理科の自由研究で中学生の時にやっておきたい実験が音の実験です。
音はあまり扱う人がいないかもしれませんけれども、
実験装置が簡単で、
日常生活で不思議に思っている疑問を解決することにもつながりますので、
まとめやすく、発表もしやすいのです。
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今回は普段の疑問も解明できる音の実験を3つ紹介します。
ドップラー効果を実演、再現してみる
救急車が走ってきて、目の前を通り過ぎて去っていく。
この時に近づいてくるとき、去っていく時に音が違って聞こえるのは知ってますよね。
別に救急車のサイレンは音を変えている訳ではありません。
自分の位置によって聞こえ方が違うだけです。
これがドップラー効果です。
これを再現してみようとする実験です。
では早速準備に取り掛かりましょう。
◆用意するもの
・防犯ブザー(小さめのもの)
・タコ糸(切れにくいものならこれ以外にも大丈夫です)
◆装置を作る
防犯ブザーにしっかりとタコ糸を結びます。
◆実験の準備
この実験には2人でやる必要があります。
①実験のやり方、一人ところを探して、2人が離れて立ちます。
②一人が防犯ブザーのスイッチをオンにして、頭上で回します。
③もう一人が音の変化を記録します。
◆どんなことが起こるのか?
・ブザーを回している人
何も音の変化は感じられず、常に同じ音が聞こえる。
・離れて聞いている人
音が高くなったり低くなったりして聞こえる。
そして、自分に近いところにブザーが回ってくると音は高くなり、遠ざかると低くなる。
◆実験のネタバレ
ではなぜこのようなことが起こるのかを説明します。
ドップラー効果の原因を救急車のサイレンを例に解明してみましょう。
先ず、救急車のサイレンが200ヘルツ(1秒間に200の波をだしている)とします。
音の速さは秒速300メートル。
この救急車が秒速20メートルで走っているとします。
この時、1秒間に音は300メートル進む訳ですから、その300メートルの間に音の波が200個入っていることになります。
波一つ分の長さ(波長)は300÷200=1.5、つまり1.5メートルとなります。
ここまではいいですか?
では救急車が秒速20メートルで進むとどうなるのかと言うと、
救急車が発する1つ目の音の波は救急車の前方300メートルにあります。
そして
1秒後に200個目の波が発せられる時に救急車は20メートル前方に進んでいます。
と言う事は
200個目の波の位置は1個目の波の位置から300-20=280、280メートルのところにあります。
止まっていれば300メートルの中に200個の音の波が入っているのに、秒速20メートルで走っているために、280メートルの間に200個の波が閉じ込められることになります。
すると、
一つの波の長さ(波長)は280÷200=1.4で、1.4メートルとなります。
音の高さ、音程は波長が短くなると高くなり、長くなると低くなるので、近づいてくる救急車のサイレンは高く聞こえるのです。
では救急車が離れて行く時にはこれとは逆の事が起こります。
一つ目の波は救急車の後方300メートルにあります。
その一秒後、200個目の波は、救急車が20メートル進んでしまっているので、300+20=320、つまり320メートル後方になります。
と言う事は
320メートルの中に200個の波があることになり、一つの波長は320÷200=1.6、で1.6メートルです。
波長が長くなれば音程が低くなるので、救急車が離れて行くとサイレンの音が低く聞こえるのです。
この説明のポイントは距離、速さ、時間の関係式とヘルツという単位の意味(音が一秒間に行くつの波を出すか)を理解していればそれほど難しくありません。
後は数学の計算です。
◆まとめる時のポイントは
先ず、2人が交代して音の実験をします。
お互いにドップラー効果の現象を確認します。
なぜ起こるのか仮説を立てて、タネあかしを参考に結果を考察します。
また、道具を変えて同じ実験をしてみて、効果を確認しても良いでしょう。
