秋はサツマイモの収穫のシーズンですが、栽培からやっている人はあまりいませんよね。
でも、最近は家庭菜園でさつまいもを育てている方もちらほら。
さつまいもを栽培する時は土寄せと中耕がポイントになります。
農家のようにたくさん育てる時には大変な作業でも、
小さな場所でひと手間掛けるくらいですから
かえって楽しいくらいです。
私の受け持ったクラスの生徒が通っている学校では菜園を持っていて、理科の実習を兼ねて野菜を育てているようです。
今回は少し季節外れですけれども、さつまいもの栽培についてお話します。
美味しいサツマイモの品種は
先ずはどんなサツマイモが食べたいのか、で選ぶ品種が変わってきます。
一応の目安は次の通りです。
◆粘質タイプのさつまいも
・べにまさり
・安納芋
など
ねっとりした食感が好みの人にはお勧めの品種です。
◆粉質タイプのさつまいも
・ベニアズマ
・高系14号
ホクホクした食感が好みならこれらが良いでしょう。
両方とも比較的育てやすい品種と言われていますので失敗は少ない筈です。
少しマニアックな方には
・アヤコマチ(中がオレンジ色)
・コガネセンガン(皮が白い)
・パープルスイートロード(中が紫色)
もあります。
さつまいもに付く害虫
さつまいもに関しては特に病気を心配する必要はないのですが、気を付けるべき害虫がいます。
それは
・ネキリムシ
・ハダニ
・コガネムシ(幼虫)
です。
見つけ次第、駆除する必要がありますが、
予防策として、苗の植え付け前に薬剤を土に混ぜ込むと予防効果があります。
ハダニは葉っぱに着くと白くなるので、付いたら薬剤を散布します。
家庭ではそれほど大規模になりませんから、園芸店で相談してください。
では準備をして植え付けから順を追ってみてみましょう。
植え付け
◆まず、気を付ける事
植え付けを行う前に次の点に気をつけましょう。
・窒素肥料の量に気を付ける
窒素肥料が多いと、肝心のさつまいも自体が育たず、葉っぱや茎ばかり育ちます。
この状態を「つるボケ」と言います。
・前につくっていた作物の肥料を残さない
家庭菜園ではスペースの都合上、前につくっていた作物と同じ場所で作ったりします。
その際に土を入れ替えたりして前に育てていた作物の肥料が残っていない事を確認してください。
◆さし苗を手に入れる
さし苗を先ず入手します。
自分で収穫した種イモから、水栽培やプランターで育てても良いのですが、
苗を販売してくれる農家や園芸店もあるのでそちらを利用した方が簡単です。
春先には販売されるようですからご近所をあたってみたり、ホームページを調べてみてください。
ウイルスフリー苗やメリクロン苗として販売されている苗もお勧めです。
もし、自分で選べるのなら節の多いものが良いでしょう。
◆準備
・時期:暖かい地方で5月から6月くらい、中間地で5月中旬~6月中旬、寒冷地で6月
・土の準備
植え付け予定の一週間くらい前に土を作ります。
1㎡あたり堆肥2kg、有機配合肥料を混ぜて準備します。
土が出来上がったら幅60cm、高さ30cmの高畝を立てます。
畝と畝のすき間は60㎝くらいにして、風通しをよくしておきます。
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◆植え付け
さつまいもの苗は、切り苗のため根がありません。
その植え方は二通りあります。
・苗の切り口を水に浸けて元気な苗としてから植え付ける。
・苗を、一週間程度、風通しの良い日陰におき、少ししおれた状態にして植え付ける。
植物をしおれた状態で植えるというのは意外かもしれませんね。
植え方で一般的なのは舟底植えと水平植えです。
・舟底植え
深さ5センチから6センチの船底のような穴を掘って苗の3節から4節が隠れるように植えるやり方。
・水平植え
深さ5センチから6センチの穴を掘って、苗を底に水平におきます。苗の4節から5節が隠れるように植えます。
こうして、植え付けした直後に水をたっぷり捲いてください。
さらに2,3日したらもう一度水をたっぷり捲きます。
さつまいもは乾燥を好むので、これ以後あまり水やりは必要ありません。
土寄せのタイミングは
◆植え付け後2~3週間
中耕、土寄せ、つる返しを行います。
出典:www.earth-chem.co.jp
・中耕
作物の生育中に、浅く耕すことです。
土壌を反転,細砕することで風化作用が盛んになり、さつまいもの作物の生育がよくなります。
・土寄せ
植物が少し育ってから、根に土をかけてやることです。
・つる返し
さつまいもの習性として伸びてきたつるのあちこちから地上に根をはり芋をつけようとするので
放っておくと栄養分が分散して、小さな芋がたくさんつきます。
根元のさつまいもを大きく育てる為に伸びすぎたつるを反対側に返すのがつる返しです。
植え付けから2、3週間経つとつるが伸び始めて来ます。
雑草を取り除きながら、根元に土寄せをしながら、同時に中耕とつる返しをしてあげます。
◆植え付け後3週間以降
追肥と土寄せを行います。
追肥はこの時期に一株当たり約10グラムの株の周囲に施します。
そして、土寄せをしておきます。
2ヶ月位すると、つるが畝を覆いつくして来ますので、空いているスペースにつる返しをしておきます。
もしも、伸びすぎるようなら少しくらいは切ってしまっても影響はありません。
収穫と保存
◆収穫
10月上旬から11月中旬の霜が降りる前に収穫します。
収穫は茎や葉っぱが黄色くなり始めたら行います。
さつまいも堀で経験がある人も多いかもしれませんが、最初に地際から10センチくらいのところで茎をカットして、葉っぱと共に片づけておきます。
後は元株を持って引き抜きます。
抜きにくい時にはスコップで株元から20センチくらい離れたところを差して、持ち上げるように補助します。
◆保存は
収穫してから4、5日くらい風通しの良い場所におくと甘みが増します。
この時に日影におくようにして、直射日光を避けてください。
冷蔵保存はNGです。
冷やすとさつまいもが低温障害を起こしてしまいます。
新聞紙と発泡スチロールを使って10℃以下にならないように保存してください。
また、気温が高すぎると芽が出てしまうので注意してください。
さつまいもの栽培についてざっと見てきましたが、もし、自宅の庭にスペースがあったり、畑を借りれる方は自分でおいしいさつまいもを作ってみてはいかがでしょう?
秋の味覚としていろいろ楽しめるさつまいもですが、中耕や土寄せをきちんとやることで自分でも美味しい物が作れます。
園芸の好きな方は是非どうぞ。
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2016-07-05 18:13
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