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初盆の準備 真言宗の場合の特徴

初盆は故人が初めて迎えるお盆の事です。

真言宗は他の宗派とは違った準備をすることで知られています。

初盆は普段のお盆よりも盛大に僧侶を招いて行うことが慣例ですが、

地域によって、また最近の家族の事情などで少しづつ形が変わってきているのも事実です。

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何をするかわからなくても、ご近所の方に聞くわけにもいきません。

何しろ宗派が違えば形式も違うからです。

今回は真言宗の初盆の特徴と、その理由を中心に基本的な準備を紹介します。

うちは宗派は違いますが、昨年母の初盆を行いましたが、お寺さんからいろいろ準備について教わりました。

その感想では必ずしも形式にこだわるのではなく、個人の事情に柔軟に合わせて行ってくれました。

ここでは基本的な流れをお話するので、それぞれの菩提寺の住職さまに相談して一番良い形で故人を迎えてあげてください。

真言宗の初盆の特徴



真言宗の初盆で他の宗派と異なる準備で外せないのが

・精進料理
・水の子
・ホオズキの結界

の3つです。

他の宗派でもホオズキと水の子は盆棚に飾られますが、精進料理は特別な準備が必要ですね。

この3つが真言宗の初盆の特徴となっているには理由があります。

◆追善供養の意味

・目連の母親のお話

真言宗のお盆のテーマに追善供養というものがあります。

これは亡くなった家族の代わりに施しを行うというものです。

このことはお釈迦様の弟子の目連という人のお話に由来します。

目連は修行の結果、神通力を身につけ、いろいろなことが見えるようになりました。

死んだ母親がどうなっているか見てみると、母親は地獄に落ちて苦しんでいます。

その原因は、目連が小さいときの夏、母親が水の入ったツボを持って歩いていると、

ある人が、あなたの持っているツボからお水を少し飲ませてほしい、と頼むと

これは息子のために汲んだのだから一滴もあげられません、と断ったことでした。

子を思う親心から出たことでしたが、結果として死後に罰を受けることになってしまったのです。

これに心を痛めた目連はお釈迦様に何とか母を救えないか相談しました。

お釈迦さまは、夏の修業が終わったら、亡くなったお母さんに代わって、あなたがみんなに施しをしたらどうか、言われました。

目連はそこ言葉を受けて修行を終えた7月15日に食べ物をたくさん用意して集まってきた人々に食べてもらいました。

すると、母親は地獄から極楽に行けたということです。

生きている家族が亡くなった家族の代わりに施しをおこなえば、地獄へ行った人も極楽浄土に行けるという意味のお話です。

これが追善供養の由来です。

・水の子 閼伽水

多くの宗派では二つの器が盆棚に供えられます。

蓮の葉を敷いた器にナスやキュウリを細かく切って洗ったお米が入っています。

これが水の子です。

もう一つはきれいな水とミソハギの花束が添えられています。

これが閼伽水です。

この意味は家族や先祖の精霊のほかに供養してくれる人がいない精霊もこの世に帰ってきます。

お盆にはミソハギの花束に水を含ませて水のこの上に注ぎます。

そのご飯が自分の家族以外の精霊も食べられるようにします。


これも追善供養の行いです。

◆ホオズキの結界

精霊棚(盆棚)の四隅に青竹を立てて、縄を結んでホオズキを挟んで結界をつくります。

ホオズキはお盆では精霊が迷わずに家に帰ってこれるように、という意味合いがあります。

道を照らす提灯としての役割があります。

真言宗では瞑想によって仏の知恵を理解することを重んじる宗派で、道を照らす知恵の灯としての意味もホオズキに込められています。


こうした意味合いから真言宗ではこの3つの準備がたいせつな意味を持ちます。

では、精霊棚に必要なものをそろえます。

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精霊棚の準備



精霊棚には次のものを飾ります。

御本尊
位牌
水の子と閼伽水
精霊馬
そうめん
ホオズキ
お花
野菜や果物(故人の好きなもの)
精進料理のお膳

先程、説明したようにホオズキは4隅に青竹を立てて結界のようにして張ります。

精霊馬はナスときゅうりで作ったものですが、今はわらなどで作られているものが売られていますからそれを利用します。

直前でも手に入るものもありますが、早めにお寺さんに聞いて準備しておいた方がよいでしょう。

特に精進料理はそのまま食べられる状態で箸を添えて準備するので、自宅で作れないときには事前に予約などをしておきます。

共通する準備についてはこのブログの記事

初盆の準備 臨済宗の場合

でも触れていますので、そちらも参考にしてください。

この他、迎え火、送り火にはおがらも使用します。

提灯などを出すところではその準備も必要です。

お盆の期間はいつか



地方によって差がありますが、

大きく分けると2つの考え方があります。

菩提寺がある地域の習慣に合わせて初盆は行われると思いますので、お寺さんとよく打ち合わせをしておきましょう。

・新暦のお盆期間

7月13日から7月16日

東京など首都圏ではこの期間がお盆になることも多いです。

・旧暦のお盆期間

8月13日から8月16日

地方などはこちらの方が多いかもしれません。

会社のお盆休みなどを考えると、こちらの旧暦の方が浸透しているといえます。


うちの場合は首都圏に住んでいて、近所では7月にお盆をやってしまうことも多いのですが、

菩提寺が地方にあり、その地域は8月がお盆なのでそちらに合わせて初盆を行いました。

初盆の流れ



初盆の時の流れを大まかに追っていきます。

◆初盆の流れ

・精霊棚などすべての準備を完了しておきます。

・迎え火を焚いて故人の例をお迎えします。

・お墓参り

・僧侶を招いての法要、親戚、知人等のおもてなし、会食など

・送り火を焚いて故人の例を見送る

お盆期間の間にこれだけのことを行います。

お墓と自宅とが離れていて、僧侶を呼べない場合、親戚などが高齢で出席できない等の理由で形式も変更になることも多いので、その辺は早めに打ち合わせが必要です。

お布施の金額は



初盆の時に住職に自宅でお経をあげていただく場合はお布施を用意します。

お布施の金額ははっきり言って決まっていません。

しかし、一般的な相場というのはありますのでそれを参考にして決めます。

◆お布施の金額

初盆のお布施の相場は3万円から5万円くらい、

お車代が5000円から1万円

を一つの目安にします。

うちの場合は戒名の格の関係、葬儀の時の費用の関係で少し多めに包みました。

葬儀や49日など一連の流れでお寺さんが金額的に気を遣ってくれた場合などはそれを埋め合わせたり、個々の事情によって判断して決めればよいと思います。

◆お布施ののし袋について

お布施を入れるのし袋は

無地の白い封筒で一重のもの

を用意します。

表書きには「御布施」と書きます。

ペンは普通の黒い筆ペンなどを使用します。

薄墨は使用しません。

裏面は名前、住所、金額を記載します。

金額数字の記載には旧字体をつかってください。

お供え物について



もし、初盆を迎えるご家族にお供え物を贈る場合は盆棚に飾る五共をおくるのがふつうです。

五共とは香・提燭・花・浄水・飲食をさします。

香は線香、飲食は果物やお菓子を選ぶ場合がほとんどです。

中でも花をおくるときに注意してほしいのは

白い花で統一する
棘や毒のあるは選ばない

という点です。

自分で準備する場合にも参考にしてください。


故人が初めて迎えるお盆が初盆です。

宗派によっていろいろな準備が必要ですが、最近はお寺さんも事情に合わせて柔軟に対応してくれます。

今回は真言宗の初盆の準備について紹介しました。

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