インフルエンザの症状は高熱が出るものですが、まれにいったん下がった熱が再び上がることがあります。
この熱の上下は二峰性発熱と言われます。
インフルエンザで高熱が出るのは体内に入ったウイルスが急激に増殖するためですが、
落ち着き始めた熱が再び上がるのはインフルエンザに続けて二回感染したからではありません。
今回は二峰性発熱と呼ばれるインフルエンザの症状とその対処法についてお話します。
1つ注していただきたいのは、
医師の診断を受けて適切な治療を受けることを前提としてお話します。
インフルエンザの治療は自己判断で行うのは危険ですし、悪化したら取り返しのつかないことになりかねません。
今回のお話は知識としてこのような症状があるといういことを知っておくという意味でとらえてください。
インフルエンザと風邪の見分け
インフルエンザの治療は発症してから48時間以内に始めるというのが早期に回復するカギ。
このタイミングで抗インフルエンザ薬のタミフルやリレンザを正しく使用することで回復がちがってくると言われます。
まず、初期の段階で冬にはやる風邪の症状との見分けが早めに医師にかかるべきかの判断基準になります。
◆インフルエンザと風邪の症状の違い
・発熱:風邪は無いか、微熱。インフルエンザは高熱(38度以上)
・発症:風邪はゆっくりと症状がでる。インフルエンザは急激に発症する。
・症状:のどの痛み、咳、鼻水など。インフルエンザはこれに加え、筋肉痛、倦怠感などが加わる。
・発症時期:風邪は散発的。インフルエンザは流行性。
・合併症:風はほとんどない。インフルエンザは気管支炎、肺炎など。
自分がインフルエンザにかかった時には
熱の急激な上昇と体の節々の痛みなど
が早期に医師の診断を受けるきっかけになりました。
インフルエンザには熱が高く上がらない型もあるので、倦怠感と筋肉痛、節々の痛みが異常を知らせる一つのサインになります。
早期に医師の診断を受けることが何よりです。
では二峰性発熱について触れていきましょう。
インフルエンザのぶり返し、二峰性発熱とは
インフルエンザにかかると38度以上の高熱が出ることが多いですね。
治療で熱が落ち着き、37度くらいに下がってきたとき、再び熱が上がって高熱が出ること、
これを
二峰性発熱と言います。
二峰性発熱はインフルエンザのぶり返しが起きている可能性があります。
◆ぶり返しの原因
インフルエンザにかかると熱が急に上がって高熱になります。
これは体内でウイルスが急速に増殖しているからです。
熱が下がるのはウイルスが減少してきた証拠なのですが、完全に消滅してしまったのではなく、体内には存在しています。
そして、この残ったウイルスが再び活動を始める事で熱も上がります。
これがぶり返しの原因です。
◆ぶり返す期間は
インフルエンザで高熱が出る期間はインフルエンザの型にもよりますが、通常は3日程度と言われます。
私の場合は3日でした。
個人差があるようですが、それ以降は熱も徐々に下がってきます。
そして、37度くらいまで下がったあと、再び38度くらいまで熱が上がります。
このぶり返しの症状が続く期間は1日か2日程度。
多少の個人差があります。
インフルエンザのぶり返しの対処法
先程の原因でも触れましたが、再び熱が上がるのは体内に残ったウイルスの活動に対する免疫の自然な反応です。
ぶり返しの症状は主に発熱なので、処方された抗インフルエンザ薬と薬があればそれを服用すれば問題ない場合が多いです。
再び受診する必要はほとんどありません。
◆熱が再び上がった時の対処法
熱が再び上がってきたら次のことに注意して様子を見てください。
・水分補給を適切に行う
こまめに水分補給を行って脱水症状を防ぎます。
特に小さい年齢の子供さんの場合はお母さんが適切に水を飲ませてあげてください。
・安静にする
治りかけのときでもあるので無理したりせず、栄養を摂って安静にしていましょう。
・体を冷やす。
熱で辛い時には、首回り、脇の下、太ももの付け根など皮膚に近いところに太い血管がある部分を冷やします。
このときにも飲む薬は最初のインフルエンザの診断で処方された薬を飲むようにします。
自己判断で違った薬を飲まないようにします。
もし、服用するときには必ず、医師に相談してからにします。
◆医師に再び見てもらい必要のあるぶり返し
発熱のぶり返しでも、38.5度以上になる時にはもう一度医師に診てもらうようにしてください。
脳への影響や合併症を引き起こす可能性があるので要注意です。
◆小さい子供のぶり返しは要注意
年齢の低い子供がインフルエンザにかかってぶり返しを起して再度発熱した場合は小児科医や医師に診てもらう方が安全です。
免疫力が弱いので、
脳症、気管支炎、肺炎、中耳炎、二次感染による合併症
かかっている可能性があります。
大人でも、二次感染を引き起こしている可能性があるので、症状が長引く時には早めに医師の診察を受けるようにしてください。
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ぶり返しを起しにくくするには
インフルエンザのぶり返しをある程度防ぐには
予防接種
と
抗インフルエンザ薬の服用
が有効です。
インフルエンザにかかったら、必ず医師の診断を受けて抗インフルエンザ薬を処方してもらって服用します。
予防接種をすることで重症化や合併症を避ける効果も期待できるといわれています。
流行期の前には予防接種と、かかってしまったら医師の診断を受けます。
インフルエンザに気を付けるべき方々
インフルエンザにかかると重症化しやすく、気管支炎、肺炎などを併発しやすい方々がいます。
次に挙げる方々は注意が必要です。
◆重症化しやすい方々
・65歳以上の高齢の方
・妊娠中の方
・乳幼児
・喘息、肺線維症などの慢性呼吸器疾患を持つ方
・弁膜症、慢性心不全などの慢性心疾患を持つ方
・糖尿病などの代謝性疾患を持つ方
・血液透析を行っているなど腎機能障害を持つ方
・免疫機能不全を持つ方
これらの方がインフルエンザにかかったら、慎重な見守りが必要です。
インフルエンザにかかった人の見守り
インフルエンザにかかった方の見守りや看病にはいくつか気を付ける点があります。
一度、医師の診断を受けた後でもすぐに受診すべき場合があります。
◆成人の場合
・息切れ、呼吸困難の症状
・3日以上の発熱の継続
・脱水症状(嘔吐や下痢で水分補給ができない状態)
・胸の痛みがある
◆小さな子供、乳児の場合
・元気がない、ぐったりしている
・呼びかけに答えない、意識障害の症状が認められる
・顔色が土気色または青白い。
・唇が紫いろになっている
・息苦しそうに呼吸している(1分間で40回以上)
・意味不明なことを言う、異常行動がみられる。
・嘔吐、下痢を頻繁に起こす。
・水分が摂れない、半日以上おしっこが出ない。
・痙攣症状がみられる(手足を突っ張る、目が上を向くなど)
これらの症状がみられたら、すぐに再受診してください。
また、少しでも普段と違う様子が見て取れたら、これにかかわらず医師に連絡して診てもらいようにしてください。
インフルエンザが治ったらいつから登校してよいのか
インフルエンザは第二種学校感染症に指定されています。
厚生労働省では出席停止期間は
発症した後、5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで
としています。
医師が感染の恐れがないと認めた時にはこの限りでない(学校保健安全法施行規則第19条)とされていますが、
十分な期間を持って感染を防ぎたいものです。
熱が上下するぶり返しや重症化を防ぐためにも必ず医師の診察を受けるようにしてください。
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