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夏休みに作る俳句 中学生以上のレベルアップ

夏休みに俳句を課題に出す学校も結構あるようで、どうやって作ったらよいのか戸惑う生徒も多くいます。

中学生になるとそれなりの出来を期待されることもありますが、俳句はハードルの高いものではありません。

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小学生に向けた俳句の作り方はこのブログの記事

俳句を作る夏 小学校で使える季語と簡単な作り方

で解説しましたが、今回はもう少しレベルアップをする方法を紹介します。

作る手順、コツをつかんでしまえば意外とすんなりと出来上がるものです。

では順を追って見ていきましょう。

俳句をレベルアップするために注意すること



まず、はじめに俳句をすっきりとまとめるための注意点を押さえます。

◆俳句をまとめるための基本

①季語は一つ

例えば、「花火」と「夏」という表現を同時に用いない。

花火は夏の季語ですから、あえて言う必要はありません。

②切れ字は一つの句に一回だけ

「や」「けり」「かな」を一つの句の中で使わないようにします。

5,7,5の制約の中で表現するので無駄なものを極力のぞいていくようにします。

③上の5文字と下の5文字の最後が両方とも名詞にならない。

響きの問題もありますが、こうなった場合は多くのものが一つの句に入りすぎている場合が多くなります。

④同じ意味の言葉を使わない

例えば、「ひまわりの花」という表現ですが、「ひまわり」で十分です。

「花」を付けると重複表現になってしまいます。

⑤当たり前のことは言わない

「氷」を「冷たい氷」と言ったりしないようにします。

冷たいのは当たり前なので字数の無駄使いをしないようにします。

⑥形容詞、副詞は使わないようにする

「うれしい」「楽しい」などの言葉は使いません。

特に主観的な言葉を使うと句が安っぽくなってしまいます。

この気持ちを他の言葉でどう表現するかが俳句作りと思ってください。


これらに注意すれば俳句をまとめることができますが、知っていてもいきなり良い俳句ができるわけではありません。

まずは段階を踏みましょう。

中学生以上が注目する点



中学生以上が俳句を作る場合は小学生よりも注目する点を少し変えます。

夏休みの思い出や体験自体はあまり変わらなくても、それを少し違った見方をすることで見違える句になります。

◆思い出や出来事の一瞬をとらえる

ふと見た風景の一瞬を捕らえて表現します。

俳句は気持ちを風景や物を使って表しますから、写真をとる気持ちで風景をとらえます。

例としては

夕立の雲の切れ目や鬼瓦

駆け足で坂を登れば天の川


最初の句は家路の途中に夕立にあって晴れ間がのぞき始めているのでしょうか。

次の句は何か夜店に行く約束に急いでいるときに見た空の光景でしょうか、何か楽しみにしている気持ちが伝わります。

音の一瞬をとらえた有名な句が松尾芭蕉の


古池やかわず飛びこむ水の音


があります。

カエルが跳びこんだほんの一瞬を詠んでいます。

◆比喩と擬人化を工夫する

「~のようだ」「まるで~」のような表現はしない代わりに自分の気持ちを物などを使って表します。

例えば夏休みに初デートをしてドキドキしたり、もどかしい気持ちを表すのに

飲み物が「汗をかいている」

ように表現します。

緊張している初々しさも伝わってくる表現です。

◆動詞も一つに絞る

1つの動詞に絞ることで句にまとまりが出ます。

2つ動詞が入っていると、焦点がぼけてかえって気持ちが伝わりにくくなります。

先ほどの

駆け足で坂を登れば天の川

の句では

坂道を駆け上がって、ふと空を見上げると天の川が綺麗だった

というのが元の情景ですが、「駆け上がる」と言う動詞を残しています。

「駆け上がる」「見上げる」どちらを残す方が、伝えたいことが良く伝わるのかを考えて動詞を選びましょう。

◆2つ対極のものが結ばれている

はっきりとした言葉の上だけではなく、思い浮かんだ情景が対照的になっていると視覚的な効果がアップします。

ここでも

駆け足で坂を登れば天の川

を題材に見てみると

駆け足で坂を上っている→近くの風景、あるいは道を見ている、

見上げる→空に天の川が見える、

という近い距離から遠い距離に視点が移り、狭い視界から一気に大きく広がったのが解ります。

これ以外に

風景の明暗

音の大小

視覚から聴覚(風景から音)

