ハロウィンと言えば真っ先に思い浮かべるのがジャック・オ・ランタンです。
子どもにもわかりやすいお話としても面白いですが、
幼稚園や保育園で劇にしてみるとより印象に残るでしょう。
今回は元になったジャックという男のお話を台本に起こしてみました。
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年齢によって台詞なども変えて楽しんでください。
もともとのお話
ジャック・オ・ランタンのお話を簡単にまとめると、このようなものです。
ジャックというずる賢く、乱暴でうそつき、悪いことばかりしている男がいました。
あるハロウィンの夜、悪魔が酒場で飲んでいるジャックの魂を奪いに来ます。
ところが、ジャックは最後の酒になるからと悪魔にコインに変身して奢ってくれと頼み、悪魔はコインに変身してしまいます。
ジャックはすかさず、銀の十字架を置いて、財布の中に入れてしまい、悪魔に今後十年間は魂をとらない、という約束をさせます。
そして、約束の10年後、再び悪魔がジャックの魂を奪いに来ます。
ジャックは最後にリンゴを食べたいと言って、目の前にあるリンゴの実を悪魔に取ってくれ、とお願いします。
悪魔は木に登りますが、ジャックは木に十字架を刻んで悪魔を降りられなくしてしまいます。
困った悪魔は、今後一切お前の魂は取らない、と約束させられてしまいます。
やがて、悪行三昧を尽くしたジャックにも寿命が来て、神様のもとへ召されます。
そこで、生前の行いでジャックは天国に行けず、地獄へ行こうとしますが、悪魔との約束で魂は地獄にも行けず、永遠にあの世でもこの世でもない暗闇をさ迷い歩くことになります。
最後の情けで悪魔に与えられた地獄の火をカブをくりぬいて入れて、持ち歩いているのがジャック・オ・ランタンと呼ばれるようになります。
これが簡単なあらすじです。
では台詞も考えて台本にしてみましょう。
ジャック・オ・ランタンの物語
保育園の年長さんくらいの子どもを想定しました。
◆ジャックという男の物語
ナレーター:
今日はハロウィンです。みんな飾りつけは終わりましたか?
お化けに変装する衣装は用意しましたか?
そうそう、かぼちゃのランタンも用意しましたね。
このカボチャのランタン、なんていう名前か知っていますか?(みんなに聞いてみる)
これはね、ジャック・オ・ランタンって言うんだよ。
ジャックっている男の人の名前がついているんだよ。
これからね、なんでかぼちゃのランタンがジャックオーランタンって呼ばれるようになったかをお話しますよ。
では、始まり始まり~。
シーン1、酒場、ジャックとバーテンダー、ほかのお客登場。座って酒を飲んでいる。
ナレーター:
むかしむかし、ジャックという名前の乱暴者でうそつきでケチな男がいました。ジャックはお酒がだいすきで、今日、ハロウィンの夜も酒場でずっとお酒を飲んでいました。
バーテンダー:
おい、ジャック、もうやめときな、それにお前金持ってんのかい。
ジャック:
うるさい!もっと酒持ってこい。金ならあるんだ。
バーテンダー:
ちぇっ!仕方ねぇな。
ナレーター:
ジャックはもう相当酔っぱらっていました。それに本当はお金を持っていないんです。隙を見て逃げるつもりなんですよ。
(悪魔登場)ジャックの隣の席に座る。
悪魔:
こんばんは、ジャック
ジャック:
なんだお前、人違いだろ。俺はお前なんか知らない。(顔を上げて悪魔の方を向きながら)
悪魔:
いいえ、あなたを迎えに来ました。
ジャック:
おい、(バーテンダーを呼び、)こいつ外へ連れてってくれ(隣の悪魔を指さして)
バーテンダー:
おい、酔っぱらうのもいい加減にしな。誰もいやしねぇじゃないか。
ナレーター:
どうやら悪魔はジャックにだけ見えているようですね。
悪魔:
私は悪魔、地獄から来たのです。おわかりですね。ジャック、あなたはたくさん人をだましたし、盗みもやった。乱暴で人にけがをさせたこともありますね。今日はね、あなたの魂をもらいに来たのです。
今夜ハロウィンの夜はあの世とこの世をつなぐ門が開くんですよ。それであなたの魂を貰いに来たのです。
ジャック:
(少し考えこんで)わかったよ。なら、この酒が人生最後の酒になる。なぁ、最後の酒をおごってくれよ。
悪魔:
わかりました。(悪魔は財布を取り出そうとする)
ジャック:
いや、あんたが本当に悪魔なら、にコインに化けることくらいできるだろう、やって見せてくれよ。
(悪魔は酒代のためのコインに化ける。悪魔退出、テーブルの上に大きなコインを置く)
ジャック:
へへ、うまくいった。(十字架をコインの上に置く)
ナレーター:
ジャックはコインに化けた悪魔の上に銀の十字架をおいて、一緒に財布にしまってしまいました。
ジャック:
これでどうだい、お前は一生このままだ。
悪魔:
(声だけ)しまった、動けない!(しばらく考えて)なら、こうしよう、あと10年待ってやる。10年はお前の魂は取らない。
ジャック:
本当か?約束だぞ。
(コインをかたずけ、悪魔再登場)
ナレーター:
こう言って悪魔はようやく解放されました。悪魔をだまして命を伸ばすなんて、ジャックは相当ずるがしこいですね。
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シーン2、10年後のハロウィンの夜、ジャックは酔っぱらって酒の瓶を片手に持って、夜道を歩いている。
ナレーター:
悪魔との約束からちょうど10年後のハロウィン、今日がその約束の日です。
ジャック:
今日の酒もうまかった~
(そこへ悪魔登場)
悪魔:
久しぶりだな、ジャック。約束通り魂を貰いに来た。
ジャック:
(そうか、そういえばそんな約束したっけかな)いや、今日だったかな?忘れていたんだ。もう少し伸ばせないかな?
