読書感想文は夏休みの課題の中でも難しくて手間のかかるものというイメージがあります。
今回は読書感想文を書きやすい本を二つ紹介します。
レベルは中学2年生くらいのものです。
読書感想文は骨子が決まって書き始めてしまえば、それほど難しいものではないのです。
多くの人はどのような着眼点で書いたら良いのか、
自分の感想をどのようにまとめたら良いのかわからず、
ついつい解説を引用してしまいがちになり、
自分が初めに抱いた感想から大きくずれてしまって
評価も低いものになってしまったなんて話も聞きます。
課題図書が決まっているのならそれを読んで書くしか選択肢がないわけですけど、
自分で好きな本を選んでよいのなら、今回紹介する2冊はお勧めです。
よく、自分と共通点がある本なら読書感想文を書きやすいといわれますが、実際には読んでみないと分かりません。
むしろテーマが
多くの人が共感しやすく、
身近な生活に密着していて、
それに対する行動の選択肢がたくさんあるもの
を選ぶ方が書きやすいはずです。
ピンと来なかった人もいると思いますが、本を紹介しながらこの点についても触れていきます。
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読書感想文の基本的な構成
ますは読書感想文を書く時の基本的な構成を知っておきましょう。
これを頭に入れておけば、力を入れる部分がはっきりと分かってまとめやすくなります。
◆良いとされる読書感想文の構成と分量
読書感想文は主に4つの塊から成り立ちます。
①本を選んだ理由:全体の10%
②本のあらすじ:全体の20%
③自分の疑問、共感、感動など:全体の30%
④本を読む前と後の自分の気持ち、行動の変化:全体の40%
それぞれの分量とともに頭に入れておきましょう。
ウエイトとしては③と④が大きいのが分りますね。
①と②は直接自分の感想とは結びつきが浅いためにできれば最小限にとどめます。
課題図書が決まっている場合には必要のない部分になるので、③と④をどのように書くかに絞られてきます。
では、お勧めの2つの本を紹介しましょう。
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中学2年生までにお勧めの2冊
ここで紹介する本はともにエコロジー、私たちの生活に直結するテーマを扱ったものです。
◆あなたが世界を変える日
当時12歳の少女だったセヴァン・カリス=スズキが国連の地球環境サミットで行った伝説のスピーチについての本です。
環境にとどまらず、戦争、矛盾、不公平、豊かさなど鋭く指摘しています。
短いスピーチの原文とその翻訳の前文が載っています。
彼女が立ち上げた「エコ」というグループやスピーチをするに至る顛末なども詳しく書かれています。
この本を進める理由は
・本文が短い
・世界の矛盾に対して大人と子供の感じ方の違いが示されている
・セヴァン本人の生い立ちも記されている
・自分たちにできる環境への取り組みの例が示されている
・関連事項について当たるべき活動団体が明記されている
ことからです。
読書感想文の中核になる先ほどの③と④を掘り下げたり、調べたりする資料も示されています。
そうすることで読んだ後で自分が日頃から出来ること、できないけど変えなくてはいけないこと、など意識の変化と行動の決意をまとめやすくなります。
生い立ちを自分と比べてみるのもよいですし、彼女の取り組みと自分の取り組みを比べてみるのも面白いでしょう。
①と②については日常に関係したことなので、それほど苦労なく、書けると思います。
テーマは広く、すべての人に共通するものですが、ありがちなコピペを避けて自分の感想を率直に書きやすい本だと思います。
◆ハチドリのひとしずく
南アメリカの先住民に伝わるハチドリのお話です。
本文はたった17行ですが、テーマが深くいろいろな視点で考えることができる本です。
まず、テーマはエコロジーの中でも温暖化に焦点を当てつつ、あらゆる問題を解決する取り組みを示唆しています。
『あなたが世界を変える日』と同じように身の回りから世界へと視点を拡げやすいテーマです。
この本の特徴は
・何をすれば環境に対して優しい行動になるのか
・自分たちにできる身近なことは何か
・著名人はどのようにこの問題に取り組んでいるか、また考えているか
が示されている事です。
多くの人が執筆に加わっているので多彩な視点からテーマを見ることができます。
その中には自分が気付かなかった考えや見方もあるはずです。
読書感想文の中核の部分を充実させる手掛かりがたくさんあります。
中学2年生くらいになると自分の感想だけではなく、
自分と身の回りの人たち、社会、世界へと視点を拡げつつ、
どの様に取り組んでいくのかということを考え始めてよい年齢です。
ありきたりのものではなく自分の考えを主体に感想と取り組みを書くことはいきなりはできません。
そんなときにもテーマを自分から世界へと広げる手掛かりがたくさんあるこの2冊は読書感想文のレベルアップのきっかけにもなると思います。
このブログでも読書感想文の書き方は
読書感想文の書き方 中学生向けの入賞作品に見る良い書き方
読書感想文が書きやすい本 中3「生きる」がテーマ
読書感想文の作例 戦争をテーマにした場合
中1の読書感想文の書き方 コツを押さえた二つの方法
で紹介していますが、それと合わせて今回の記事も参考にしてみてください。
最後に読書感想文でのNGな行為をまとめてみましたので、今まで自分が書いたものがそうなっていないかチェックしてみてください。
読書感想文のNG
・あらすじで字数稼ぎをしている
あらすじは最小限にとどめます。
異常に長かったり、不必要な描写を入れたりすると字数稼ぎをしているとあからさまに分かってしまいます。
ただし、きちんとわかるように書いてください。
・解説の丸写し
まとめきれず、自分の感想とはズレていって最後に解説を写してしまう行為です。
ほぼ100%見破られますからやってはいけません。
不器用でも自分の考えや意見を第一に書いてください。
等身大の自分が現れているものが一番です
・心動かされた理由を書いていない
なぜ自分は惹かれたのか、なぜこのセリフに感動したのかなど、理由もしっかり書きます。
この部分がないと小学校低学年の読書感想文になります。
理由もできるだけ理論的に分かりやすく書きましょう。
苦しくなるとやってしまいがちなことですが、これらをやっている読書感想文の評価は低いです。
くれぐれも気を付けてください。
今回紹介した2冊はしっかり読めば自分なりの感想を書きやすいものですから自分の言葉で書いてみましょう。
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読書感想文で迷った時にはこれらの記事も参考にしてください。
読書感想文の書き方 中学生向けの入賞作品に見る良い書き方
読書感想文が書きやすい本 中3「生きる」がテーマ
読書感想文の作例 戦争をテーマにした場合
中1の読書感想文の書き方 コツを押さえた二つの方法
読書感想文 悪い例を中学生向けに直してみる!
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