子供の風邪は一年中、流行している感じですね。
保育園や幼稚園に行っていると集団でいる時間が長いのでどうしても他の子から移されてしまう事も多いですよね。
風邪は病気の名前ではなく、様々な原因で現れる症状の総称です。
その症状の原因は様々で、予防策もそれぞれ違ってきます。
今回は季節によっても、いろいろ変わるその原因を見て行きます。
風邪とは
一般的に風邪といわれているものは「
普通感冒」の事を指します。
喉の痛み、だるさ、鼻水、頭痛などの症状があらわれ、原因はウイルスですが、複数のものに感染してその症状が引き起こされていることもあります。
風邪と言う呼び方は原因ではなく、単にその症状を指している言葉です。
では風邪の原因となるウイルスにはどんなものがあるのでしょうか?
子供がよくかかるとされているウイルスには以下のようなものがあります。
・感染性胃腸炎
・流行性耳下腺炎
・水痘
・A群溶血性レンサ球菌感染症(溶連菌感染症)
・RSウイルス感染症
・マイコプラズマ肺炎
・アデノウイルス感染症(プール熱)
・手足口病
・ヘルパンギーナ
では一つ一つ具体的に症状を見て行きましょう。
感染性胃腸炎
幼稚園や保育園で流行する事が多い病気です。
秋から冬にかけて流行しやすいので気をつけましょう。
◆症状
吐き気、おう吐、下痢、発熱、腹痛など
◆原因
ノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルス、細菌や寄生虫など
◆感染経路
病原体が付着した手で口に触れることで接触感染する。
汚染された食品を食べることで経口感染します。
潜伏期間は1日から3日程度
症状は平均して5~6日続きます。
特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法がおこなわれます。
病院などの医療機関で受診して早めの対処をしましょう。
◆予防方法は
トイレの後、調理、食事の前は石鹸で十分に手を洗う。
また、子供が吐いた物などを処理する時は使い捨の手袋、マスク、エプロンを使用し、終ったら十分に手洗いを行います。
感染経路が接触感染と経口感染なのでそれに合わせた対策を行います。
子供にも手洗いを習慣づけておくことで有効な予防手段となります。
流行性耳下腺炎
いわゆる
「おたふくかぜ」です。
◆症状
耳の下、時には顎の下も一緒に腫れて痛みを伴います。
約1週間で腫れはひき、熱は3~4日で下がってきます。
頭痛、嘔吐、全身倦怠感などの症状を伴う事も多い。
◆感染経路
ムンプスウイルスというウイルスの唾液を介した飛沫感染。
ですから他の子に移してしまう可能性が高いため1週間ほど休ませるようにします。
◆治療
痛み止めなどの処方に従って安静にしています。
食べ物は症状によって加減します。
固いものや良く噛まなければいけないものは避けて顎や首に負担のないものを食べましょう。
まれに合併症を引き起こしますからすぐに医療機関で受診してください。
合併症には無菌性髄膜炎、脳炎、片側性の難聴、睾丸炎、卵巣炎、膵炎、関節痛などがあります。
水痘
保育園、幼稚園の一部でまれに発生します。
◆症状
水痘帯状疱疹ウイルスによっておこる症状で、いわゆる「水ぼうそう」です。
2~3週間の潜伏期の後に発熱、体に虫さされのような赤い斑点が現れます。
それが一日くらいで水膨れになって全身に広がります。
1歳前、7~10歳以上の子供、アトピー性皮膚炎など皮膚の病気のある人は重症になるケースもありますからこれも早めの受診をお勧めします。
◆感染経路
感染力は大変強く、空気感染もあり得るのでどこで移されるかわかりません。
◆予防法
予防接種が有効ですが、日本では任意接種で接種費用が自己負担のため接種率は高くありません。
でも2014年10月から1歳~2歳の子供は定期接種として受けられるようになりました。
A群溶血性レンサ球菌感染症
溶連菌感染症とも呼ばれる「のどが痛くなるこどもの病」です。
◆症状
咽頭炎や扁桃炎など、喉の痛みが出ます。
のどが痛い時はその大部分はウイルスや細菌に感染して“のど”に炎症を起こしている状態です。
喉に感染する病原体は様々なウイルスや細菌がありますが、細菌の中ではこの溶連菌が代表的です。
この溶連菌が引き起こす病気は
咽頭炎、扁桃炎、猩紅熱、中耳炎、副鼻腔炎などの粘膜に関するもの
