10月は本格的に秋の始まる季節です。
案内状の時候の挨拶も季節に合わせたものにしますが、公式な案内状ではビジネス文書と同じように
冒頭の形式的な挨拶があるくらいで、結びの挨拶をいれることはほとんどありません。
個人的なものと違って伝える内容重視になるので、相手への気遣いも形式的なものになります。
今回は10月に使える季語とこの時期の案内状の例文を紹介していきます。
10月の時候の挨拶の季語
時候の挨拶の基本的な形は
季語あるいは季節を表す言葉+候/みぎり+相手を気づかう言葉
です。
公式な表現や文書ではこの形が使われます。
その際には季語の使い方に注意が必要です。
10月の上旬に使うもの、中旬に使うもの、下旬に使うものと種類があり、時期がズレると使えないものが在るからです。
まず、基本的な季語を見ていきましょう。
◆10月上旬に使う季語
10月の上旬には二十四節気の一つ
寒露(10月8日ごろ)があります。
この寒露の前までは
仲秋 秋分 黄葉
の季語が使え、
寒露の後には
清秋 紅葉 寒露
が使えます。
寒露を境に使える上旬の季語が異なるので気をつけましょう。
その年の気候に合った相応しい季語をつかえると文も引き立ちます。
なお、
10月上旬全般に使える季語は
秋晴 秋雨
です。
季語は先程の形に当てはめて、
仲秋の候 清秋の候 秋雨の候
等のように使います。
◆10月中旬に使う季語
中旬には
秋晴 清秋 秋冷 秋涼 寒露 秋雨
の季語が使えます。
これらの季語はその年の気候に合わせて使えば問題ありません。
暖かい秋の日が続くのか、早めに冷え込むのかでも季語の選び方が違ってきますね。
◆10月下旬に使う季語
10月の下旬には二十四節気の一つ
霜降(10月23日ごろ)があります。
下旬に使える季語は
霜降以前は
秋晴 紅葉 寒露 など
霜降より後は
初霜 霜降 錦繍 など
があります。
これらは使う時期がほぼ決まっていますから、その年の気候を考えながらふさわしい時期に使ってください。
また、10月中なら上旬、中旬、下旬関係なく使える季語もあります。
今まで紹介した中で
秋麗 菊花 秋冷 秋涼 錦秋
は10月中はいつ使ってもよいとされていますが、まだまだ昼間も暖かい時期に冷え込みを感じさせる季語は使わない方が良いでしょう。
臨機応変な使い分けをするのがよいでしょう。
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案内状の例1
始めは個展の案内状をの例を見てみましょう。
◆個展の案内状の例文
①
個展「○○○○」開催のご案内
②
拝啓 秋冷の候、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
③
さて、このたび念願がかない、ささやかながら下記の日程で展覧会を開催する運びとなりました。
未熟な作品ばかりですが、お時間ありましたら、ぜひお立ち寄りいただければ幸いです。
④
開催期間中は10時から16時まで会場に折りますので、お目にかかれますことを楽しみにお待ちいたしております。
敬具
⑤
平成○○年 10月10日
山根明人
⑥
記
開催日時:11月3日(木)~11月11日(金) 10時~19時
場 所:ギャラリー「○○○○」
東京都港区○○○○1-1-1
JR○○線 ○○駅 北口 徒歩4分
電話番号 03-○○○○―○○○○
なお、駐車場はございませんので、お車でご来場の際には近隣のコインパーキングをご利用いただきますようお願い申し上げます。
以上
◆案内文の構成
個人あての文書として例文です。
①タイトル
始めは文書のタイトルです。
中央に一回り大きな字で書きます。
②前文
前文は語頭の「拝啓」と時候の挨拶を含めて書きます。
時候の挨拶は相手方に届く日にちに合わせて選んでください。
ごく親しい人のみの案内状なら時候の挨拶も
紅葉の季節となりました。
など、くだけた言い回しにしても問題ありません。
③主文
案内状の具体的な文になります。
詳細については別記で書くので、ここでは相手の心に響くような呼びかけを考えて書いてください。
④末文
結びとともに結語の「敬具」で締めくくります。
⑤日付
日付は和暦を使って書くのが一般的です。
⑥差出人
案内状を出す人の名前を書きます。
位置は右端です。
個人以外では団体名、会社名、役職名なども記載することもあります。
⑦別記
「記」の文字は中央に書きます。
個展の詳細を書きます。
日時、場所、交通などわかりやすいように箇条書きにするのが一般的です。
個展の案内状は小規模なものから、合同で行うもの、団体で開催するものなど様々です。
時候の挨拶の形式は状況に応じて臨機応変に変えてください。
案内状の例文2
次に法事の案内状の例文です。
法事の案内状は往復はがきで往信用の裏面に案内を書き、
返信用のはがきに出欠を記入して返してもらう形式がふつうです。
ここで紹介する例文も往診用のはがきの裏に書く文です。
例
①
謹啓、秋冷の候 皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
②
この度、先の日程にて亡父義明の一周忌法要を営むことになりました。
つきましてはご多忙中誠に恐縮ではございますが
ご参加賜りますようご案内申し上げます。
敬具
③
記
日時 平成○○年11月1日(土曜日)午前10時より
場所 建〇寺 住所○○市○○長〇丁目
電話 03-○○○○ー○○○○
法要後 粗宴をご用意したしております
④
平成○○年10月
○○市○○町○○丁目○○
電話○○〇ー○○〇ー○○〇〇
北 見 慎 吾
※お手数ですが10月22日までに返信にてご都合をお知らせください
法事の案内状は言うまでもなく縦書きです。
ここでは横書きの例文になっていますが、実際には縦書きになります。
◆構成要素
①語頭と前文
普通の文書と変わりません。
語頭と結語は決まり文句で言い方も決まっていますから間違えないようにします。
ここでは「謹啓」「敬具」の組み合わせをつかいました。
10月に出す案内状なので時候の挨拶の季語は秋冷を使用しました。
②本文
本文には故人の続柄と名前を書きます。
案内状を出す人(施主)とから見た続柄です。
③別記
「記」の文字は縦書きでもハガキの中央の位置の高さに書きます。
ここには一周忌法要の詳細を書きます。
日時、場所、連絡先、
④日付と名前
名まえは施主の名前をフルネームで住所も添えて書きます。
最後にいつまでに返信はがきで返事がほしいのかも書いておくとよいでしょう。
なお、返信用はがきの表面には施主の名前が書かれますが、
自分で自分の名前を書くので
北 見 慎 吾 様
ではなく、
北 見 慎 吾 行
とします。
案内状は様々な種類がありますが、相手に来ていただくためのものですから時候の挨拶も公式な形のものが多くなります。
10月は特に気温の変化の激しい時期ですから、その時期にあった季語を使用してください。
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