例えば、フィルムケースに5ミリのスリットを開けて、同じように回してみても同じ事が起こります。
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音の形を見る実験
音を形にしてみて見ようとする実験です。
これも簡単な方法で記録が取りやすいものなので、おすすめの実験です。
中学校の夏休みにも一日で出来て簡単です。
◆用意するもの
・ボウル
・色つきのビニールやシート(薄手で伸びのないもの)
・ビニールテープ
・ハサミ
・塩
・デジカメ、またはスケッチブック
◆装置を準備する
ビニール袋やシートをボウルよりも大きめに切って、ビニールテープで底や側面にしっかりと止めます。
この時に皺にならないようにピンと張ってください。
このボウルを水平なところに置いて、塩を薄くまんべんなく振りかけます。
かけ過ぎに注意してください。
◆実験の手順
①ボウルに向って声を大きく出します。
②塩が模様を作って変化します。
③その状態をデジカメで撮影するか、スケッチして記録します。
④高い声、低い声、笛の高音やスピーカ-など色々と試してみます。
声を出す時や笛を吹くときに息で塩が飛んでしまわないように注意してください。
◆どんなことが起こるのか、
音の高低によって出来る模様が異なります。
音や声は、高いものと低いものを試して、塩が描く模様の違いを記録します。
◆実験のネタバレ
この画像のように音が高くなると模様が複雑になります。
これは鼓膜が振動するのと同じ原理です。
音は空気の振動としてビニールに伝わります。
ものには、大きさや形、引っ張る力などの条件によって決まる振動数があり、その振動数と同じ振動が加えられると共鳴が起こり、膜が激しく振動して塩粒を跳ね上げているのです。
音の高さなどによって共鳴の仕方が異なるため、膜の上の塩が色々な模様になるのです。
◆実験のポイント
ビニールは静電気が起きやすいので塩が表面にくっつかないように注意します。
音による模様の変化を記録しながら、高い音と低い音の模様の出方の違いを記録しましょう。
干渉により音を消す実験
この実験も実生活に結美ついた実験です。
ただし、実験する時の装置にスピーカーを使うので家にある人でないとできません。
もし家に画像のようなスピーカーがあったらやってみましょう。
◆用意するもの
・ステレオコンポ
・スピーカー(後ろに赤と黒の端子が付いているもの)
・音さ
・マイク
◆実験の手順
①音さを叩いて、その音をステレオコンポに録音します。(マイクを使った方が上手くいきます)
②ステレオコンポにスピーカーを左右接続して、スピーカー同士を向かい合わせにします。
③ボリュームを大きめに再生する。
④次に片方のスピーカーの端子の赤と黒を逆に接続して同じように再生する。
⑤次に左右片方ずつ再生してみる。
◆どんなことが起こるか
③の時には大きな音がでる。
④の時には音は小さくなる。
⑤片方ずつは大きな音が出ることが確認できる。
◆実験のネタバレ
これは音の干渉によって起こる現象です。
音の波、波長は山と谷の波で表すことが出来ます。
ある波長の山と谷と全く逆の山と谷の波を作りだして流すとお互いを打ち消すようになる。
この画像を見れば分かりやすいかと思います。
◆実験のポイント
この音の干渉によって音が小さくなると言う原理は、現在では高速道路の「トナカイの壁」と言われる防音壁に応用されています。
この画像がトナカイの壁です。
トナカイの壁は音を作りだすことはできませんが、車の出す騒音と逆の形の波を反射で作りだして音を小さくしようとしているのです。
干渉によって音が小さくなることを踏まえて、日常に活かされている例を探してレポートにまとめてみましょう。
中学校の自由研究課題では音を扱う人はそれほど多くないようです。
手軽で日常と結びつけやすいもので、レポートにもまとめやすいので何をやって良いかわからない時にはおすすめの実験です。
レポートのまとめ方についてはこちらの記事
夏休みの自由研究 中学校理科のレポートはこう書く!を参考にしてみてください。
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