9月は季節の変わり目、気候の変化や健康管理に気を遣う時期でもあります。
手紙やお礼状に書く時候の挨拶もそれがよく表れています。
形式的なものの中にも相手への気遣いが見えると読む側の気持ちも和みます。
今回は9月にふさわしい表現をまとめてみました。
ビジネスシーンでもお礼状を書くことがありますので、その例も併せて紹介しますが、
よくある形式的な文言ではなく、どちらかというと知人同士の手紙に近いものにしてあります。
プライベートの表現と合わせて参考にしてください。
時候の挨拶の基本
時候の挨拶の基本的な表現方法は
季語+候/みぎり+相手を気づかう言葉
季節を表す表現+相手を気づかう言葉
です。
このブログの記事
時候の挨拶 9月下旬にビジネス文書で使う表現
9月の時候の挨拶 ビジネスや手紙で使える例文集
でも9月の季語を絡めて紹介していますので一度参照してみてください。
季語+候/みぎりの例は公式な文書の場合に使われることが多く、礼儀を重んじる間柄の場合がほとんどです。
季節を表す表現+相手を気づかう言葉は友人知人同士の手紙や親しい間柄でつかわれます。
まず最初に改まった間柄のお礼状の例文と季語を見ていきましょう。
スポンサードリンク
改まったビジネス文書の時候の挨拶例
ビジネス文書の例は
時候の挨拶 9月下旬にビジネス文書で使う表現
9月の時候の挨拶 ビジネスや手紙で使える例文集
でも取り上げました。
取引には会社によってほぼ決まった形式があるのでそれをもとにすればほぼ間違いありません。
基本的な例文はこのようになります。
◆会社関係の文書の基本形式
例
拝啓 初秋の候、貴社ますますご繁栄の事とお慶び申し上げます。
平素は格段のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、(本文)
つきましては(本文2)
まずは右まで(取り急ぎお礼まで)
敬具
のようになります。
時候の挨拶は語頭「拝啓」の次の前文の部分になります。
そのあとの本文にお礼を書きます。
このようなお礼状では時候の挨拶も9月のその時期にあった季語をつかって形式的に書かれます。
◆9月の季語
初秋 早秋 新秋 清涼 新涼 爽秋 爽涼 涼風 野分
等です。
これに「
候/みぎり」を組み合わせます。
相手を気づかう言葉は
貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
皆様ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
が使われます。
結びの部分に季節感を絡めて相手を気づかうことはほとんどありません。
改まった文書ほど定型の形に沿うことになります。
反対にビジネス関係でも親しくしている取引先の方の移動や転職などには個人間の手紙の書き方をします。
個人間のお礼状の例文
仕事関係でも個人あてに送るお礼状は親しい間柄のお礼状の書き方とほとんど変わりありません。
一定の礼儀を保つようにすれば問題ありません。
例として、懇意にしている取引先の担当者が転職する時にお世話になったことを感謝するお礼状の文面を採りあげます。
◆例
拝啓 涼やかな秋風が吹くこの頃ですが、朝夕には肌寒さも覚えます。ご健勝にお過ごしのことと存じます。
さて、○○様が今月末で貴社を御退職なさる旨をお伺いいたしました。○○様には大変お世話になりましたのに、お手紙でのご挨拶をお許しください。
○○部門での仕事に関し、わたくしが担当となって以来、○○様とお会いする機会が多く、たくさんの事を教えていただいておりましたので、とてもさみしい気持ちでおります。
ときに厳しく、ときに寛大に接していただいたことが思い出され、私を成長させていただいたことに心から感謝いたしております。
今後は○○の専門企業の△△に就任されるとのこと、ますますのご活躍が目に浮かびます。
尊敬できる○○様とのご縁は私にとりましても貴重な財産と思っております。
お会いできる機会は少なるなると思いますが、またご一緒にお仕事が出来ましたらうれしく思います。
その日まで私も日々精進してまいります。
○○様のご健康とご活躍を心よりお祈りいたしております。
敬具
仕事で特に関係の深かった間柄でのお礼状の例です。
定年ではなく、新たな職場で活躍を期待するものなので、時候の挨拶の結びも健康への気遣いというよりも今後の活躍を祈る気持ちを強く出します。
