理科の自由研究で最も手軽で簡単なのが氷についての実験です。
中学生から小学生まで、実験の幅が広いのですが、
今回は氷の解け方に的を絞っていくつかの方法を紹介します。
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水の凍り方についてはこのブログの記事
中学の自由研究 簡単な氷の実験 解答まで見せます。
で詳しく説明していますので、そちらを覗いてみてください。
今回の実験で使用する氷を作るために参考にもなりますからご一読をお勧めします。
また、怪我をしてからでは遅いので実験は個人の責任において安全を確認の上で行ってください。
氷の自由研究その1
氷に砂糖を溶かした実験
◆準備するもの
・水
・砂糖
・家庭用の製氷用トレイ
・皿
◆実験の手順
①まず、砂糖の入った氷を作ります。
水100グラムに砂糖を10グラム加えた砂糖水、
水100グラムに砂糖を30グラム加えた砂糖水
を用意します。
②氷を作る
氷は製氷用のトレイに入れて水を冷凍して作ります。
溶けやすい大きさ(家庭用の四角い氷の大きさ)に揃えます。
水だけで作った氷、砂糖10グラムの氷、砂糖30グラムの氷
と区別して作ってください。
濃度が濃くなると凍りにくくなるので十分に冷凍してください。
全ての氷が出来たら準備完了です。
◆観察を行う
それぞれの氷を別々の皿に置いて溶け方を観察します。
しっかりと記録しておきましょう。
◆結果を考察する。
水にほかの物質が解けていると凍りにくくなる性質はこのブログの記事
中学の自由研究 簡単な氷の実験 解答まで見せます。
でも触れていますが、
その濃度が濃くなるほど凍りにくくなります。
一方、解ける時には濃度が濃いほど溶けやすくなります。
実験がうまくいけば、溶ける順番は
30グラムの砂糖の氷、10グラムの砂糖の氷、何も入れない氷
となるでしょう。
実際に砂糖30グラムを100グラムの水に溶かすのはけっこう大変なので、もう少し量を減らしても構いません。
この実験では先ほど触れた
他の物質が混ざった水の氷はその物質の濃度が濃いほど溶けやすくなる
ということが観察できるはずです。
では次は溶かす物質を変えてみます。
氷の自由研究その2
今度は水に砂糖と塩を混ぜて溶け方の違いを観察します。
◆準備するもの
先ほどの実験のものに塩が加わるだけです。
◆実験の手順
①砂糖水、塩水を作る
水100グラムに砂糖10グラムを加えた砂糖水
水100グラムに塩10グラムを加えた塩水
を準備します。
②氷を作る
砂糖水、塩水、何も入れていない水をそれぞれを製氷トレイに入れて氷を作ります。
氷が出来たら準備完了です。
◆観察する
前の実験から推測すると一番溶けるのが遅いのは
何も入れていない水で作った氷です。
同じ濃度の水で砂糖と塩で溶け方に差が出るかを観察します。
◆結果を考察する
実験がうまくいけば、
塩水で作った氷、砂糖水で作った氷、何も入っていない氷
の順番で溶けていくでしょう。
このことから、同じ濃度でも水に溶けている物質によっても溶け方に違いが出るとわかります。
今回の実験では砂糖と塩では塩が溶けている方が氷が溶けやすい、という結果が出ます。
同じ物質の濃度の違い、同じ濃度で解けている物質の違い
を実験で明らかにしてレポートをまとめると一つの実験だけでまとめるよりも深みが出ます。
次は少し変わった方法です。
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電子レンジの原理と氷の解け方
今度は氷の溶け方を電子レンジを使って実験します。
これは氷というよりは電子レンジの原理を理解する自由研究でもあります。
◆準備するもの
・電子レンジ
・氷(家庭用冷蔵庫で作れるもので可)
・紙コップ
・霧吹き
・ドライアイス(用意できたら対照実験で使ってみる)
◆実験の方法
①紙コップに氷を入れます。
紙コップ二つに氷を3個ずつ入れて冷凍庫で冷やします。
冷やす時間は15分から20分くらいです。
氷を入れたり取り出したりしたときに氷の表面についた水分が無くなったのを確認したら実験を開始します。
②片方の氷を濡らす
冷蔵庫から片方のコップを出して、霧吹きで水をかけて氷を全体的に濡らします。
③電子レンジに入れる
