自由研究で小学生が行う理科の実験で良く取り上げられているのが風力発電です。
装置が簡単に作れることから低学年から高学年まで夏休みの課題にする生徒も多いでしょう。
一方、水力発電はあまり見かけません。
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水力発電は学校で装置が準備されているときには実験してその原理を体験できますが、自宅で自由研究の課題にするにはハードルが高いのです。
そこで今回は水力発電装置の作り方を中心に紹介します。
一番の難関であるモーターの部分を風力発電の実験用に売っているものをそのまま使うので大掛かりなものを買う必要はありません。
できるだけ身近にあるもので作るので費用も安く抑えられると思います。
水力発電装置を作る
水力発電は水が高いところから低いところへ落ちる時の力を利用して水車を回して、その回転を発電機に伝えて電気を起こすものです。
この原理をミニチュア化すれば実験装置が出来上がります。
ではまず、材料の準備から。
◆準備する材料。
まず、この画像を見てください。
簡単に描いた水力発電装置です。
真ん中が水を受ける水車、中心にシャフトが通っていて、右側にギアを付けて発電機に回転を伝えます。
各材料は次のようになります。
・水車:発泡スチロールの太い丸棒
中心に金属製のシャフト、
羽はプラバン
・シャフト受け:2リットルのペットボトルを二つに切ったもの
・座台:発泡スチロール製のブロック、またはそれに準ずるもの
・発電機:風力発電用に売られているもの(500円から600円程度のもの)
・ギア:2つ(プラスチック製)
各部分はこんな風に出来ています。
それでは組み立て方を説明します。
◆水力発電装置の作り方
①水車の部分を作る
まず発泡スチロールの丸棒を切ります。
幅は10センチから15センチくらいにします。
次は断面に鉛筆で直径の線を2本引いて、交差した部分にしるしをつけます。
ここが中心、シャフトを通す部分です。
両面とも中心を出して穴を貫通させます。
次は羽を作ります。
発泡スチロールの中心から360度の角度を6等分か8等分します。
6等分なら1つ60度、8等分なら1つ45度になります。
両面の同じ位置に線を引いてください。
難しかったら、片面に引いた線の上に糸を置いて固定し、反対の面にまっすぐ引っ張れば同じ位置にしるしを付けられます。
羽を取り付けるために線を引いてカッターナイフで切り込みを入れます。
切り込みの深さは断面の半径の半分くらいまで入れます。
ある程度水圧に耐えるため深くします。
手を切らないように十分注意してください。
次はプラバンを切って羽根を作ります。
大きさは幅がスチロールの幅と同じ、縦は入れた切込みの長さの倍にします。
つまり、半分がスチロールの中に差し込まれることになります。
プラバンが準備できたらスチロールの切れ込みに接着剤を塗り、差し込んで固定します。
接着剤は発泡スチロール用のものか多目的ボンド(ウルトラ多目的、スーパーエックスなど)が適しています。
水車が乾くまでほかの作業を進めます。
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②シャフト受けを作る
2リットルのペットボトルを半分に切ります。
ペットボトルのふたをしたまま、用意したシャフト太さに合わせて穴をあけます。
もう片方にも穴をあけて最初の画像のように水車がきちんと平行になるようにします。
③座台を付ける
シャフト受け尾を乗せる座台を作ります。
東急ハンズなどで売られている発泡スチロール製のブロックが最適ですが、ほかのものでも構いません。
水にぬれやすい部分なのでダンボールとかは避けた方がよいでしょう。
高さを調整して問題なければ最初の画像、左側の部分だけは接着してしまいます。
④水車を完成させる
水車の羽の部分が乾いたら中心にシャフトを通します。
シャフトはプラスティック製ではなく、できれば金属製のものを入手してください。
水の抵抗で反ってしまったりしないような太さのものが必要です。
模型店やホームセンターなどで選んでください。
⑤組み立てる
最初の完成した画像のように装置を組立ます。
ペットボトルのキャップ側にシャフトを通したら、ギアを差し込みます。
⑥発電機とギアを連動させる
一例ですが、
このような風力発電用のモーターを用意します。
モーターのシャフトにギアを取り付けます。
上の画像を参考に位置を調整して、水車側のギアとモーター側のギアがうまくかみ合うようにします。
位置が合わない時には、モーターの下に適当なケースを敷いて調整します。
この部分は水がはいらない部分なので、紙製のものでも構いません。
テープなどでモーターとペットボトルをしっかり固定します。
お風呂場など水を使える場所に設置して装置の完成です。
紹介したモーターは電球と一体なので特に配線する必要がなく、手軽です。
水力発電の実験をしてみる
水車に水を当てて回して、電球を付けるだけではなく、いろいろと条件を変えて実験してみましょう。
ここに紹介するのは一例です。
◆水力発電の実験
水車に当てる水の量を一定にして、高さを変えて電球の光具合を見る。
例えば同じ水の量で、水車の15センチ上と30センチ上では光り方に違いがあるか?
また
、同じ水の量で水車の上側の羽に水を当てた場合と、下側の羽に水を当てた場合では光り方に違いがあるか?
などをくらべます。
何かしらの違いがあればなぜそうなったのかを調べてまとめましょう。
後は実際に観察するだけなので、今回は答えには触れません。
結果のまとめ方はこのブログの記事
夏休みの自由研究 中学校理科のレポートはこう書く!
を参考にしてみてください。
今回は水力発電の実験装置の作り方の一例を紹介しました。
他にも水の力を電力に変える実験もありますが、それはまた別の機会に紹介したいと思います。
ちょっと大掛かりでしたが、小学校の高学年になれば工作もかねて作ってみてはどうでしょうか。
面倒なものほど皆がやりたがらないので水力発電は穴場の一つではあります。
また、水力発電の実験のバリエーションとより簡単な装置の作り方については
水力発電の実験 ペットボトルを使用した簡単な装置
で詳しく解説していますので参照してみてください。
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2017-05-18 08:24
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