暑さを感じる季節になると、蚊や蜂などの虫が出始めます。
保育園、小学校などで出す保健だよりにも
虫刺されに対する注意と刺されてしまった時の対処法を掲載します。
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今回は虫刺されについて保健だよりに載せる時のポイントをまとめました。
基本となる知識とそこから何をどのように伝えるべきかを考えていきましょう。
刺す虫の種類
刺された時の対処法
虫刺されの予防
蚊の発生を抑える方法
保健だよりにするときのポイント
文例
に分けて進めていきます。
刺す虫の種類
まず、家や園、学校で虫刺されの原因になる虫の種類です。
仮に刺されたとしても大したことのないものから、医師の診断を要するものまであります。
また、症状によっても対処が変わってきます。
◆蚊
夏になると身の回りにたくさん現れます。
主に都会に生息するのは
ヒトスジシマカ:一般には「やぶ蚊」として知られています。
アカイエカ:夜、人を刺すか蚊として知られています。
チカイエカ:低温に強く、冬でも活動します。
また、人を刺すのはメスだけで、産卵のために吸血活動を行います。
◆アブ
外のレジャーなどではよく見かけます。
鋭い口器で皮膚を切り裂き、流れ出る血液を吸います。
この時は激しい痛みを伴います。
また、発熱することもあります。
アブも蚊と同様に産卵のためにメスだけ吸血します。
◆ブヨ
見た目はコバエのような姿をしています。
幼虫はきれいな川を好むので、水質の良い環境で多く生息しています。
ブヨもメスだけが吸血します。その方法はアブと同じように皮膚を嚙み切りますが、事前に麻酔成分を塗るため痛みはそれほど起きないようです。
ただ、吸血後は激しいかゆみ、痛み、腫れを引き起こします。
◆蜂
ハチは一目でそれと分かる昆虫です。
刺されると激しい痛みを伴います。
特に一度刺されたことのある人は、アナフィラキシーショックを起こし、
息苦しくなる、気分が悪くなる、嘔吐、けいれんなどの症状が出ることがあります。
この場合にはすぐに救急車を呼びます。
◆毛虫
ガの幼虫で様々な種類があります。
すべの毛虫に毒があるわけではなく、特に注意するのは
チャドクガに代表される
ドクガ類と
イラガ類です。
木陰などで涼をとるときにも注意しましょう。
◆ムカデ
5月から6月が繁殖期で刺される人が増えます。
刺されると、
激しい痛みとかゆみ、腫れ、頭痛、めまい、吐き気、発熱
を伴うこともあります。
身の回りで注意するのは以上のような生き物です。
これらの虫については必ず保健だよりで注意喚起しましょう。
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刺された時の対処方法
では、もし刺されてしまった場合にはどんな対処をすればよいのかを確認して行きましょう。
◆蚊に刺された場合
通常蚊に刺された場合には自然に症状は軽くなりますが、痒くてもかかないようにしましょう。
かいてしまうと、ばい菌が入ったり、赤く腫れたり、熱を持ったりします。
その際には、
①刺されたところを冷やす
②虫刺されの薬を塗る
などの処置をします。
もし、お子様の場合に水ぶくれが出来たり、広範囲にわたって刺された場合には早めに皮膚科を受診するのが無難です。
◆アブに刺された場合
アブに刺された場合は痛みを伴います。
基本は患部をかいたりこすったりしないようにします。
虫刺されすべてに共通しますが、次の様な処置をして下さい。
①水で洗い流す
②冷やす
こうすることでかゆみや腫れを多少抑えることができます。
次に
③ステロイド系の塗り薬(液体ムヒS2Aなど)か抗ヒスタミン系(ムヒSなど)の塗り薬を塗ります。
ここにあげた塗り薬は炎症とかゆみを抑える成分が含まれています。
素人判断で用いるよりは、皮膚科を受診して出してもらった処方箋の薬を塗るようにします。
応急処置はここまでですが、いつまでも腫れが引かなかったり、化膿してくるような状態が続くのであれば病院で受診しましょう。
◆ブヨに刺された場合
ブヨは太陽が苦手で朝夕や薄暗い場所で刺されることが多いでしょう。
まず、かかないことが大切です。
①かゆみ止めを塗る
②絆創膏を貼る
のが応急処置です。
特に子供の場合には絆創膏でひっかくことを防止するのが効果的です。
また、ブヨの場合には傷口を43℃以上のお湯のシャワーを掛けることである程度毒素を中和できるとされています。
塗り薬はステロイド系のものが有効とされていますが、皮膚科等で診断を受けて処方箋をもらったものを使用する方が安全です。
傷口の治りな遅く、2週間から1か月くらいかかることもあります。
◆蜂に刺された場合
特にスズメバチなど大きな蜂に刺された場合は受診することが原則です。
また、以前に刺された経験がある場合には
アナフィラキシーショックを起こすこともあります。
息苦しさ、気分が悪くなる、嘔吐、けいれんなどの症状が見られたらすぐに救急車を呼びましょう。
参考までに応急処置のやり方を紹介しておきます。
①とげぬきなどで残っている針を抜く
②患部を流水でよく洗う
③虫刺され用の軟膏などを塗る
④腫れているようなら冷たいタオル、保冷パックで冷やす
◆毛虫に刺された場合
毛虫に刺された場合はすぐに皮膚炎として症状が出る場合と数時間経ってから症状が出る場合があります。
イラガ類に刺された場合には特別に何もしなくても症状は数日で消えます。
もし改善しない場合には医師の診断を受けてください。
ドクガ類に刺された場合には次のようにしてください。
①粘着力のあるテープで患部を軽く抑える
②患部を水で洗い流す
