11月には二十四節気の
立冬と小雪
があり、本格的な冬の訪れの季節を迎えます。
時候の挨拶に使う季語も冬の訪れを告げるものが多くなりますし、
この時期は贈り物やお礼状を出す機会も多いかもしれません。
交流のある人から秋の名物を貰ったり、人生のイベントや、体調を崩した時のお見舞いのお礼など様々な場面が考えられます。
今回は11月にお礼状を出すときの例文を3つのシチュエーションに分けて紹介してみようと思います。
時候の挨拶の基本
時候の挨拶の基本形式はこのブログの記事
手紙での時候の挨拶 11月下旬までの場合
などでもたびたび紹介していますが、
季語+候/みぎり+相手の安否を気遣う言葉
季節を表す表現+相手の安否を気遣う言葉
です。
お礼状を出す相手が誰か、どういうシチュエーションかで改まった表現と砕けた表現を使い分けます。
また、手紙の最後でも相手を気遣う言葉を入れて結ぶようにするとより相手に気持ちが伝わります。
では肝心な11月の季語と季節を表す表現を見ていきましょう。
11月の季語と季節を表す言葉
先ほども触れましたが、11月には二十四節気の二つの節目があります。
立冬:現在の11月7日頃、暦の上ではこの日から冬が始まる
小雪:現在の11月22日頃 この頃から雪が少し降り始める時期とされる
この二つの日を基準に季語を使い分けるとよいでしょう。
では季語を見てみましょう。
◆11月の季語
上旬に使われるもの:紅葉 深秋 小春日和 立冬
中旬に使われるもの:初霜 晩秋 暮秋
下旬に使われるもの:初冬 向寒 爽秋 小雪
この他にも
深秋、深冷 落葉 なども使われます。
◆季節を感じさせる言葉
七五三 氷雨 金木犀 シクラメン 書き 菊 夜寒 大根 かぶ もみじ 白菜
などが11月を思わせる言葉として相応しいですね。
季語と違って、その年の気候に合わせて使えるのが季節を表す言葉です。
これにこだわらずに温かい年、冬の訪れが早い年などは自分の感覚で言葉を考えても面白いでしょう。
では具体的に改まった表現、くだけた表現を交えた例文を見ていきましょう。
◆改まった時候の挨拶の例文
深秋の候、皆様お変わりございませんでしょうか。
向寒のみぎり、貴社ますますご繁栄の事とお喜び申し上げます。
小雪の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
◆砕けた時候の挨拶の例文
落葉が風に舞う季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
朝夕の寒さ身にしみるころとなりましたが、お変わりございませんか。
夜寒の折柄、皆様お変わりございませんか。
コタツの恋しい季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
◆11月の結びの例文
寒さが日増しに厳しくなってまいります。お風邪など召さぬようお体ご自愛ください。
季節の流れは早いものです。お体にはお気をつけてお過ごしくださいませ。
改まった挨拶はほとんど形が決まってしまいますが、くだけた言い回しは今の自分の気持ちをストレートに表現しやすいのでいろいろな表現を工夫できます。
では、お礼状を出すときの基本知識を再確認しましょう。
お礼状の基本的な知識
お礼状に限らず多くの手紙の文書は
前文 主文 末文
という3つの構成になります。
時候の挨拶が入るのは前文と末文です。
本文は自分の感謝の気持ちを伝えます。
◆お礼状を出すタイミング
お礼状は贈る時期を逃すと受け取る相手も多少違和感を感じます。
お互いの気持ちが冷めないうちに出すのが一番良いタイミングです。
送る時期としては
何かを頂いた場合はその日のうちか2,3日中
が一番良いでしょう。
もし、事情で遅れてしまった場合もお詫びの言葉を添えて必ず送ります。
◆文章はどんなふうにするか
上司の方からとか、あまりなじみのない上役、義理の父母などに宛てるときを除いて、くだけた言い回しでよいと思います。
会社関係や親せきづきあいを気にする時には正式な形にするのが無難です。
主文も自分の気持ちをストレートに伝えるように、シンプルに書きます。
また、注意することは親しい間柄の相手についでだからとお礼以外の内容や用事を伝えたりしないようにしましょう。
お礼状はあくまでお礼を伝えるためだけに送ります。
この基本を踏まえて書けば間違いないでしょう。
では、ケース別に例文を見ていきましょう。
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お礼状の例文
◆出産祝いの礼状
・正式な場合