伝染性膿痂疹、蜂窩織炎、丹毒などの皮膚ややわらかい組織に関するものがあります。
◆予防法は
うがいをこまめにしましょう。
スポンサードリンク
RSウイルス感染症
冬から春にかけて流行し、乳幼児気道感染症の原因になるウイルスです。
◆症状
鼻水、咳、発熱などのかぜ症状が出て、ほとんどの場合1~2週間で治癒します。
2歳頃までにほぼ100%の子供がかかり、一度では免疫が十分に出来ない感染症です。
そのため何度もかかりますが、徐々に免疫ができていき、次第に軽くなります。
◆感染経路
飛沫感染
接触感染
◆治療
このウイルスに抗生物質は効きません。
二次感染や症状を緩和する為の薬は処方されますが、RSウイルスそのものには効きません。
水分補給、睡眠、栄養をとり暖かくして経過を見ます。
◆予防法
飛沫感染、接触感染を予防するには手洗いうがいを徹底しましょう。
また、
RSウイルスは消毒薬に弱いので、ミルトンなどで哺乳瓶を洗ったり、イソジンなどでうがいをしたりしましょう。
マイコプラズマ肺炎
気管支や肺胞の外部にある間質という組織で炎症が起こる肺炎です。
普通の肺炎は気管支や、肺胞で炎症が起きるため、聴診器ですぐに分かりますが、マイコプラズマ肺炎はこの音が聞こえません。
◆症状
しつこい咳と発熱があります。
熱は比較的下がりにくく、聴診器での診断が難しいため、分かりづらい病気です。
学童期や青年期によく発症しますが、重症化することは少ないようです。
◆診断方法
この肺炎にかかるとマイコプラズマの抗体(MPHA)ができます。
検査方法はペア血清といって2回採血して、抗体の上昇の程度を見て診断する方法です。
診断結果が出るまでに時間がかかります。
合併症としては
気管支炎
肺炎
気管支喘息
などがあり、炎症が拡がった場合は普通の肺炎も併発します。
そのほか、中耳炎、副鼻腔炎を起こすこともあります。
◆治療法
マイコプラズマに効く薬はマクロライド系の抗生物質を使用します。
アデノウイルス感染症
いわゆる「
プール熱」の事です。
最近は一年中みられ、保育園、幼稚園で発生します。
◆症状
このアデノウイルスは49種類あり、さまざまな病気の原因となります。
症状は
高熱
目が赤くなる
扁桃が赤くはれて膿がつく
下痢
などが起こります。
非常に移りやすい病気なので、熱がある間は必ず学校や保育園を休ませましょう。
また、家族も感染に注意が必要です。
◆診断
かかりつけの小児科医に相談してください。
迅速法と言う検出方法があり、数分で診断することが出来ます。
腸炎を起こしている際は便から検出できることもあります。
◆治療
アデノウイルスに効く薬は無いため、症状を和らげる薬を処方してもらい、対症療法で経過を見ます。
下痢や腹痛があるなら整腸薬、高熱が続く場合なら解熱剤が処方されるでしょう。
手足口病
このブログの記事
・
手足口病は初期症状に注意! 子供がかかるウイルスです!
・
手足口病に大人がかかった場合の症状と経過 実例を検証!
で実際にかかった時の体験談など詳しく説明していますので参照してみてください。
ヘルパンギーナ
幼稚園、保育園でまれに発生します。
◆症状
38~40度の高熱が2~3日程続く事があります。
喉の奥に小さな水ぶくれが出来るので飲食が困難になることがあります。
食事は刺激の少ないものを食べさせるようにしましょう。
乳幼児の間で流行しやすい夏風邪の一種です。
◆治療
特効薬がないので対症療法で経過を見ます。
学校伝染病に指定されていて、「主な症状がなくなってから2日間」過ぎるまで出席してはいけません。
高熱が出た時の対処法はこのブログの記事
子供が風邪で熱を出したとき布団はかけない方がよい?を参考にしてください。
子供がかかる風邪と言っても原因は様々あります。
流行する時期には保育園や幼稚園などであっと言う間に広がります。
普通の風邪だと思っても少しでも異常を感じたら医師の診断を受けるようにしましょう。
特効薬がなくても症状を緩和するだけでもだいぶ楽になるものです。
合わせて読みたい記事
子供が風邪で目やにを出す原因は何か?
インフルエンザ ワクチン4価の副作用はあるのか?
インフルエンザワクチン 2015年は価格が上がる! 4価が使用されるため
手紙での時候の挨拶 11月下旬までの場合
喪中はがきの文例 義父が亡くなったときはどう書くか?
スポンサードリンク
コメント 0