熱中症対策に飲み物は欠かせないですね。
でも、冷たいものはかえって逆効果になってしまう事があります。
常温の飲み物が最近注目されていますが、これは体に負担が少ないから。
なぜ、常温の飲み物が体に良いのかを今回は説明したいと思います。
熱中症の症状と原因も合わせて見て行きましょう。
熱中症の症状は?
熱中症の症状は軽いものから命にかかわるものまであります。
その症状を知っておけばその場で処置できるのか、救急搬送が必要なのかを判断できます。
そのために症状による熱中症の深刻度を知っておきましょう。
◆熱中症の症状
軽度なもの:失神、筋肉痛、こむら返り、以上に多い汗
熱失神や熱けいれんと呼ばれるものもこの中に入ります。
これらは軽度な段階と言え、その場での応急処置である程度対処できます。
中度なもの:頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感
意識があるために見過ごしやす症状ですけれども、病院への搬送が必要な状態です。
症状が慢性的になっているじょうたいです。
重度なもの:意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温
熱は体に触れると分かるくらいの異常な体温になっています。
熱射病になってしまっているので緊急に搬送して、治療が必要な状態です。
お解りの通り、その場で対処できる症状はごく軽い時だけなので、少しでも様子がおかしかったら救急搬送してもらいます。
では熱中症になってしまう原因についてです。
熱中症になってしまう原因
簡単に言ってしまうと
熱中症の原因の根本は私たちの体の体温調整機能が上手く働かなくなることです。
体の状態によって血管を拡張させたり、収縮させたり、生じた熱を逃がすために汗を出すなどが意識することなく行われているため、常に体温が一定に保たれています。
その大切な役割をになうのが自律神経です。
そして、この自律神経は高温の環境に長時間いると乱れてしまいます。
日本の夏は高温多湿で体にもきつく、自律神経が乱れやすい環境と言えます。
さらに、外の気温とエアコンの効いた室内の温度差も自立神経を乱す大きな原因となっています。
気温差が5℃以上あると自律神経が乱れるといわれています。
こうした原因で熱が上手く体外に逃がすことが出来ずにいると熱中症になってしまうのです。
同じ環境下でも熱中症になる人とならない人がいますが、次のような人は特に気を付けてください。
◆熱中症にかかりやすい人
・体調の悪い人
・乳幼児
・高齢者
・糖尿病などの持病がある
・既に脱水症状になっている
・太っている
・日常、あまり運動していない。
・長時間炎天下で働いている
・水分補給が十分ではない、或いは出来ない
もともと体力的に落ちていたり、汗腺が十分に機能しなかったりすると熱中症にかかりやすいのです。
では具体的に熱中症の症状についてどのように引き起こされるのかをいくつかみていきましょう。
◆熱中症の症状の具体例
・熱失神の場合
熱失神はおもに血管の拡張が原因です。
暑さで皮膚の血管が拡張すると、血圧が低下して血流量が減ります。
これが原因で脳に送られる血液の量が減って、失神状態になります。
すぐに失神しなくても、顔面蒼白などの症状が事前に出ることも多いです。
・熱けいれんの場合
熱けいれんは汗をたくさんかいて、水分補給を行う際に水のみを補給し続けた場合に起こります。
汗は体温を下げる為の重要な機能ですが、水と一緒に塩分も外に排出しています。
このため、水だけを補給すると体の中の塩分(ナトリウム)が不足して、足や腕などに痛みを伴ったけいれんが起きます。
水分と一緒に電解質を補給しないことが原因です。
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・熱疲労の場合
大量の汗をかいたことにより、水分塩分ともに不足していることが原因で起こります。
重度の脱水症状が起きている状態なのですぐに水分と電解質を補給する必要があります。
この状態では血流が減少して血管が拡張しているので血圧は下がってます。
倦怠感や頭痛、嘔吐などの症状がみられます。
判断力も低下しているので救急搬送が必要な場合が多いです。
・熱射病の場合
重度の症状で、熱疲労がさらに進行した状態です。
脱水症状が悪化して体温の調節機能も働かなくなって、熱も40度を超えます。
汗もかかなくなり、熱が上がり続けると危険な状態になるので一刻も早く集中的な治療が必要な状態です。
中枢神経や心臓、肝臓、腎臓などの臓器に致命的な障害が起こって、死に至る場合もあります。
表面的な症状では熱以外に、意識障害、ふらつき、言動の異常などが現れます。
