10月は秋の気配が色濃くなる季節です。
ビジネス文書でも時候の挨拶をキチンと書けると一目置かれるかもしれませんね。
今回は会社でよく使われる文書の定型と10月の時候の挨拶を紹介します。
定型のもの以外にも10月は通常の業務上の取引以外にもお付き合いのある部署の方からお土産を貰った際のお礼状を書いたりすることもあるかもしれません。
社外で業務取引として使われる文書の定型も合わせて紹介しますのでそちらも参考にしてください。
ビジネス文書の種類
ビジネス文書には社内用の文書と社外用の文書があります。
どちらも定型があってそれに沿って書けば特に問題はないのですが、時期によって変えるのが時候の挨拶です。
まず初めに文書の種類をおさらいしておきましょう。
◆文書の種類
・取引および業務用の文書:通知状、案内状、紹介状、照会状、請求状、回答状、抗議状
・社交、儀礼の文書:挨拶状、悔み状、見舞状
いずれも社外に出す文書です。
この中で時候の挨拶をよく使うのが、
通知状、案内状、紹介状、回答状、挨拶状、見舞状です。
通常は言い回しも改まった形式のものが普通です。
会社間の部署同士で親しい間柄のやり取りにはくだけた言い回しを使うことがありますが、丁寧な言い回しのものが常識と思ってください。
◆会社間のビジネス文書の定型
参考までに一般的なビジネス文書の例を挙げてみましょう。
例文
株式会社○○○○
○○部長 ○○○○様
○○〇株式会社
○○課長 △△△△ 印
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
さて、…
(つきましては、…)
(まずは、…)
敬具
記
1、
2、
3、
添付書類
・
・
・
以上
担当○○○○
このような感じになります。
時候の挨拶を入れる部分は「拝啓」以下の部分です。
親しい間柄の文書や贈り物のお礼状の文書には結びとして安否を気遣う言葉や文を入れることもあります。
では10月に使う季語と時候の挨拶の例文を見ていきましょう。
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10月の時候の挨拶
ビジネス文書なので基本的に改まった言い回しを使います。
季語/季節を表す言葉+候/みぎり+相手の安否を気遣う言葉
の形を使います。
通常はその時期にあった季語を使います。
では10月の季語を見ていきます。
◆10月の季語の基準
10月には二十四節気の
寒露と
霜降があります。
寒露:今の10月8日ごろのこと。
霜降:今の10月23日ごろ。寒露から数えて15日目のこと
どちらもその年によって違います。
分け方としては寒露までを上旬、寒露から霜降までを中旬、それ以降を下旬と考えるとよいでしょう。
◆10月上旬の季語
仲秋、寒露、清秋など
例文としては
仲秋の候、仲秋のみぎり、
のように使います。
◆10月中旬の季語
紅葉、爽秋、秋冷など
例文としては
爽秋の候、紅葉の候
のように使います。
◆10月下旬の季語
霜降、錦秋、夜長、秋雨、秋麗など
例文は
霜降のみぎり、錦秋の候、
など。
これらに安否を気遣う言葉を合わせると、
拝啓 霜降のみぎり 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、社員一同心より御礼申し上げます。
さて、このたび~
となります。
「ご清栄」という言葉は安否を気遣う言葉です。
また、社外に出す文書でも部署や会社そのものに宛てたものと個人あてでは、安否の表現が少し変わります。
通常はビジネス文書の例に従って上の形式をとります。
個人あては特に親しいお付き合いの方がいて、個人的なやり取りの場合のみと思ってください。
10月中旬の例で比べてみましょう。
・ビジネス文書
寒露の候 貴社におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
・個人あての文書
寒露を過ぎ秋も深まってまいりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。
◆親しい間柄の表現
親しい間柄では
季節を感じさせる言葉/単語+相手の安否を気遣う言葉
を使うことも多いです。
友人同士に近い間柄ならこの表現もありでしょう。
収穫の秋、貴社ご多忙のことと存じます。
小春日和の毎日が続いております。
朝夕はめっきり冷え込んできておりますが、お変わりございませんか。
では個人に宛てたものの結びの表現もいくつか例を挙げておきましょう。
◆10月の結びの例文
秋の夜長、近いうちにお会いできますのを心待ちにしております。
朝夕の冷え込みが厳しくなってまいりますので、お体にはくれぐれもお気を付けください。
秋冷日ごとにつのる季節、どうぞお健やかにお楽しみください。
気温の変化の大きな季節ですからお体くれぐれもご自愛ください。
親しい間柄の文書では結びにも季節を感じさせる言葉と相手を気遣う言葉を入れるとよいでしょう。
ビジネスで使う敬語表現
最後にビジネス文書で使用する言葉の注意点に触れておきましょう。
基本的な単語の書き方ですから間違うことのないようにします。
◆親族、家族
相手の家族:ご親族様、ご家族様、ご一族様、ご一統様
自分の家族:親族、一家、一族、一統、家中
◆会社
相手の会社:貴社、御社
自分の会社:当社、弊社、小社
◆上司
相手の上司:ご上司、ご上役、貴社長、貴部署、貴課長
自分の上司:上司、社長、部長、課長
◆贈り物
相手からの贈り物:ご配慮、ご高配、ご厚志、ご芳志、お心づくしの品、けっこうなお品、佳品
自分からの贈り物:粗品、心ばかりの品、ささやかな品、寸志
◆手紙
相手からの手紙:お手紙、お便り、ご書面、ご書簡、ご書状、貴書
自分からの手紙:手紙、書面、書状、書中、寸書
ビジネス文書では決まった形式が使われることが多いですが、そこに色取りを添えるのが時候の挨拶です。
正式な取引のときも、親しい間柄のやり取りも先方に失礼のないように注意してください。
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季節の挨拶 10月にビジネスや個人宛ての手紙に使う表現
も参考に10月にふさわしい文書を作ってください。
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