もう一つ、友人どうして贈り物をしたときのお礼状の例文を挙げてみましょう。
◆例
日毎に秋の気配が深まってまいりました。
この度は、本場○○のブドウを贈っていただき、ありがとうございました。
大粒で濃厚な甘みのある味に驚かされました。
種なしだったので、子供もとても食べやすく喜んでおりました。
何時もお心にかけていただいて恐縮です。
秋風がさわやかに感じられますが、朝夕は大分冷え込んでまいりました。くれぐれもご自愛ください。
まずはお礼まで。
贈り物をもらった時にはお礼状はできるだけ早く出すようにします。
ここでは横書きで例文を出していますが、通常は
縦書きです。
では、個人間でやり取りするお礼状の時候の挨拶の例を挙げてみます。
9月の時候の挨拶くだけた言い回し
くだけた言い回しはあまり季語にとらわれず、その年のその時期の気持ちをそのまま表します。
大まかに9月の上旬、中旬、下旬の雰囲気ごとにまとめています。
◆9月上旬の時候の挨拶例
暑い日が続きますが、朝夕は秋の気配が感じられる今日この頃。
残暑厳しく、涼風の待たれるこの頃です。
夕刻ともなれば秋の涼気が次第に感じられるようになりました。
夏の名残を感じさせる暑さが続きますが、お変わりございませんか。
すがすがしい秋風の吹くころとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
ひと雨ごとに秋の気配が深まるこの頃、お変わりございませんでしょうか。
さわやかな季節を迎え、皆様にはますますご健勝のことと存じます。
青空の鱗雲が秋の訪れを告げています。
新秋の涼が心地よい今日この頃、ますますご壮健のことと存じます。
長かった酷暑もようやく一段落いたしましたが、皆さまお変わりございませんか。
◆9月中旬の時候の挨拶例
秋の長雨とは申しますが、さわやかな秋晴れが恋しいこの頃です。
蝉の声に変わって、虫の音が本格的な秋を告げています。
朝夕はめっきりとしのぎやすい季節となりました。
台風一過の青空が広がっています。
庭先の虫の音が深まる秋を感じさせます。
暑さ寒さも彼岸までと申しますが、朝夕はめっきりと涼しくなってまいりました。
秋の七草が風に揺れる季節となりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。
野山の装いにも秋の気配が感じられます。
静かな砂浜を歩いていると夏場の賑わいがうそのようです。
◆9月下旬の時候の挨拶例
心地よい秋風も、時折肌に冷たく感じることがあります。
秋が深まり、朝は肌寒さを感じます。
実りの秋、稲穂が次第にこうべを垂れてきました。
実りの季節を迎えた田んぼに、頬かむりをした案山子が立ち始めました。
寝苦しさから解放され、気持ちよく眠りにつける季節になりました。
一雨ごとに秋の気配が深まってまいります。
高く澄み切った空に鱗雲が浮かんでいます。
夕焼けに赤とんぼが飛ぶ季節になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
秋晴れがさわやかな季節になりましたが、お元気でお過ごしのことと存じます。
夏の気配を残す上旬、秋の気配が色濃くなる中旬、本格的な季節の移り変わりを感じる下旬と少しずつ表現が違っていますね。
最後に結びの例文を紹介します。
9月の時候の挨拶の結び
一般的なビジネス文書ではほとんど使われることはありませんが、
普通の手紙では相手を気づかう言葉を添えます。
9月は気温の変化や季節の移り変わりに触れながら書きます。
◆9月の時候の挨拶の結び
秋涼の候、お元気でお過ごしください。
まだまだ暑い日が続いております。お体ご自愛ください。
朝夕はめっきり涼しくなりました。お気をつけてお過ごしください。
長雨で肌寒い日が続いております。お風邪など召されませんように。
肌寒さを感じる朝もございます。くれぐれもお体ご自愛ください。
友人同士のやり取りでも、仕事上の関係でもお礼状を貰うのはうれしいものです。
9月は気候の変化で体調を崩しやすい季節ですから時候の挨拶にもその気遣いを忘れずに。
合せて読みたい記事
敬老会の挨拶 来賓の方がするときの注意点と例文
時候の挨拶 9月下旬にビジネス文書で使う表現
時候の挨拶 9月下旬の学校関係の文書の作り方と例
10月の時候の挨拶 お礼状を書く時の例文
9月の時候の挨拶 ビジネスや手紙で使える例文集
手紙での時候の挨拶 11月下旬までの場合
スポンサードリンク
コメント 0