ビジネス文書は形式が決まっていることがほとんどです。
時候の挨拶もその中に組み込まれていきますが、書き出しはほとんど会社によって用意されていることが多いのではないでしょうか。
7月上旬は梅雨明けから暑さが増してくる時期なので、相手に文書が届く日に合わせてふさわしいものを選びます。
特にビジネス文書は丁寧な言い回しが要求されるので、個人間のやり取りのようにくだけた表現で季節感を出すことは少なくなります。
7月上旬の季語、書式、などに気を配って先方に失礼のない表現を心がけます。
今回は7月上旬にビジネス文書を書く時の基本的な表現と例を挙げてみたいと思います。
ビジネス文書の基本形式
多くのビジネス文書は書き出しの部分がほぼ決まっています。
基本的なものは
語頭+時候の挨拶+相手の安否を気遣う挨拶+日頃のお礼+主文(用件)+結語
となります。
一例を挙げると
謹啓 夏至の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。
主文(用件)
謹白
という感じになります。
一つ一つ確認していくと
・語頭:謹啓
・時候の挨拶:夏至の候
・相手を気遣う挨拶:貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
・日頃のお礼:日頃は格別のご高配を賜りまして誠にありがとうございます。
・結語:謹白
となっています。
この中で気を遣う部分について少し説明します。
◆語頭
例文でつかった「
謹啓」は謹んで申し上げるという意味です。
特に丁寧な文書では好まれます。
「
謹啓」には「
謹白」という言い回しが自然でよく使われます。
この他の丁寧な語頭には
謹呈 恭啓 粛啓 などがあり、
組み合わせる結語には
謹言 敬白 粛言
をつかいます。
ビジネス文書なので丁寧な表現が使われますが、一般の文書でお互いの距離がある時には
拝啓 敬具
の表現を使います。
◆相手を気遣う挨拶
例文で見る通り、普段人を気遣う言葉とはずいぶん違います。
貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
これが会社間などに使われる定型の文です。
「
ご清栄」という言葉ですが、
意味は
文書を送る相手方の健康と繁栄の両方を願う言葉です。
これは企業に向けても、個人に向けても使うことができます。
よく似た言葉で
「ご清祥」という言葉がありますが、こちらは個人に向けたものに使用します。
使える言葉をまとめると
・ご清栄、ご盛栄、ご繁栄:企業に宛てた文書向け
・ご清祥、ご健勝:個人に向けた文書向け
となります。
文書を送る相手によって間違わないようにしましょう。
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◆日頃のお礼
ここでは「日頃は~」という表現を使いましたが、
「
平素」という言葉も同じ意味です。
「いつも」という言葉よりも丁寧な表現なのでビジネス文書にもよく見られます。
では7月上旬の時候の挨拶の表現を見てみましょう。
7月上旬の時候の挨拶
ビジネス文書に使われる表現なので、季語を用いた公式な表現がメインになります。
このブログの記事
7月 8月 夏の時候の挨拶 手紙やメールで役立つ表現
でも紹介していますが、
季語、季節を表す言葉+候/みぎり
が正式な時候の挨拶の形です。
まず、7月上旬の季語から確認してきます。
◆7月上旬の季語
7月上旬は二十四節気のひとつ
夏至(6月21日ごろから7月6日前後)
に当たります。
この時期の季語でよく使われるのは
夏至 短夜 仲夏 梅雨晴れ 霖雨(りんう)
などです。
年によって梅雨明けの時期、天候などはかなり違いますから、その年にあった表現を使うとよいでしょう。
天候にあまり関わらないのが、
夏至と
短夜で共に昼と夜の長さについての事です。
仲夏は早めに梅雨が明けて暑さが本番になっている年に使うとよいです。
梅雨晴れは梅雨の晴れ間の頃、
霖雨は雨の続くとしには良いでしょう。
この他、
向暑 小暑(7月7日ごろ)
星祭(7月7日ごろ)
猛暑 初夏なども使われることがあります。
先程の例文の時候の挨拶の部分に形式的に当てはめるだけなので
季語をつかわれる時期に注意すれば簡単です。
ビジネス文書の場合は普通の個人あての手紙の用に結びの部分にも相手を気づかう言葉を入れることは必要ありません。
では、最後に2種類のビジネス文書の例を紹介しましょう。
7月上旬の時候の挨拶を使った例文
◆契約のお礼状の例文
契約が成立したときに日を空けずに送る文書です。
個人宛てにしています。
拝啓 夏至の候、神崎様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
このたびは、弊社商品のご依頼を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。
この上は神崎様のご期待に沿えるよう全六で取り組む所存でございますので、どうぞ末長くご愛願のほどよろしくお願いいたします。
つきましては、ご不明な点などございましたら、何なりとご遠慮なくお申し付けください。
まずは取り急ぎ書面をもちまして御礼申し上げます。
敬具
平成〇年〇月〇日
代表○○○○
◆入金のお礼の文書
平成〇年〇月〇日
株式会社 ○○○○
○○部 ○○長 神崎○○様
株式会社 YYYYYYYY
○○部○○長 三宅○○
ご入金の御礼
拝啓 短夜の候、神崎様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てにあずかり、ありがたく厚く御礼申し上げます。
さて、〇月〇日付にてご請求いたしました○○の代金につきまして、早速にご入金いただきましてありがとうございました。
つきましては、領収書を同封いたしましたのでご査収くださいますようお願い申し上げます。何卒、今後も一層のお引き立てのほどをよろしくお願い申し上げます。
まずはご通知かたがた御礼申し上げます。
敬具
ビジネス文書は各企業が決まった形を持っているのが普通です。
7月上旬は年によって気候の状態が大きく異なる時期でもあります。
時候の挨拶はその年の気候などに合わせて季語を選ぶ参考にしてみてください。
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