 改めてお見舞いに伺います
お怪我はいかがでしょうか 一日も早い回復をお祈り申し上げます
お加減いかがでしょうか どうか十分にご養生され 一日も早く全快なさることを祈っております
どうぞご無理をなさいませんように
もうすぐ退院と伺いまして安心しております その折には○○様の好物の○○を持参いたしますので 楽しみにご養生ください
一日も早くお元気なお顔を拝見したいと願っております
お体の具合はいかがでしょうか 普段お忙しくされていますから この機会にゆっくりと静養なさってください
お食事も普通通りに取れるようになったと伺い安心したしました どうか無理せずお大事にしてください
◆年賀状全文を書く場合
特別に病気の方に出すものだけ年賀状の全文を変える場合もあります。
自宅で療養している方への年賀状の文例です。
新年おめでとうございます
旧年中は大変お世話になりました
その後 お体はいかがでしょうか
ご快癒にむかわれますよう 心よりお祈り申し上げます
休み中に○○様の好物を持ってお見舞いに伺います
まずは年頭の御挨拶を申し上げます
平成○○年元旦
文面は旧年中のお礼と回復を願う言葉、それにちょっとした楽しみも交えたものにしてあります。
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病気の側が出す年賀状の文例
自分が病気の場合は先方に特に知られていなければ普通の年賀状の文面で差し支えありません。
突然病気を伝えてもかえって心配されてしまいます。
自分が病気の場合は相手がお見舞いに来てくれたり、連絡をくれたりしたときにはそのお礼もかねて文面に反映させます。
◆定型文の後に一言そえる場合
お見舞いありがとうございました おかげさまで快癒に向かっております
皆様よりの励ましのお言葉を賜りましてありがとうございました 間もなく退院の予定です
皆様のお心遣い心強く感じております 来月には職場でお会いできることを楽しみにしております
◆年賀状全文を書く場合
謹んで新春のお慶びを申し上げます
昨秋より療養中で休職の身でございますが
皆様のお見舞いやお励ましの言葉を賜りまして誠にありがとうございます
おかげさまで日々快癒に向かっております
本年も御交誼のほどよろしくお願い申し上げます
平成○○年元旦
職場の同僚や上司に向けた文面です。
お見舞いをいただいた方などには特別に文面を考えたほうが良いでしょう。
家族に病気の方がいる場合の文例
家族に病気の方がいる方への年賀状も一言ことばを添えると良い場合があります。
もちろん、何かのきっかけ直接その家族からお話があったりして知った場合に限られます。
その場合も病気のご本人の目に触れないようにしなければいけないので、受け取った側も気を遣います。
療養中の方と同居の方に出すときにはこの点も考慮して一言添えるかどうか決めてください。
◆定型文の後に一言添える場合
ご看病のお疲れが出ませんよう お大事になさってください
○○さまもご無理なさいませんように
御主人さまの一日も早いご回復をお祈り申し上げます
○○様もお疲れが出ませんよう くれぐれもお体ご自愛ください
ご心労のことと存じますが ご家族様も無理なさいませんようご自愛ください
◆年賀状を出したくない場合
また、これと反対に
自分の家族に病気の方がいて、年賀状を出す気にならない、
またはそこまで気が回らないくらい余裕がない時には、無理に出す必要はないと思います。
年賀状を送ってくれた方にだけ
寒中見舞いをお返しするという形でも構わないでしょう。
身内に闘病中の方がいると知らない人には普通の寒中見舞いの文面で構いません。
あえて身内のことに触れる必要はありません。
文例
年頭にはご丁寧な年賀のご挨拶をいただきましてありがとうございました
新年の御挨拶が遅くなりまして 大変失礼いたしました
皆様には良き都市をお迎えなされましたこと
心よりお喜び申し上げます
本年も変わらぬお付き合いの程よろしくお願い申し上げます
平成○○年〇月
なお、寒中見舞いは松の内が明けて立春のまでの間に出します。
災害にあった方への年賀状の文例
その年に災害にあった方への年賀状は文面自体を変えた方が良いでしょう。
まず、賀詞の挨拶も
あけましておめでとうございます
のようなものは避けます。
メインになる内容も被災した方への励ましとお見舞の気持ちを優先させます。
◆被災された方への年賀状の構成
①冒頭の言葉
通常は賀詞に当たる部分ですが、ここでは別の言葉に言い換えます。
例えば
謹んで新年のご挨拶を申し上げます
衷心よりお見舞い申し上げます
などのようにおめでとうの意味を持った言葉を使わないようにします。
②お見舞いの言葉
ご再興ご躍進を心よりお祈り申し上げます
心からお見舞い申し上げます
一日も早く平穏な生活を取り戻されますよう心よりお祈り申し上げます
など。
③日付
平成〇年元旦
◆年賀状の文例
謹んで新年のご挨拶を申し上げます
先日の大雨による被害に対し心よりお見舞い申し上げます
一日も早く落ち着いた生活を取り戻されますよう
心よりお祈り申し上げております
平成○○年元旦
病気や怪我の方への年賀状は文面や添え書きに気を遣います。
相手を励まして明るい見通しをみせるポジティブな印象が感じられる文面にするのがコツです。
添え書きの一言で元気な気持ちになってくれればうれしい限りです。
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