また、毛虫に刺されたような皮膚の炎症が現れ、原因がはっきりしない場合はすぐに皮膚科を受診しましょう。
◆ムカデに刺された場合
ムカデに刺された時の対処法は少し難しいので、医師の診察を受けるのが一番の方法です。
ムカデの毒は42℃以上の熱に弱く、42℃のお湯をかけ続けると弱まるとも言われています。
一方で刺されてから時間が経過すると温めることが毒を拡げることになり、逆効果になるとも言われます。
判断は素人では難しいので、
棘などが刺さったままの場合は引き抜き、
患部をあまり触らないようにして、
早めに
医師の診察を受けるようにするのが確実です。
特に痛みなどの症状は子どもの方が大人よりも強く出ることが多いと言われます。
虫刺されを予防する方法
虫刺されの応急処置の方法を紹介しましたが、
刺される目に予防しておくことも大切です。
◆虫に刺されにくくするために
①肌の露出を極力避ける
長袖、長ズボン、首にタオルを巻く、など
②薄い色、明るい色の服を着る
蜂などは黒い色、濃い色に近寄ると言われているので、逆の色を選ぶのが効果的と言われます。
蚊も白い色を嫌う傾向があるようです。
③虫よけスプレーの使用
虫よけスプレーや蚊取り線香で虫を近づけないことも効果的です。
特に蚊は汗のにおいに近寄る性質があるので、汗のにおいを抑えるものも効果があります。
蜂や毛虫などは発生を抑えたり駆除するには専門の業者の方にお願いするしかありませんが、
蚊は身の回りに注意するとある程度発生数を押さえられるので、
学校や幼稚園、保育園で次の様な発生源があるようなら片づけておきましょう。
蚊の発生を予防する方法
蚊の発生源は身近にたくさんあります。
普段から目にしているものなのでかえって見落としがちになっています。
◆蚊の発生を最小限にする予防法
蚊の発生源は水たまりです。
池のような大きなところではなくても、防水シートのたるみに溜まった水でも数日間蒸発しなければ発生源となります。
蚊の幼虫はいわゆる、ボウフラと呼ばれますが、卵を産み付けられてから、1日から2日で孵化し、6日から7日で蛹になり、2日後には成虫に羽化します。
と言うことで、10日もあれば蚊は発生します。
蚊が卵を産み付けるのは
外の水のたまった容器、捨てられた空き缶、空き瓶、子供の遊具、植木鉢の受け皿、ジョウロ、雨よけシートの窪み、古タイヤ、詰まった雨どい、竹の切り株
等です。
このようなものが外にあると雨が降り、水が溜まります。
放置されているものは雨水がたまったままになりますから、そこに卵が産み付けられます。
こうしたものは出来るだけ片付けて外に置かないのが蚊の発生を抑えることになります。
竹の切り株には切れ込みを入れて水がたまらないようにし、子供の遊具は屋内にしまうか、シートをかけて保管します。
しかし、水が取り除けない場所もあります。
池、防火用水、排水溝、公園
などです。
こういった場所は市区町村などの自治体が管理していることが多いので、
防火用水など生き物のいない場所では昆虫成長制御剤を定期的に入れる、
池などにはボウフラを餌にする鯉、金魚、メダカなどを放すなどの対策を行っていることが多いでしょう。
こうすることで蚊の発生数を押さえることができます。
もし、校内、園内に似たような場所がある時には対策をとることで効果を得られるでしょう。
保健だよりにするときのポイント
これまで、刺す虫の種類、それぞれについての応急処置などに触れてきましたが、
これらすべてを保健だよりに掲載することは紙面の関係上不可能でしょう。
また、読む保護者の方々の印象にも残りにくいでしょう。
そこで次の点に絞って簡潔に伝えるようにします。
◆保健だよりに掲載する内容
①予防法
②虫に刺されたら、またはそのような症状になったら
③応急処置の方法
刺された時の処置については症状がひどい時には医師の診察を受けることを前提に伝えるようにします。
では例を見てみましょう。
虫刺されについての保健だよりの文例
保育園の保健だよりに掲載する一例です。
例
毎年この時期になると虫に刺される園児が増えてきます。
ご家庭でもお子様が虫に刺された時には適切に対処し、症状が悪化する前に皮膚科等の受診をお願いします。
1,もし虫に刺されたら
蚊に刺された場合はお子様が患部をかかないように絆創膏を貼るなどして様子を見てください。
もしかいてしまって傷になってしまったら、水で洗ってばい菌が入らないように塗り薬をつけます。
症状が改善しないときには皮膚科を受診してください。
もし、ハチ、アブ、ブヨ、毛虫に刺された時には刺された部分を流水で洗い、清潔にして早めに受診してください。
特にハチに2回以上刺された場合にはアナフィラキシーショックを起こすことがあります。
息苦しさ、けいれん、嘔吐、気分が悪くなる、などの症状が見られたらためらわず、救急車を呼んでください。
2,虫刺されの予防
屋外での活動時には白っぽい長袖の服や明るい色の服を着ることである程度の予防効果があります。
首筋はバンダナやタオルを巻いて、虫よけスプレーなどを適宜使うと効果的です。
キャンプ場や川辺などにお出かけの際には十分ご注意ください。
3,園の取り組み
ちょっとした水たまりでも蚊は卵を産み付け、発生源となります。
登園では植木鉢、じょうろ、遊具などはすべてシートをかける、収納するを徹底して行い、水がたまる箇所を無くしています。
○○区とも協力し、防火用水、排水溝などに昆虫成長制御剤の使用をお願いしています。
初夏から夏にかけての保健だよりを書く際の参考にしてください。
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