夏休みの課題として定番の読書感想文。
書き方や構成で一番違いが出るのが小学校の場合です。
今回は高学年の場合を想定して心をつかむ読書感想文を考えていきます。
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文章もしっかりしてきて、自分の視点から主人公を捉えることもできますから、
求められる内容も低学年、中学年に比べて難しくなります。
1、
効果的な構成
2、
テーマのしぼり方
3、
例と最終的なチェック事項
に分けて説明して来ましょう。
効果的な構成
学年にかかわらず、読書感想文の一番効果的な構成は
書き出しに感想と結論を書くこと
です。
この部分に
・一番心動かされた台詞、一文
・自分の強い気持ち(感想)
を持ってきます。
ある意味、これが読み手(先生)を引き付ける読書感想文にする一番の書き方と言えます。
では具体的に全体の流れを追ってみます。
◆効果的な構成
・書き出し
一番心に残ったセリフ、場面についての感想から始めます。
こうすることで、読んでいる人を感想文に引き込むことができます。
どんな本を読んだのだろう、
何でそんな感想を持ったのだろう、
と思うような書き出しが出来れば言うことなしです。
この時点で本のあらすじや背景、が見える必要は全くありません。
・あらすじ
課題図書が決まっている場合はあらすじを長々と書くと文字数稼ぎになってしまいますから、
行うことはしません。
自分で本を選んだ場合はどのような本なのかを簡単に説明する必要があります。
この部分にボリュームを持たせる必要はありません。
先程の書き出しに書いた部分で書いたセリフや場面、感想の背景になる部分が分るように書けていれば十分です。
読書感想文ではテーマを絞って、その部分について書き進めていくので、
書こうとするテーマが鮮明であればよいのです。
・本題
ここで冒頭の様な感想を抱いた理由、
主人公や本の場面への同調、反発、同情などを交えながら、詳しく明らかにしていきます。
自分の価値観、体験など具体例を交えたりするとより充実します。
・まとめ
本を読む前と読んだ後の自分の気持ちの変化、
今後の自分の行動、生き方などを書きます。
書き出しの部分と重なるようになりがちですが、
ここでは全てが明確になるように、自分の言葉でしっかりと書きます。
読書感想文のコンクールなどでもこのような構成になったものが選ばれる傾向にあるようです。
学校の課題で書く時にも、読む先生を引き込みやすい構成と言えます。
最初に感想や結論を述べ、その背景と心の動きの理由を書き、
最後に今後の自分の決意や生き方を宣言してまとめる、
これが読み手にとってストレスなく、自分の気持ちを伝える効果的な方法です。
テーマのしぼり方
効果的な読書感想文の構成は分かっても、
本の読み方やまとめ方が分らないと先に進みません。
そこで、本を読みながら、自分の気持ちが惹かれた部分を探し出すやり方を紹介します。
以前このブログの記事
読書感想文の書き方 高学年用のワークシートとまとめ方の王道
でワークシートと付箋を使用してテーマを絞っていくやり方を紹介しましたが、
本を読み進めていく上では効率的で有効な方法です。
シートは
冒頭
あらすじ
本題
まとめ
の
4枚、あるいは
冒頭とあらすじを一緒にして、合計
3枚用意しておきます。
付箋は本を読み進めていくときに、感動した部分や、心に残ったセリフなどの箇所に貼っていきます。
その際に簡単に感じたことを書き込んだり、メモ代わりにしながら使います。
読み終えたら、付箋の個所の文や書き込まれた感想をワークシートに貼っていきます。
詳しくは先程のブログの記事
読書感想文の書き方 高学年用のワークシートとまとめ方の王道
を参考にしてください。
不思議なことですが、付箋を付けた個所と言うのは、自分が書きたいテーマになっているものです。
ある程度形が出来あがったら実際に文にまとめてみましょう。
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◆まとめる時のポイント
実際に書く時にはつぎの点に注意しましょう。
・
感動したことは1か所に絞る
・
あらすじは最低限のボリュームで
・
文の終わりは強い断定の口調で
