自由研究で家庭科のジャンルはあまり選ばれないようですが、たのしくできるものも沢山あります。
男女共通なのは小学校の6年生までの科目ですし、理科の実験に近いもの、工作に近いものまで選ぶ幅も大きいのです。
今回は理科に近い料理と工作に近い染物を紹介します。
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料理は好みがありますから食べるかどうかは別にしても、
染物は身近なものを使って普段着られるものを作ってみます。
どちらも火をつかうので、小学生のうちはお家の方についていてもらうのが安全です。
色が変わる焼きそばを作ってみる
始めは理科の実験のような料理を作ってみましょう。
実際に食べるかどうかは別にして、身近な食材を使ってちょっと変わったものを作ってみます。
◆材料
紫キャベツ(1/8個)
水
中華麺(焼きそば用の蒸し麺)
レモン汁
この他に調理器具として
フライパン
まな板
包丁
などが必要になります。
この他にも、デジカメなど撮影できるものを用意しておきましょう。
◆自由研究の方法
紫キャベツを先に炒めて、そこに麺を入れて炒めると麺に色がつく。
出来上がったらレモン汁をまだらにかけて麺の色の変化を観察する。
このように実験を行って、色の変化の観察と理由を調べる。
◆実際に調理してみる
①キャベツを切る
始めに紫キャベツをざく切りにします。
②キャベツを入れる
フライパンを火にかけて切ったキャベツを入れます。
③水を入れる
少量の水を入れます。
④麺を入れる
水が紫色に色付いてきたら、麺を入れます。
⑤炒める
麺をよく混ぜながら炒めます。
このときに面に色がついてきます。
水についた紫とは違った色になることに注目します。
⑥盛り付ける
炒めあがったら、お皿に盛り付けます。
⑦レモン汁をかける
出来上がった焼きそばにレモン汁をかけます。
かける時には、細く線を描くようにまだらにかけます。
この調理の過程で画像に記録するのは
④の面を入れた直後と混ぜて色がついた後の2回、
⑥の盛りつけた後、
⑦のレモン汁をまだらにかけた後
です。
フライパンに入れた時の面の色の変化とレモン汁をかけた後の麺の色の変化をシッカリと記録します。
記録出来たら、色の変化の理由を調べます。
ここからは理科の実験の様な考察になります。
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焼きそばの色の変化の理由
まず、中華麺の成分、
かんすいに注目します。
◆かんすい
麺のコシを出すために使われるものです。
小麦粉のグルテンに作用して面に弾力を出します。
このかんすいは実は
アルカリ性です。
麺が黄色いのは小麦粉中のフラボノイドが反応した結果、この色になっています。
参考までに現在かんすいに指定されている物質は16種類
炭酸カリウム
炭酸ナトリウム
炭酸水素ナトリウム
ピロリン酸四カリウム
ピロリン酸二水素ナトリウム
ピロリン酸四ナトリウム
リン酸三カリウム
リン酸水素二カリウム
リン酸二水素カリウム
リン酸水素二ナトリウム
リン酸二水素ナトリウム
リン酸三ナトリウム
ポリリン酸カリウム
ポリリン酸ナトリウム
メタリン酸カリウム
メタリン酸ナトリウム
です。
この自由研究では
・かんすいはアルカリ性
・中華麺の色はフラボノイドとの反応でついたもの
ということを抑えておきます。
◆アントシアニン
今回使用した紫キャベツに含まれている色素です。
性質として
アルカリ性に反応して青に、酸性に反応して赤に変わる性質があります。
今回の自由研究ではリトマス試験紙と同じ役割をしてくれます。
普段、アントシアニンはむしろ健康効果が注目されているもので、
・眼精疲労回復、視力改善などの機能改善作用の即効性
・糖尿病の予防効果
