中学生の理科では水圧について習うと思いますが、
自由研究にこの水圧を採りあげる場合は実験からどんな結果が導かれるかというよりは、
習った知識の再確認という感じになるでしょう。
実際にその通りになるのか、それとも違った結果がでるのか、夏休みの自由研究で試してまとめるのも面白いと思います。
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そこで今回は水圧の知識の再確認とともに、比較的手軽な実験方法を採りあげてみます。
水圧の復習
まず水圧についてのおさらいです。
水圧とは水による圧力のことを指します。
その性質は
・深いところほど水圧が大きい
・同じ深さではどの方向からも同じ水圧がかかる
・水槽の形や大きさは水圧とは無関係
番外編として浮力についても説明します。
◆浮力(水圧による)の秘密
浮力は
物体の上側の水圧と下側の水圧の差によって生まれます。
水に沈むものでも、空気中よりは水中の方が軽く持ち上げられます。
夏休みに友達とプールに行って遊んでいるとき、友だちを持ち上げたりしたことはありませんか。
水中の方が体が簡単に持ち上がってしまったはずです。
物体が水中にあるとき、あらゆる方向から水圧がかかります。
そして水深が違うため、上の面にかかる水圧と下の面にかかる水圧では大きさが異なります。
水圧は深さに比例するわけで、下側からかかる水圧の方が上側よりも大きくなります。
ここで差が生じるため、下側からの力が物体を上に押し上げ、圧のかからない空気中よりも軽くなるのです。
浮力については別の機会にもっと詳しく取り上げます。
今回は深さによる水圧の違いの実験と圧のかかる角度を確認する実験を追っていきましょう。
深さによる水圧の違いを確かめる
深さによって水圧がどのくらい違うのかを確かめる実験です。
知識として持っていても、この実験を行うことで実際に出た数値を結果としてまとめることで定着できます。
自由研究で行うにも手軽です。
◆準備するもの
・2リットルのペットボトル
・キリ、またはドリル
・定規
・ガムテープまたはマスキングテープ
・箱(水にぬれても変形せず、ペットボトルの重さに耐えられる物)10四方程度
・長方形の容器(水を受けるもの)
・ビニールシート(室内で実験を行う場合)
これらを用意して装置を組み立てます。
◆実験装置の組み立て
①ペットボトルの側面に穴をあける
底から9㎝、15㎝、21㎝の位置に切りで穴をあけます。
あまり大きくならないように、極端に大きさが違わないようにします。
穴をあけて表面のバリを取ったらガムテープか、マスキングテープを貼って塞ぎます。
②水を入れる
ペットボトルに一杯に水を入れます。
そして、用意した箱の上に置きます。
箱の前には容器を置いて穴から出る水を受けます。
容器の長辺の長さは40センチくらいあれば十分です。
このとき、必要に応じてビニールシートを敷くなどして濡れ対策を行ってください。
最後に定規を台にしている箱の端に合わせて容器に立てかけます。
これで準備が整いました。
では実験に移ります。
◆実験を行う
ガムテープを順番にはがします。
上から順番にはがして、最初に水が届いた距離を測ります。
記録するときに気を付けてほしいのは穴の高さです。
それぞれの穴の高さは
台にしてある箱の高さ+ペットボトルの底からの穴の位置
です。
一番下側の穴が9センチのところに空いていて、台にしてる箱が10㎝なら19㎝になります。
穴の高さと水が飛んだ距離を記録します。
◆対照実験
水圧が容器の形や深さには関係ないことを証明するために
2リットルのペットボトルと同じ高さのものを用意して同じ大きさの穴をあけて実験してみます。
例えば醤油やサラダ油の徳用の容器が用意できればやってみましょう。
穴の高さももちろん同じにします。
この結果も併せて記録して、比較してみると自由研究がより充実すると思います。
◆結果と考察
一番上の穴から出る水が距離が短く、真ん中と一番下側の水はそれほど距離の差がないかもしれません。
このあたりは個々の実験結果で違ってくるでしょう。
深さによる圧力の違いはこれで実証されます。
次は圧力がどのようにかかるかを確かめます。
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圧力のかかり方を確かめる実験
水中に装置を沈めて水圧のかかり方を見ます。
良くテストの問題にも出る画像ですが、確かめるためには装置を作る必要があります。
この実験で一番手間のかかるところです。
もし、近くでそろわなければ無理に自由研究で行う必要はないかもしれません。
◆準備するもの
・プラスティックの筒
・薄いゴム
・ゴムチューブ
・ピンドリル
・多目的ボンド
・Oリング
・輪ゴム
簡易水圧実験器という名称でこの実験用に売っています(4,000円前後)が、東急ハンズなどで材料が手に入る時には作って実験してみましょう。
作るときにそろえる材料の目安を書きます。
プラスティックの筒は直径が50ミリくらいで幅は70ミリ前後のアクリル製が適しています。
アクリルは硬いのでピンドリルを使って穴をあけます。
側面に貼る薄いゴム膜には0.07ミリくらいの薄さで、90ミリ四方くらいのもの。
Oリングはあけた穴にぴったりと入るもので、空気を逃がすゴムチューブやプラスティック管を差し込めるもの。
リングと穴、チューブの差し込み口には多目的ボンドを塗って水の侵入を防ぎます。
これを組み立てて水中に沈めて実験します。
◆実験を行う
ある程度深さのある水槽があればそれに沈めます。
お風呂に水を満たして行ってもよいですが、上方向からしか観察できないのでちょっと不満ですね。
沈める深さ、筒の角度を色々変えてゴムの凹み方を観察します。
深さによって凹み方は下の画像のようになるでしょう。
空気抜きのノズルはきちんと空中に出して水が入らないようにします(画像ではもぐってしまっていますが)。
今度は筒の角度を色々と傾けてみます。
ここでは同じ凹み方になっていますが、浅いところでは凹みが小さく、深くなるほどに大きくなります。
筒を縦にした場合は上側の凹みが小さく、下側の凹みが大きくなるはずです。
注目してみる部分はどの深さ、どの角度でも面に対して垂直に圧力が加わっているところです。
ゴムがゆがんだ方向に凹んだりしていないのを確認しましょう。
これを観察すれば筒の角度がどうなっていても面に対して常に垂直に力がかかることが確認できたとおもいます。
補足ですが、下の画像を見てもらうと
水深が同じならば水圧は同じなので、
水圧はA=B=C、D=E=F
となります。
筒の向きや角度は関係ありません。
はじめに取り上げたペットボトルの実験は身の回りのもので行えるので特にお勧めです。
その際はより結果を鮮明にするために対照実験を行ってレポートをまとめましょう。
理科のレポートについてはこのブログの記事
夏休みの自由研究 中学校理科のレポートはこう書く!
で紹介していますので参考にしてみてください。
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2017-05-12 15:44
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