などがあるとより、ダイナミックな感じになります。

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◆言葉の因果関係はなくていい

「こうだから、こうなった」、「これが原因で、こうなった」という説明にならないようにします。

ある意味、全く関係ないこと同士が繋がっているのも俳句です。

満天の星や祭りのふえの音

という句では、

星空と笛の音の因果関係はありません。

目に映った情景なのですが、それらは常に因果関係にあるわけではありません。

有名な句では正岡子規の

柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺

もこの例です。


このようなことに留意しながら俳句を作ります。

では採りあげた句を例にとって作る過程を追っていきます。

俳句が作られていく過程を追ってみる



この作り方は一つの例ですが、いきなり俳句が出来上がるのではなく、推敲を重ねて徐々に出来上がっていく過程を見ていきましょう。

俳句は洗礼された言葉を使って最小の言葉で気持ちを表すものですから、推敲と言いう作業が大切になってきます。

①何を詠むのか決める。

夏休みに母方の田舎行ったときに、友だちになった女の子と夏祭りに行く約束をした。

とても楽しみだったけど、約束の日は家を出るのが少し遅れてしまった。

待ち合わせている神社の屋台のところまでは少し距離がある。

駆け足で坂道を登っていくと急に視界が開けて夜空に天の川がきれいに見えた。

時間には何とか間に合った。

その子は鳥居の外で待っていて、一緒にお参りをして夜店を見て回った。

神社のお参りの作法やヨーヨー釣りのやり方などその子はたくさん教えてくれた。

せっかく仲良くなったのにあと数日で帰らなければならないので寂しく思った。


こんな出来事があったとします。

②一番楽しい気持ちを詠もうと決める

・待ち合わせ場所に行くまでのワクワク感と期待

・お祭りに行くのを楽しみにしている気持ち

・一緒に屋台を回っている時の楽しい気持ち

この3つに絞る。

そして、

待ち合わせに向かう気持ちを詠もうと決める。

③最初のトライ

夏祭り坂を駆け出す待ち合わせ

何かストレートすぎる感じがする。

④自分の気持ちに焦点を当てる

楽しみな約束なのに遅れそうな自分、

不安と期待が入り混じる。

でも、行く先には楽しいことが待っている。

⑤風景の変化と気持ちを一致させる

途中まではあまり見通しが良くない道を通るけど、坂の頂上付近は見晴らしがよい。

そこでとてもきれいな天の川を見た。

これを不安から期待へ、かけていく先には楽しいことがある、という気持ちに合わせる。

⑥季語と最後の言葉を決める

最後の5文字と季語を決めます。

この句のゴール地点は開けた展望と楽しさへの期待なので、季語にもなる

天の川に決めます。

⑦俳句を完成させる

駆け足で丘から見えた天の川

場所が天の川を見た地点だけに限られてしまって、いろいろ入り混じった気持ちを表現できていない。

そこで推敲して

駆け足で坂を登れば天の川

とした。


あくまで作り方の一例ですけど、こんな風にして行けば作りやすいのではないかと思います。

中学生くらいになると、有名な俳人の句も学習しますから、視点の変化や擬人法なども積極的に取り入れましょう。

恋愛をテーマにした俳句で使われた擬人法の例だと


見つめ合い汗をかいてるレモネード


というものもあります。

付き合い始めた彼女とデートしたけど、どことなくぎこちなくて落ち着かない気持ちを表しています。

本当は汗をかいているのはレモネードの入ったグラスではなく詠んだ作者ですね。


俳句を作る時には

俳句を作る夏 小学校で使える季語と簡単な作り方
俳句 夏の恋を詠む場合

でも季語や小学生に向けた作り方、はじめてつくるときのコツを紹介していますので参考にしてみてください。

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