こまめな水分と必要な電解質の一番有効な熱中症対策ですが、その方法も適切な方法で行わないとかえって体に負担をかけることになってしまいます。
効果的な水分補給の方法とは
熱中症対策に効果のある水分補給法は次のようなものです。
常に気をつけるだけで体に負担をかけてしまうことなく、効果的に熱中症対策が出来ます。
◆喉の渇きを感じる前に飲む
乾きは水分が既に不足しているサインです。
定期的にこまめに飲んで、渇きを覚えないようにするのが効果的です。
◆一度に飲まない
水分を補給する時には少しずつ、飲むようにします。
一度にたくさん飲むと、腎臓や消化器系に負担をかけてしまってかえって体調を崩します。
◆ミネラル分を含んだものや塩分と一緒に飲む
水分だけを摂ると汗と一緒に排出される塩分を補えないので、必ず一緒に補給しましょう。
不足すると上で説明したようにけいれんを起こしたりすることがあります。
◆冷やしすぎた飲み物は避ける
暑い時や、上がった体温を下げるにはよく冷えたものを飲みたいものですが、逆効果になりますから注意してください。
冷やしすぎたものを飲むとなぜいけないのかを少し詳しく見て行きましょう。
熱中症対策に常温の飲み物が良い理由
熱中症対策で水分補給をする時に常温の飲み物が良いと、言われるようになりました。
冷たい飲みのもが熱中症対策にはかえって逆効果で、場合によっては症状を悪化させることもあります。
その理由はこうです。
◆冷たい飲みのを飲んだ時に体の中で起こっていること
①冷蔵庫でよく冷やした水(あるいはほかの飲み物)を飲む。
②それが胃に到達すると胃の温度が下がります。
③胃が冷えてくるとそれをもとの体温に戻そうとする機能が働きます。
④血液が冷えた胃を温めようと急速に胃の周りに集まります。
⑤脱水症状気味の時にこの状態になると水分や血液が一つの器官に集中すると脱水症状がさらに進行します。
ちなみに消化器官は37度を下回ると上手く機能しないといわれています。
つまり、熱中症対策の筈の行為がかえって症状を進行させてしまう事があるのです。
他の部分の血流は減りますから、高齢者や動脈硬化のある人は死につながることもあります。
水分補給は適切な温度の物で行う必要があります。
◆飲み物の適切な温度とは
熱中症対策の水分補給は
冷蔵庫に入れていない状態のものが最適です。
でも、体にあまり負担にならない冷たさのものならそれほど影響ないと思います。
だいたい、
15度から20度くらいの飲み物ならば高齢者の方も体調を崩している方も安心して飲めます。
これでも外気温との差を考えるとそれほどまずくもないと思いますよ。
熱中症対策に適した飲みものは?
熱中症対策の飲み物として最適なものを挙げてみます。
・経口補水液
OS-1に代表される飲み物です。
一番効果的に適していると思います。
・スポーツドリンク
水分と電解質が含まれていて、手軽に買えるのも魅力ですね。
ただ、糖分が多く含まれているものがあるので常に飲むのはどうかと思います。
少し薄めて、塩を加えたりして糖分と電解質のバランスを調整した方がよいかもしれません。
・水プラス塩飴
ミネラルウォーターで水分を摂って合間に塩飴をなめる方法です。
これも飴だけに糖分が気になります。
完璧ではないですけれども水だけの時よりは良いでしょう。
◆飲むべきではない飲み物
・お酒類
お酒は全般に利尿作用があるのでお勧めできません。
水分補給とは逆になってしまいます。
・緑茶
体に良い成分も入っていますし、夏バテ対策の飲み物としても注目されています。
でも、これも利尿作用があるのでやめた方が良いでしょう。
・コーヒー
カフェインが多く含まれているので利尿作用がありお勧めできません。
なかなかベストなものは無いかもしれませんが、自分で作ることもできます。
熱中症対策の飲み物を作ってみる
熱中症対策の飲み物を自分で作ってしまうのも一つの方法です。
糖分や味調整できるので持病のある方にもお勧めです。
◆蜂蜜レモンドリンクの作り方
・用意するもの
ミネラルウォーター:350cc
塩:小さじ4分の1くらい
レモン汁:小さじ1杯くらい
蜂蜜:大さじ一杯くらい
・作り方
ミネラルウォーターに全てを加えてシェイクして出来上がり。
ペットボトルのミネラルウォーターに加えて行っても良いですし、プロテインシェイカーみたいなものでシェイクしても良いでしょう。
多少泡が出るかもしれませんけれども、少し経てば落ち着きます。
冷やすこともできますし、氷を入れて飲むこともできますが、やはり常温で飲んだ方が効果があると思います。
熱中症は悪化させてしまうと命にかかわります。
暑い季節は常に対策を心がけて常温の飲み物を上手く活用して予防を心がけてください。
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