悪魔:
約束は守ってもらう。
ジャック:
い、いきなりは困るな、あと1日か2日くらいさ。色々とあるしさ。
悪魔:
ダメだ。魂を貰うぞ。(そう言ってジャックに歩み寄る)
ジャック:
(諦め顔で)分かったよ。約束だ。でも、最後にリンゴが食べたいんだ。子供のころから好きでさ。ちょうどあの木になっているから、とってきてくれないか。
ナレーター:
そういってジャックは道端にあるリンゴの木を指さしました。
悪魔:
分かった。最後の願いだ。叶えてやろう。
ナレーター:
そう言って悪魔はリンゴの木に登り始め、リンゴに手を伸ばしたその時、ジャックは素早くナイフで木の幹に十字架を刻みました。
ジャック:
へへ、どうだい。降りてこれないだろう。
悪魔:
しまった。早くその十字架を消せ。
ジャック:
いやだね。消してほしければ、もう二度と俺の魂をとらないと約束するかい?
悪魔:
むむ、仕方ない。約束しよう。だから早くその十字架を消すんだ。
ジャック:
助かったぜ。(木の幹に刻んだ十字架を消す。実際の劇では紙を貼りつけ、取る)
悪魔:
(木から降りてきて)お前はほんとうにずるがしこい奴だ。そんな奴にも私は一度した約束を破ったりしない。いいか、もう一度言うぞ、お前の魂は二度と取らない。後悔しないか?
ジャック:
後悔なんてするわけないさ。
悪魔:
分かった。好きにするがいい。(悪魔退場)
ジャック:
(鼻歌交じりで酔っぱらいながら歩いて退場)悪魔なんて大したことないさ。
ナレーター:
こうしてジャックはまたもや悪魔をだまして命を伸ばしました。
シーン3 神様の審判の席
ナレーター:
うそつきで乱暴者でケチなジャックですが、その後も悪いことをたくさんしたり、人に迷惑をたくさんかけて着ました。そんな彼にもとうとう死ぬ日がやってきました。
人は死ぬと魂がからだから抜け出して、神様の前に行きます。そこで神様の審判を受けるのです。
(神様は一段高い机に座り、ジャックは跪づいている)
神様:
ジャックよ、お前は人のものを盗んだり、人をだましたり、酒を飲みすぎて人を困らせたりしてきたな。人との約束も破った。
よって、天国に入れることは出来ない。ここを立ち去れ。
ジャック:
仕方ねぇ、じゃ、地獄で我慢してやるよ。(歩いて退場)
シーン4 地獄の門の前
ナレーター:
仕方なくジャックは地獄の門のところまで来ました。すると地獄の門の前であの悪魔が待っていました。
悪魔:
久しぶりだな、ジャック。
ジャック:
そうだな、天国入るのを断られた。地獄に入れていくれ。
悪魔:
お前は地獄には入れない。地獄に入れるのは悪魔に魂をとられたものだけだ。
ジャック:
なら、魂をとってくれ。
悪魔:
忘れたか、私はお前に「二度と魂は取らない」と約束した。お前も承知したはずだ。
ジャック:
それはそうだが、死んだ者は天国か地獄のどちらかに行くことになっているだろ。
悪魔:
私は約束は破らない。お前は天国にも地獄にも行くことはできないのだ。
ジャック:
そんな、俺はどうなるんだ?
悪魔:
死んだ肉体にも戻れず、天国にも地獄にも行けず、お前は永遠にあの世でもないこの世でもない闇をさまようことになる。
ジャック:
どういうことだ?
悪魔:
何も見えない闇の中でお前の魂は永遠にさ迷うのだ。
ジャック:
…(絶望して言葉を失う)永遠に真っ暗闇なんていやだ。何とかしてくれ。
悪魔:
お前ごときの頼みなど聞きたくないが、もう二度と会うこともない。これをお前にやろう、(火を渡す)これを持ってさっさと立ち去れ。絶望の中をさまようがいい。(悪魔退場)
ナレーター:
ジャックは足元にあったかぶをくり抜いて火をその中に入れて、歩きはじめました。
悪魔までだましたジャックの魂は行く宛てもなく、あの世でもない、この世でもない闇を今もさ迷っているのです。
ハロウィンの時に飾るかぼちゃのランタンはジャックの作ったランタンを真似ているんだよ。
大きなかぶが取れないところではかぼちゃが使われたんだ。
今日もジャックの魂は皆の回りをさまよっているかもしれないですよ。
終わり
先生達が衣装を着て子どもたちの前で見せると、お話するよりもジャックオ・ランタンのことが強く印象に残るでしょう。
紙芝居にしても面白いでしょう。
ハロウィンのお楽しみの参考にしてください。
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