暑さも一段落して、秋の気配が濃くなる9月の下旬ごろ。
時候の挨拶にも季節の変化を感じさせる季語が使われます。
今回は9月の下旬を中心に時候の挨拶の表現をまとめています。
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1、
時候の挨拶の基本
2、
9月の季語と季節を表す言葉
3、
ビジネス文書の場合の表現
4、
プライベート文書の場合の表現
5、
イベントなどでの挨拶表現
6、
時候の挨拶の結び
に分けて紹介します。
まずは基本からおさらいしてみます。
時候の挨拶の基本
時候の挨拶はどの文書でも冒頭の部分に書かれます。
基本となる形は
季語+「~の候」「~のみぎり」「~の折り」+相手を気づかう言葉
季節を表す表現+相手を気づかう言葉
です。
上は改まった形式のもので、ビジネス文書や恩師などに送る手紙に使われることが多いです。
下はくだけた表現が多く用いられ、友人知人間でのやりとりやプライベート文書でつかわれます。
9月の下旬はその時期にふさわしい季語や季節の言葉を選びますが、
改まった文書に使うものには使える時期が決まったものが在ります。
では、下旬の季語を見てみましょう。
9月下旬の季語と季節を表す言葉
9月の下旬は二十四節気の一つ
秋分の時期に重なります。
この時期には暑さもおさまり、秋の気配が色濃くなります。
改まった文書でよく使われる季語には
秋冷:肌寒さを覚える季節
秋分:仲秋の終わりごろを指す
秋晴:秋晴れの心地よい季節
等がよく使われます。
例
秋冷の候 秋冷のみぎり 秋冷の折り
秋分の候 秋分のみぎり 秋分の折り
秋晴の候 秋晴のみぎり 秋晴の折り
また、くだけた表現の文書ではこの時期の生き物や植物、行事などを入れて時候の挨拶とします。
植物
コスモス 彼岸花 りんどう 萩 くず 撫子 藤袴 桔梗 女郎花 ワレモコウ 稲穂 など
動物
コオロギ 鈴虫 クツワムシ 赤とんぼ 松虫 雁 など
行事や風習
十五夜 お月見 敬老の日 お墓参り 台風 菊の節句 新学期 お彼岸 秋の長雨 秋雨前線 など
例
暑さ寒さも彼岸までと申しますが、
実りの秋、稲穂が次第にこうべを垂れてきました。
日増しに秋の深まりを感じる今日この頃、
では、それぞれの事項の挨拶の例文を見てみましょう。
ビジネス文書の場合の表現
◆ビジネス文書で使われる例
ビジネス文書の場合には会社でほぼ決まった形のものに時候の挨拶の部分だけ当てはめるものがほとんどです。
9月下旬の季語では特に「
秋晴」がお勧めで、晴れ渡ったポジティブなイメージを連想させます。
例
秋晴の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
秋分の候、皆様益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
秋冷の候、貴社におかれましてはますますご健勝の段、お喜び申し上げます。
など。
また、実務上のやり取りの文書では時候の挨拶を省略することもよくあります。
例
貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は過分のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
など
個人間の手紙などはよく結びの部分にも季節を表す表現を入れた挨拶を入れますが、
ビジネス文書では個人宛てのものや親しい関係以外は省略されることがほとんどです。
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プライベート文書の場合の表現
プライベートな文書の場合は季語を使う時期の縛りが無いので、
その年の季節感をそのまま表現します。
◆プライベート文書でつかわれる例
秋冷の候、○○様におかれましてはますますご壮健のことと存じます。
秋晴の候、ますますご活躍の事とお慶び申し上げます。
これらはあまり親しい間柄ではなかったり、目上の方によく使われます。
暑さ寒さも彼岸までと申しますが、今年は例年になく秋の訪れが早いようです。
秋雨の季節、涼しい日が続いていますが、お変わりありませんか。
稲穂が次第にこうべを垂れ、実りの秋本番です。
秋分を過ぎ、秋の気配が一層深まったように感じます。
風に揺れるコスモスが美しい季節となりました。お変わりなくお過ごしのことと存じます。
朝も肌寒さを感じる季節となりました。皆様お変わりありませんか。
さわやかな過ごしやすい季節になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
虫の声が涼しげに聞こえる秋の夜長、いかがお過ごしでしょうか。
こちらでは畔見みちに彼岸花が咲き始めました。そちらいかがでしょうか。
いつの間にか赤とんぼが飛び始め、日の入りも少し早まったように感じます。
など。
イベントなどでの挨拶表現
自治会での挨拶や運動会などで挨拶するときにも季節感を盛り込むことがあります。
◆挨拶などでつかわれる例
本日はご多忙の中、お集まりいただきありがとうございます。澄み渡った空に赤とんぼをちらほら見かけるようになりました。
本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。秋分の日を過ぎて夜もだいぶ過ごしやすくなってきました。
など
イベントのテーマに合った表現を選んで挨拶の冒頭に盛り込みます。
時候の挨拶の結び
プライベート文書や手紙の最後には必ずと結びの部分にも時候の挨拶を入れます。
季節を表す言葉+相手を気づかう言葉
という表現を使います。
この結びの部分で手紙の印象がガラッと変わります。
◆結びの例
秋の長雨の折り、くれぐれもご自愛ください。
長雨の季節、風邪など召されませんようお体お気お付けください。
季節の変わり目、健康にご留意され、ますますのご活躍をお祈りいたします。
残暑厳しき折、くれぐれもご自愛ください。
お元気で実りの秋を満喫されますようお祈り申し上げます。
朝夕は涼しくなりました。お体にお気をつけてお過ごしください。
夏の疲れが出やすいこの時期、健康にはくれぐれもご留意ください。
時節柄、何卒お体おいといください。
秋風が心地よいこの時期、皆様お健やかにお過ごしください。
冒頭では季語や季節感に重点を置きましたが、
結びでは相手を気づかう言葉に重点を置いて考えます。
特にプライベートな文書では読んだ相手が温かい気持ちになるような表現をして下さい。
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