オペラ歌手の中島啓江さんが亡くなった事は皆さんご存じでしょう。
あまりにも突然で早すぎる死に驚いていると言うのが実感です。
中島さんと言えば実際に舞台で歌っている姿より、バラエティやコメンテイターとしての方が私たちには馴染みのある姿です。
死因は太りすぎにより心臓と肺に負担がかかった事、と言う事ですが
歩んできた人生も中島さんの体調や体型にも少なからず影響していたようです。
中島啓江さん身長体重
中島さんは身長が165センチで体重はここ最近では180キロくらいあったそうです。
一時期テレビ番組の企画でダイエットに挑戦し、168キロ台になったそうですが、最近ではダイエット前の体重に戻ってしまっていたようで、車いすや杖をついての生活でした。
ご本人も自分の体を何とかしようと亡くなる前日にも入院しながら食事療法と筋トレを行うことを事務所の社長に報告して、前向きな姿勢でいたようです。
オペラ歌手は太めの方が発声には都合がよいといわれますが、中島さんを必要以上に太らせるきっかけが過去の人生にあったようです。
壮絶人生
◆幼少から音大卒業
中島さんは鹿児島で育ったのですが、実の父親から受けるＤＶ怯え、母親と共に逃げながらの生活を強いられました。
ＤＶの原因はお酒で、酔うと暴力をふるう父親だったそうです。
バラエティで見る中島さんからは想像もできない過去ですが、それでも苦労して昭和音楽短大を卒業、オペラ歌手として『修道女アンジェリカ』で見事デビューをはたします。
◆平穏な時期
デビュー後は『マック・ザ・ナイフ』でミュージカル初出演。
翌年には『天高くオペラ肥ゆる秋』で初ソロコンサートを行います。
その後、宮本亜門演出のミュージカル『アイ・ガット・マーマン』に出演、テレビ番組では『三宅裕司のいかすバンド天国』、『夢りんりん丸』などに出演して私たちにおなじみのキャラクターで人気を博します。
さらに中島さん本人が構成・演出するソロコンサート『夢で逢いましょう』を開催し、テレビやラジオ番組の出演も増えてタレント活動も軌道に乗ってきます。
◆母の死、父との関係
97年、最愛の母親が亡くなります。
自分の一番の理解者を失った悲しみが癒えないうちに父親が中島さんの家に上がり込んできます。
ＤＶを受けた人間との暮らしが中島さんを苦しめたのは言うまでもなく、過食症、顔面神経まひ、メニエール病などを発症。
過度のストレスが中島さんを蝕み始めます。
そして、父親が2007年に亡くなるまで舞台を降りた私生活での苦しみが続きました。
父親の死因は癌でしたが、そのあとには膨大な借金が残っていたそうです。
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中島啓江の「ありがとう」
「ＤＶや過食症に苦しむ人たちを勇気づけ、支えとなった」
これは中島さんが亡くなった時寄せられた言葉の一つです。
中島さんは半生をテレビで語り、同じように苦しむ人を励まし続けていました。
そんな中島さんが好きな言葉が「ありがとう」だったそうです。
この言葉について「オーラの泉」で中島さんはこう語っています。
中島
実は、「ありがとう」という言葉が大好きです。
子供時代に転向するとき母が、「文具セットをあげて“ありがとう”をクラスの子全員にいいなさいきっといいことがあるよ」と言いました。
しかたなく、“ありがとう”と言うと全員から返事が返ってきました。
一番言いたくなかったいじめっ子も「ごめんね」と言ってくれました。
中略
美輪
お母さんのご縁で、どんなときでも“ありがとう”と言う知恵を授けてくれたのは不思議な事でしょう。
子供時代、親子ともに父親のＤＶから逃げ回っていた時期にこの言葉を伝えてくれたのは美輪さんの言うとおり母親の知恵ですね。
「ありがとう」という言葉を言う事は回りにも自分にも大きな効果があります。
①癒しの力
感謝には“許し”の成分が含まれていますので、感謝をすると、怒りの感情が
和らいでいきます。
②受け取る効果
「ありがとう」という言葉を使うと、心が満たされやすくなります。
「生きることの大切さを伝えたい」と語っていた中島さんは辛い日々の中でこの言葉を口にすることの効果を知っていたのでしょう。
死の直前まで体重を減らす治療に前向きだったのは再びステージでファンを勇気づけたい気持ちの表れだったのでしょう。
今となってはその姿勢そのものが母から伝えられた「ありがとう」をファンに伝える行為だったようにも思えます。
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2014-11-30 16:44
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