拝啓 立冬のみぎり、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
先日は長男の誕生に際しまして、ご丁寧なお祝いをいただきまして、誠にありがとうございました。
11月2日に誕生した長男は体重3,140グラムの元気な子です。
おかげさまで母子ともに健やかに過ごしております。
今後はこれまで以上に夫婦で力を合わせて育児に奮闘してまいりますので、よろしくご指導くださいますようお願い申し上げます。
なお、ささやかでございますが、内祝いの品を別便で送らせていただきました。
ご笑納いただければ幸いに存じます。
末筆ながら皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
書中をもちまして、御礼申し上げます。
敬具
平成29年11月10日
まだ名前が決定していない状態を想定しています。
もし、決まっていたらそれを書いてもよいでしょう。
この例文は会社の上司やお世話になった恩師の方からお祝いが届いたときにお礼状に最適です。
・親しい間柄の場合
○○様
落葉が風に舞う頃となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
先日は長男正樹の出産に当たり、お心のこもったお祝いの品をいただき、ありがとうございます。
丁度○○の購入を考えていたところでしたので、うれしいお祝でした。
おかげさまで、初めての子育てに戸惑いながらも、成長するわが子を見て、親になったことを実感しております。
これからも子育ての先輩として、ご指導くださいますようお願い申し上げます。
心ばかりの内祝いの品を送らせていただきましたので、ご笑納いただければ幸いです。
朝晩の冷え込みも厳しくなってまいりましたので、お風邪など召されぬようお体ご自愛ください。
まずはお礼まで。
○○ ○○
平成29年11月10日
正式な場合も親しい間柄の場合も当てはまりますが、喜びのストレートな表現は子供を授からない夫婦を傷つけてしまう可能性があります。
送る相手の事情が分からない場合はこのあたりの表現も控えめにしておいた方が無難です。
◆子供の誕生日祝いのお礼状
拝啓 落葉の降り積もるころとなりました。お父様、お母様お元気でお過ごしのことと存じます。
さて、本日長男正樹の誕生祝の○○が届きました。正樹は大喜びでプレゼントを抱えて家中を駆け回っております。
こんなにも素敵なプレゼントをいただき心よりお礼申し上げます。
おかげさまで正樹も健やかに3歳を迎え、成長の速さに驚くばかりです。
年末には家族3人、帰省を予定しております。
正樹もおじいちゃん、おばあちゃんに会える日を今から楽しみにしております。
寒さが一日一日と増してまいります。お風邪など召さぬようお体ご自愛ください。
まずはお礼まで。
かしこ
平成29年11月10日
義理の父母からの誕生日プレゼントのお礼です。
このあたりは距離感が難しいですね。
親しくなりすぎず、よそよそし過ぎず、関係は様々なので言い回しの工夫が必要ですね。
◆お見舞いを頂いたときのお礼状
拝啓 小春日和の続く今日この頃、○○様にはお元気でお過ごしのことと存じます。
先日は、ご丁寧なお見舞いをいただきまして本当にありがとうございました。
おかげさまで、11月20日には無事退院の予定です。
しばらくは自宅で療養が必要とのことですが、順調な経過をたどっておりますので、どうぞご安心ください。
この度はご心配をおかけして申し訳ございませんでした。
○○様、ご家族の皆様におかれましても向寒の折柄、体調など崩されませんようお祈りいたしております。
まずは書中にてお礼まで。
敬具
平成29年11月15日
お見舞いを頂いたお礼状は症状が落ち着いて、ある程度の見通しが立ってから書くのがよいでしょう。
回復しないうちに出すと、受け取った相手は自分が無理に手紙を書かせてしまったのかも知れないとかえって心配してしまいます。
文例は友達というほど距離は近くないけどお互いが知っている知人同士という間のものです。
会社関係の人からのお見舞いには本人ではなく妻が代筆する場合もありますが、
それ以外の場合は相手に重い病気か当分回復の見込みがないのかという印象を与えてしまうかもしれません。
特に親しい間柄では本人がお礼状を書けるようになってからでよいと思います。
11月は冬が本格的に訪れる時期です。
時候の挨拶にも相手を気遣う言葉を入れるようにしましょう。
お礼状を出すタイミングと場合をきちんと考えて、相手に感謝をつたえましょう。
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