ビジネス文書は多くの場合、時候の挨拶も形式的で、
用件を伝えることを優先しています。
冒頭の部分は比較的季節感を出すこともありますが、
結びの部分にはほとんど使われません。
今回は9月を例にとって、ビジネス文書で時候の挨拶が結びでつかわれる例を見てみます。
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1、
時候の挨拶の形
2、
会社間でつかわれるビジネス文書
3、
季節感を出した結びが使われる場合
4、
9月の時候の挨拶の結び例
の順番で説明していきましょう。
時候の挨拶の形
ビジネス文書は会社間で取り交わされるものなので、
改まった形式の表現が使われます。
季語/季節を表す言葉+「~の候」「~のみぎり」「~の折り」+相手を気づかう言葉
が冒頭部分の定番です。
一方結びでは季節に絡めて時候の挨拶を入れることはほとんどありません。
プライベートなものでは
季節を表す言葉+相手を気づかう言葉
という形で締めくくります。
それぞれの季語は9月のその時期に使われるものをどちらにも使います。
新涼 秋涼 初秋 新秋 清涼 白露 猛秋 秋冷 秋晴 爽秋 微涼 早秋
等が良く使われます。
使う時期や使い方はこのブログの
9月の時候の挨拶 ビジネス文書での実例
で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
では会社間で交わされるビジネス文書と時候の挨拶の例を見ながら、
結びの表現を見てみましょう。
会社間で交わされるビジネス文書
会社間で取引に使われるビジネス文書は簡潔で内容が一目瞭然であることが優先されます。
一つ例をあげてみましょう。
◆例文
令和元年 8月 ○○日
株式会社○○△△
事業部○○○○様
△△△△株式会社
○○部 ○○○○
拝啓 ○○の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別なご厚情を賜り、誠にありがとうございます。
さて、先日は突然の商談申し入れに際しまして、ご快諾いただき、誠にありがとうございました。
なお、当日ご質問いただきました件につきましては、現在資料を作成いたしております。
次回の面談の際にご報告申し上げますので宜しくお願い申し上げます。
今後とも社員一同精進を重ねてまいる所存でございますので、お引き立てのほど何卒よろしくお願い申し上げます。
略式ながら書中をもって、御礼申し上げます。
敬具
(
9月の時候の挨拶 ビジネス文書での実例の記事より)
急な商談を受け入れてくれた時のお礼状です。
このように、時候の挨拶は冒頭の部分のみのことが多いです。
送る側も受け取る側も共に担当者がいますが、会社間の取引なので、結びの部分の
季節を表す言葉+相手を気づかう言葉
という形式には当てはめにくいのです。
あえて結びに季節感を表すとすると、
新秋の折、貴社の更なる発展を心よりお祈り申し上げます。
のように結びを書き変えます。
個人に宛てたものではないので、
気遣うというよりは会社の発展に祈る、
と言う社交辞令的な文言を入れます。
では、ビジネス文書でも結びに時候の挨拶を書く場合とは具体的にどんな時でしょうか。
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季節感を出した結びが使われる場合
ビジネス文書で結びに季節感を出した表現をする場合は
・
お付き合いが個人的な場合
・
個人経営、家族経営など小さな会社同士のやり取り
・
ビジネス上のやり取りでも、良く知った個人間のもの
が挙げられます。
特に親しい間柄でもないのであれば、ビジネスの場では相手を気づかう表現ではなく、
先方の会社の発展を願った定型文を使うようにします。
ではそれぞれの例文を見てみましょう。
9月の時候の挨拶の結び例
◆9月の季節感を出した結び
・通常の定型文と組み合わせた場合
新秋の折、貴社の更なる発展を心よりお祈り申し上げます。
新秋の折、社員の皆様には一層のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
秋涼の折、貴社の益々のご繁栄をお祈り申し上げます。
清涼の折、皆様方のご健勝をお祈りいたしますとともに、今後ともなお一層のご愛願の程を宜しくお願い申し上げます。
初秋の折、貴社の更なる発展を心よりお祈り申し上げます。
など
・小さな会社の場合
初秋の折、皆様方のご無事息災を心よりお祈り申し上げます。
夏の疲れが出やすい時期でございます。皆様、お元気でお過ごしくださいませ。
秋冷の折、ご家族の皆々様には一層のご健勝をお祈り申し上げます。
秋晴の折、社員の皆様方のご無事息災を心よりお祈り申し上げます。
爽秋の折、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
爽秋の折、社業がさらにご発展されますようお祈り申し上げます。
新秋の折、稲穂が実るごとく、社業がご発展されますよう心よりお祈り申し上げます。
など
・ビジネス文書でも個人間の場合
新秋の折、ますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
残暑厳しき折柄、くれぐれもご自愛ください。
秋冷の折、お風邪など召られませぬようご自愛ください。
爽秋の折、ご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
夏の疲れが出やすい時節、ご健康にご留意され、益々ご活躍されますことを心よりお祈り申し上げます。
秋冷の折、何卒お体おいといください。
季節の変わり目、くれぐれもお風邪など召されぬようご自愛ください。
など。
・季節を問わない結び
一般的なビジネス文書の結びにもよく使われます。
末筆ながら、~
何かとご多用とは存じますが、~
まずは、略儀ながら~
以上取り急ぎ~する次第です。
例
末筆ながら貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
まずは、略儀ながら書中にてお礼申し上げます。
など。
この他、
時節柄~
という言葉も当てはまる季節が多いので、よく使われます。
例
時節柄、ご自愛くださいますようお願い申し上げます。
など。
ビジネス文書でも取引内容や会社の形態によって時候の挨拶の書き方は様々です。
定型文に近いものから、個人のやり取りに近いものまで使い分けるのが理想です。
結びの挨拶を考えるときの参考にしてください。
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