リンゴを食べるダイエット方法が一時期はやりましたが、今はその熱も一段落しているようです。
果物のカロリーと糖分は穀物のものとは違って太らないと言われますが、はたして本当でしょうか?
色々な種類が出回っているリンゴですがその糖質に注目しながらダイエットに向いた食べ物なのかどうかを検証します。
リンゴの成分と美容効果
先ずはリンゴの良いところに注目してみます。
特に有効な成分をあげてその効果を見てみましょう。
◆有機酸
効果:胃腸の働きを助ける、殺菌効果、疲労回復効果
この成分には乳酸を減少させて肩コリや腰痛防止効果もあります。
◆カリウム
効果:高血圧予防、老廃物の排泄効果、筋肉の収縮を正常化する
カリウムにはナトリウムと共に細胞の浸透圧を調節する働きがあります。
余分なナトリウムを排出して血圧の上昇を抑えます。
◆ペクチン
効果:ダイエット効果、整腸作用、血糖値の上昇を抑える、満腹感を与える
また、ペクチンは腸内でコレステロールの吸収を抑制するので動脈硬化を抑える効果もあります。
◆ビタミンC
効果:肌や粘膜を守る、メラニン抑制効果、鉄分吸収を促進、強い抗酸化作用
美肌を保つ、アンチエイジングの代表的な栄養分です。
◆リンゴポリフェノール
効果:コレステロール減少、活性酸素抑制、皮膚の老化防止
ポリフェノールの抗酸化作用は最近でも注目されていますが、リンゴには多く含まれているので美容効果を求めて食べる人も多いでしょう。
こう見てみるとリンゴを食べることは非常に体に良いことづくめに思えます。
もう一点ダイエットをするうえで注目するのがリンゴの糖質です。
これは体の中に取り込まれるたあとの空腹感と関係します。
糖質について
先ず、基本として糖質が体の中でどのようになるのか、血糖値との関係から説明します。
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◆2種類の糖質
①デンプン
お米や穀物の糖質がこのデンプンです。
このデンプンは体内に取り込まれるとブドウ糖に分解されて小腸から吸収されます。
この後、ブドウ糖は肝臓や血液に入り、体のエネルギー源となります。
摂取量が多いと、血液中のブドウ糖が過剰になます。
すると、膵臓からインスリンが分泌されて過剰なブドウ糖をグリコーゲンと言う形で肝臓に蓄えます。
さらにブドウ糖が過剰である血糖値が高い状態になると、ブドウ糖は脂肪になり、体内に蓄積されます。
肝臓に蓄えられたグリコーゲンは空腹時、つまり、血糖値が低い状態の時にはブドウ糖に戻されて血液中に戻されます。
このようにして、血液中の血糖値はいつも一定に保たれ、常にエネルギー量が安定しているのです。
デンプンはこのようにして体内で変化していきます。
この血糖値が下がると空腹感が、血糖値が上がれば満腹感を感じる訳です。
糖質を摂取すると血糖値が急激に上がるので、それを下げようとインスリンが多量に分泌されて血糖値を下げようとします。
急激に血糖値が下がると再び空腹を感じるため、この糖質の摂り方を工夫して血糖値を状態を一定にするように工夫したのが低インスリンダイエットです。
糖質制限ダイエットもこの体の機能に関係しています。
②リンゴの糖質
リンゴの糖質は半分が果糖、残りがブドウ糖、ショ糖、ソルビト―ルです。
果糖は体内で約10パーセント程がブドウ糖に変化して、残りの90パーセントが直接肝臓に送られてゆっくりと消化されます。
ですから、果糖はインスリンの働きの影響をあまり受けず、空腹を覚えにくいのです。
一方で、ショ糖は体内では素早くブドウ糖と果糖に分解されるので同量のブドウ糖よりは血糖値の上がり方が緩やかです。
ソルビト―ルは糖アルコールの一種で体内には吸収されにくいので低カロリーの甘味料として知られています。
リンゴの糖質は同量のデンプンを摂るよりは血糖値の上がり方が緩やかで空腹を感じにくいものこのためです。
ゆえにリンゴがダイエット食として注目されたのです。
リンゴはダイエットに最適の食べ物か
リンゴに含まれている糖質はこう見てみるとダイエットするときにもってこいのように思えますが、そうとばかりも言いきれません。
◆リンゴだけではダイエットに向かない理由
・満腹感を得にくい
血糖値の急激な上昇が無い反面、満腹感も得にくいのです。
そのため、食べ過ぎてしまう危険性もあります。
一日のうち1食をリンゴに置き換えても、必要な他の栄養素が不足してしまうので、1品だけの摂取は勧められません。
実際にリンゴだけの食事は満足感とは程遠く、続かないなと感じました。
・必要なカロリーを満たしていない
リンゴ1個のカロリーは中玉で約145キロカロリーです。
18歳から29歳の女性を例にとると、1日に必要なカロリーは
活動レベルの低い女性で1750キロカロリー
活動レベルの普通の女性で2050キロカロリー
活動レベルの高い女性で2350キロカロリー
です。
食事一回で摂るべきとされているカロリーはそれぞれ
活動レベル低:583キロカロリー
活動レベル中:683キロカロリー
活動レベル高:783キロカロリー
です。
リンゴのみでは1回の食事で摂るべきとされるカロリーには到底及びません。
それにリンゴは85パーセントが水分で腹もちが悪いので、つい他のものを食べたくなりがちです。
栄養の偏りがあって、必要な栄養バランスを崩しがちなのでずっと続けることは難しいでしょう。
これらの理由からリンゴのみを摂取することでダイエットをするのはお勧めできないのです。
それでもリンゴは体にいい
リンゴダイエットは極端な例ですが、最初にあげたリンゴの効果を考えると摂らないよりは摂った方がずっと良いのです。
果物の1日の摂取基準量は、80キロカロリーとされています。
1日に必要な栄養を摂取したうえで、必要カロリーの範囲内でリンゴを摂ればよいのではないでしょうか。
ダイエットは本来は食事を摂らないのではなく、必要な栄養を摂りつつ、適度な運動で脂肪を燃焼させて行うものです。
カロリーを消費する筋肉が衰えるような食事制限をしたり、偏った方法では脂肪が落ちにくい体になって、リバウンドしやすくなります。
リンゴの糖分(果糖)と効果を活かすには食事のバランスをしっかり取った上で適量食べるのが一番と言えます。
リンゴの成分には素晴らしい効果がありますが、万能ではありません。
ダイエットのために食べるというよりは美容とアンチエイジングのために主食と合わせて食べるのが良いのではないでしょうか。
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2016-09-19 18:09
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