二つコップを電子レンジに入れて加熱します。
加熱時間は1000Wでおよそ2分が目安です。
ワット数で時間を延ばすか、短縮するか決めてください。
④紙コップを取り出す。
両方の紙コップを取り出して、氷の溶け具合をみます。
◆結果と考察
加熱がしっかり行われていれば、
表面を霧で濡らした氷は溶けた量が多いと思います。
水で濡らしていない氷はあまり溶けていないのではないでしょうか。
この結果は電子レンジがものを温める原理を知ると理解できます。
◆電子レンジと水
電子レンジはマイクロ波というもので水分子を振動させることでものを加熱します。
そしてマイクロ波で振動させることができる分子は極性分子と呼ばれるものです。
極性分子とはプラスとマイナスの電荷に偏りのある分子のこと。
今回取り上げた水を例にとると
水(H2O)の分子は
プラスの電荷をもつ水素原子(H)が2つ、マイナスの電荷をもつ酸素原子(O)が1つでできています。
つまり、水分子ひとつに、プラスとマイナスの電荷の偏りがあるわけです。
マイクロ波は1秒間に24億5千万回もプラスとマイナスが入れ替わりながら空間を進むので、極性分子(電気的に偏りのある分子)はそのたびにプラス側、マイナス側が引き寄せられて、激しく振動します。
これが原因となって熱を発生して調理が可能になるのです。
氷の状態では隣の分子同士がしっかりとつながっているので振動しにくいので熱を発生しずらいので溶けにくいのですが、
表面を水でぬらすと、その水の分子が激しく振動して熱を発生して溶けやすくなります。
表面を濡らした氷の方が早く溶けるのはこのためです。
◆ドライアイスによる対照実験
もし、ドライアイスを手に入れられたら、同じことをドライアイスでも行ってみましょう。
実験方法は同じです。
①紙コップに入れる
紙コップに氷を3つ入れて冷凍庫で冷やします。
氷が冷えて表面の水分が無くなったら、冷凍庫から出します。
もう一つの紙コップにドライアイスを3つ入れます。
②電子レンジに入れる
両方の紙コップを電子レンジに入れます。
同じ時間加熱して、溶け具合をみます。
◆結果と考察
氷の方は先ほどと同じくらい溶けているはずですが、ドライアイスにはほとんど変化が見られないのではないでしょうか。
理由はドライアイスは二酸化炭素から出来ていて、二酸化炭素が極性分子ではないからです。
マイクロ波によって熱が発生しないので溶けたりしないわけです。
自由研究をレポートにまとめる時にはこのブログの記事
夏休みの自由研究 中学校理科のレポートはこう書く!
に効率的なまとめ方を紹介していますので、参考にしてみてください。
最後に電子レンジについての注意点に触れましょう。
電子レンジで気を付けること
中学生以上でしたら、一人で行っても良いかもしれませんが、小学生なら、家の人に必ず傍にいてもらいましょう。
一人で行う場合でも電子レンジを使う際は次のことに気を付けましょう。
・金属を一緒に入れない
金属にマイクロ波が当たると強いエネルギーで電子が飛び出して稲妻に似た光が走り危険です。
これにによって電子レンジ自体が破損することもあります。
身近にあるキッチン用品ではアルミホイルが危険です。
調理の時にありがちな見逃しですが、危険なので避けましょう。
・液体の温めすぎに注意
液体といっても流動性の高いものはあまり心配ありません。
あんかけやとろみの強い物は対流しずらく、100℃近くまで熱すると突然沸騰して爆発することがあります。
調理するときには温め過ぎに注意します。
他の実験でも電子レンジを使用するときには気を付けてください。
今回の氷の溶け方を調べる実験では
他のものを混ぜた場合の溶け方を観察する
混ぜたものの濃度の違いによる溶け方の違いを観察する、
水の分子の性質と電子レンジの作用を調べる、
ということを紹介しました。
どれも凍った水の性質を調べるには有効なもので、1日あれば十分間に合います。
氷をテーマにした理科の自由研究をするときに参考にしてください。
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2017-05-14 18:15
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