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自由研究 空の色の理由を確かめる実験

当たり前のように見ていた空の色、

なぜ青くて、夕方には赤く染まるのか?

実はこれも自由研究のテーマとして実験することができます。

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多くの自由研究がそうであるように、この空の色についても

まず、なぜ空の色が青いのか理由を調べる
次に、どうやったらそれを再現できるかを考える
そして、実験を行って結果を考察する

というプロセスで進めていきます。

小学校から高校生まで広い学年に当てはまるのですが、

今回は主に中学生くらいまでを対象にしてみたいと思います。

ではまず、空の色の理由から調べてみましょう。

空はなぜ青いのか



ネットの検索でもそのまま調べれば凡その答えが出てきますが、

キーワードになる言葉は

レイリー散乱

です。

少し前は空の色は空気中のちりなどに光が反射していることが原因であると言われていました。

でも、実際は特別高い山で見る空は地上で見る空よりも青が濃くなっています。

地上よりも空気が澄んでいて、ちりなどが空気中に少なければ光の反射が少なくので色が濃くなると言うのは矛盾しています。

そこで、現在は空の色は空気の分子などに光がぶつかって起きる現象の結果というのが最も有力な説になっています。

それがレイリー散乱と呼ばれる現象です。

◆レイリー散乱とは

光は

紫 藍(濃い青) 青 緑 黄 橙 赤

の色が合わさって透明なものになっています。

太陽から放たれた光は地球の大気圏に入ると

酸素分子、窒素分子などの空気の主成分、塵、水蒸気などの微粒子が浮遊している中を通って地上に達します。

このときに波長が太陽光よりもずっと小さい微粒子に当たると色が散乱していきます。



光が微粒子にぶつかって散乱するときには波長の短い色から散乱します。

各色の波長は

紫 藍(濃い青) 青 緑 黄 橙 赤

の順番に長くなります。

つまり、一番波長の短い色が紫、一番長い色が赤と言うことです。

この性質から、地球の大気圏を通って一番先に散乱してこぼれるのは紫、一番最後まで残っているのが赤となります。

昼間の空が青いのは、太陽光の中の青が空一面に散らばっているからなのです。

先程の特別高い山から見える空の色が濃いのは、青よりも前の段階で散乱した藍色を見ているからです。

また、下の画像の様に太陽光が真上から射すときと横から指すときでは、

大気の中を移動する距離が異なるため、空に散らばって見える色が異なります。

下の画像はA地点に観察者がいるとすると仮定したときの図です。

自由研究 空の色4.jpg

地上に差し込む角度が小さい夕方は紫、藍、青、緑、黄はほとんど散乱してしまって、最後まで残っている橙や赤が散乱して見えています。

これが空の色の理由と言われます。

この太陽光の波長よりも小さな微粒子に当たって起きる散乱現象をレイリー散乱と言います。


ちなみに太陽光の波長と同じくらいの粒子にぶつかった場合はすべての色が同じように散乱するため、色が白く見えます。

雲など空気中の水蒸気が白く見えるのはこうした理由からです。

この現象をミー散乱と言います。

自由研究 空の色3.jpg


これがレイリー散乱と空の色の理由です。

ではこの現象を再現するための準備をしましょう。

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空の色の秘密を再現する実験



レイリー散乱を知ると再現するのは難しそうに思うかもしれませんが、

以外にも簡単な装置でこの現象を確認できます。

◆準備するもの

ペットボトル

牛乳
懐中電灯
黒い紙

また、観察するためには部屋を十分暗くする必要があります。

ペットボトルの装置の周囲から光があったりするとうまくいかないので、光をある程度遮断できる環境を用意しましょう。

この実験では大気中の細かな粒子の代わりを牛乳の中に含まれる成分にやってもらおうと言う訳です。

◆実験の方法

ペットボトルの中に一杯に水を入れます。

少量の牛乳をその中に加えます。

牛乳は0.5ccくらいから小さじ5杯くらいまでの間で調整します。

始めは少し薄めからスタートしてみましょう。

混ぜるときに空気が混入しないように注意して混ぜます。

机の上に置き、黒い紙を背景にします。

懐中電灯を当てる

ペットボトルの底の方に懐中電灯をピッタリつけて、光を当てます。

自由研究 空の色1.jpg

一度だけではなく、混ぜる牛乳の量を変えて観察しやすい状態を見つけて、結果を記録しましょう。

この実験はペットボトルと同じくらいの横の長さがある水槽でも行えます。

結果と考察



◆実験の結果

上手くいくと

懐中電灯をあてた側のペットボトルの光はほのかに青っぽくなる
反対側のキャップ付近は赤っぽい色を帯びている

という現象が観察できます。

ペットボトルではなく水槽を使うと、懐中電灯を当てた反対側から光を見ることができるので、よりはっきりと結果が分かります。

自由研究 空の色2.jpg

これでレイリー散乱をもとにした空の色の実験が出来ました。

ここでレポートにまとめるのもよいですが、

この実験結果をもとにいくつかの疑問を提示して考えてみましょう。

◆結果から生じた疑問

・同じ空にある雲はなぜ白く見えるのか

レイリー散乱を説明したときに、触れていますが、ミー散乱と言うものも調べてみるとより深まります。

・大気の無い星では空はどんな風に見えるか

よく比較されるのが「月」です。

実際に月にに行くわけにはいきませんから、ネットで調べます。

大気が無いので散乱は起こらない、この場合空の色はどんなふうになるかを考えてみます。

月からの写真もネット上にはあると思いますが、昼間と夕方はどうか推測してみましょう。

・昼間の空は青く、明るいのに、夕方の空は暗いのはなぜか。

当たり前に見ている現象ですが、なぜそうなるか少し考えてみるとよいでしょう。

実際に夕方の空と明け方の空を観察して、東西南北どの方向の空が明るくて、どの方向が暗いのかで、光が散乱する特徴が推測できると思います。

レイリー散乱の特徴として、

光の進行方向とその反対側への散乱が強く、進行方向と直角方向には散乱が弱い

という特徴があります。

空がきれいな状態でないとうまく観察できないかもしれませんが、

これらの事も空の色の実験から深めて考察すると良いと思います。

自由研究をするときの参考にしてください。

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