・活性酸素を除去する抗酸化作用
・コラーゲン安定作用
・毛細血管の保護
・抗炎症作用
などの効果がよく知られています。
紫キャベツ以外にも
ブルーベリー
ブラックベリー
ブドウ
ラズベリー
リンゴ(赤)
イチゴ
ナス
黒ゴマ
ムラサキイモ
などにも多く含まれています。
この自由研究では酸とアルカリへの反応をキチンと覚えておきましょう。
◆焼きそばの色の変化は
調理の途中で焼きそばについた最初の色は何色だったでしょうか。
紫キャベツの色そのままではなかったはずです。
むしろ緑っぽい青ではなかったでしょうか。
これは、
アントシアニンが麺のかんすいのアルカリ性に触れて、青になり、その下地の麺の黄色に影響された結果です。
もし麺が透明だったら真っ青に近くなっているでしょう。
次の変化はレモン汁をかけた時に起こりました。
このときも
アントシアニンが酸性に反応して赤になり、
下地の麺の黄色に影響されてピンク色に近くなります。
行っていることは家庭科なのですが、実際に色が変わった理由は理科の知識が必要ですね。
この自由研究を行うときには刃物と火の扱いには十分に気を付けてください。
火傷やけがなどくれぐれも無いように注意して行ってください。
Tシャツを染めてみる
今度は工作に近い家庭科の作業です。
身近にあるものでTシャツを染めます。
これも火と熱湯をつかいますから十分に注意が必要です。
◆準備するもの
Tシャツ
紅茶:大さじ2杯くらい
ミョウバン:小さじ2杯
鍋(Tシャツが十分にはいるくらいのもの)
水:4リットルくらい
ボウル
計量カップ
菜箸
ミトン
この他、ハンガーやザルなどもあると便利です。
最近では自分で染めるための様々な染料を売っていますが、今回は身近な飲み物ということで紅茶を使用します。
紅茶はティーバックのものを複数使用して作っても同じです。
◆染め方
では実際に染めてみましょう。
①紅茶を作る
まず、鍋に2リットルくらいの水をいれて沸かします。
沸騰したら火を止めて紅茶をつくります。
作ったらそのままにします。
②Tシャツの準備をする
Tシャツは染めムラを防ぐために一度水に浸けて軽く絞っておきます。
あらかじめ水分を含ませておくわけです。
③鍋にTシャツを入れる
鍋に作った紅茶にTシャツを入れます。
入れたらそのまま紅茶が冷めるまで待ちます。
この間、菜箸などでときどき混ぜます。
④ミョウバンを作る
ボウルにお湯2リットルを用意してミョウバン大さじ2杯溶かします。
⑤ミョウバンにTシャツを入れる
紅茶に入れてあるTシャツを絞らずに先ほどのミョウバンを溶かしたお湯に入れます。
軽く、空気を押し出しながら20分くらい待ちます。
⑥再び紅茶に浸ける
紅茶の鍋を再び沸騰させて火を止め、Tシャツを入れます。
このときもTシャツは絞りません。
先程と同じように冷めるまで待ちます。
⑥Tシャツをすすぐ
Tシャツを取り出したら、ボウルに入れて水を流しながらすすぎます。
色が出なくなるまですすいだら、良く絞ります。
⑦干す
Tシャツの形を整えてハンガーにかけて陰干しします。
乾いたら手作りの染めTシャツの出来上がりです。
Tシャツのほかにもハンカチなどでも染はできますし、
一部をゴムで縛ったりして絞り染めのように模様を作っても面白いでしょう。
ここではミョウバンの役割がとても大切です。
ミョウバンは
色を染まりやすくする
色を鮮やかにする
という役割をします。
使うとつかわないとでは染まり方もかなり違ってきますので、くらべてみるのもよいでしょう。
家庭科の自由研究は6年生くらいになれば他の教科にも結び付きやすいものがたくさんあります。
夏休みの自由研究のテーマに困ったら視点をかえてみるのも一つの方法です。
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