自分の気持ちがブレないように絞った方がまとめやすく、読んでいる側にも伝わりやすくなります。
先程も触れましたが、あらすじは自分の伝えたい論点の背景が見える範囲で書かれれば、
必ずしも本の全容をまとめなくてもよいでしょう。
また、読み手の印象と、自分の気持ちを伝えるには「です」「ます」「思います」
の様な弱く上品な表現ではなく、
「
~だ」「
思う」「
考える」という断定することが大切です。
では最後に例と最後の推敲のポイントを抑えておきましょう。
例と最終的なチェック事項
例に使った本は『転んでも、大丈夫~ぼくが義足を作る理由』 臼井二美男 著 です。
◆読書感想文の例
・書き出し部分
「患者さんの過去は変えられないけど、今自分にできることをしていきたい」という臼井さんの言葉と、
小さな男の子が義足で立っている表紙の写真に私は強く惹かれた。
義足を付けている人が笑顔を浮かべて堂々と立っている姿を今まで想像もしたことが無かった。
・・・略
この時点で本の内容を知らない人を、その光景と言葉に引き込んで、
次のあらすじで、この言葉を発した人についての簡潔に語ります。
・あらすじ
臼井二美男さんは「義手」「義足」を作る仕事をしている方で、パラリンピックやトライアスロンに出る方たちにも義足を提供しています。
手足が無くなって辛い思いをしている方たちにやりたいことができるようになってもらいたい・・・略
著者の臼井さんの仕事と義足に対する思いをまとめていきます。
・本題
自分には義足を付けなくてはならない人の気持ちは想像もつかない。今まで当たり前のようにあった足が無くなり、歩くことも出来なくなったときの気持ちはどうなのだろう。
人目も気になるに違いない。
比べることはできないが、私も近視が進みメガネを書けなくてはならなかったときには抵抗があった。その時、…
中略
臼井さんは足を無くした人たちに義足を作るだけではなく、その気持ちに寄り添い、支えているのだと思う。
支え合うことでその人の未来をともに作っているのだと感じた。
中略
私は将来、エンジニアになりたいと思っている。特に、人々の生活をより良くするための研究に携わりたい…略
自分の体験と将来の希望を著者の行動と重ね合わせます。
この本題の後半で本を読む前と読んだ後で考えたことを整理し、最後のまとめにつなげていきます。
・まとめ
今まで私は漠然とエンジニアになりたい、将来は何か人のためになるようなものを開発したい、と思っていた。
その夢の中には自分だけが存在していた。
でも、目の前の人に寄り添い、使う人の声を聞いて初めて自分の夢は実現可能なのだと感じさせられた。
臼井さんの「患者さんの過去は変えられないけど、今自分にできることをしていきたい」という言葉には体の一部を失ってしまった人たちの未来をともに作っていきたいという思いが込められている。
高い技術だけ学べばよいというのではない。私も臼井さんが義足で少年を笑顔にしたように、人に寄り添い、其の人が笑顔になれるものを産み出せるエンジニアになりたいと強く思った。
この本に出合って…略
まとめの部分では、本に出合う前と出会ってからの自分の変化、将来の展望の変化を書くとよいでしょう。
その中に、自分と周りの人、社会との関わりへも言及出来れば言うことなしです。
◆最終的なチェック事項
およそ読書感想文が書きあがったら、次の事に気を付けて最後の調整をします。
・
誤字脱字が無いか
・
言葉使いが統一されているか
・
内容はまとまっているか
・
伝わりづらい部分はないか
・
字数はきちんと満たされているか
この中で文字数についてですが、
仮に原稿用紙3枚以内と指定されているとすると、
400字詰めの原稿用紙だと1200文字になります。
この場合はなるべく
95%以上を満たすようにしてください。
どうしても埋まらない場合は無理しなくても大丈夫です。
90%を割るのはできるだけ避けた方が良いと思います。
これらの事に気を付けて清書して完成させてください。
今回は小学校の高学年の読書感想文の構成と注意点について紹介しました。
この他にも読書感想文を書くコツについて紹介していますので、合わせて参考にしてください。
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