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読書感想文の書き方 高学年用のワークシートとまとめ方の王道

読書感想文は夏休みの課題として避けて通れいないものです。

書き方は人それぞれですが、効率的でまとめやすい方法があります。

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小学校の高学年になると低学年で使用していた

ワークシートははっきり言って使えません。

なぜかというと、構成や印象が画一的で同じになってしまうからです。

今回は高学年が読書感想文を書く時のまとめ方とワークシートの活用法、

さらに評価の高い王道の構成の仕方を紹介します。

それぞれの学年にあったレベルと意識を感じさせる読書感想文を書く時に役立ちます。

高学年の読書感想文に求められるもの



読書感想文は小学校の低学年から高校生まで、夏休みの課題として出されます。

もちろんそれぞれに求められているレベルは異なっていますから、

学年や学校での学習内容によって書き方も変える必要があります。

◆読書感想文に求められるもの

読書感想文というと面倒くさい課題というイメージを持つ人もいると思いますが、

自分の中に入ってきたものを考えてアウトプットするという大切な作業の訓練になります。

受け身で教えられていた知識や出来事を「書く」という作業でアウトプットするには

自分で感じ、考えて文字にするという作業が必要です。

どの学年もこのやり方は同じですが、「考える」という作業に要求されるレベルが異なっているのです。

・小学校低学年~中学年:作品の中の事について自分がどう感じたか

・小学校高学年:作品だけではなく、自分との比較や関わりまで視野に入れる

・中学生:作品と自分と社会について視野に入れた感想と考察

・高校生以上:中学生の視野をより深く、特に社会との関連をより深く考察する

凡そこんな感じのものが求められます。


小学校に入りたての1年生や低学年の子どもには慣れてもらうためにワークシートを用意してそこに記入して読書感想文を書く方法が良く見受けられますが、

今回、紹介する小学校高学年の読書感想文の書き方にはそのワークシートは使用しない方が無難です。

今見たように求められているものが違うので、学年に不相応なものが出来上がってしまいます。

◆低学年用のワークシートが使えない理由

小学校の低学年用のワークシートはおよそ次のように穴埋め形式になっていると思います。



本を読みながら次の事を書き出します。

①この本を見た時の印象
②どんな内容の本だと思ったか



㉚読み終わった直後の感想
㉛なぜその一言が出たのか

これらの答えをワークシートに記入します。

「㉚」私は本を読み終わってこう思いました。それはきっと㉛だからで、自分が(期待した通り/期待とは違った)からです。
この本を手に取った時のことを思い出してみると、①で②だったので読んでみようと思ったのです。

だいたいこんな感じで少しの時間で出来上がるようになっています。

まず、この方法だと

・文の構成がみんな似通ってしまう
・深く掘り下げられない
・自分で考える度合いが減る

それに言い回しでは

・「です」「ます」調で統一されていて強さが感じられない

という印象を与えてしまいます。

低学年では読書に親しんでもらう、ということも目的に入っていますから、これでも通用しますが、

高学年では自分本来の感想をもっと自由に書いてもらうことを先生達も期待しているはずです。

考えを整理しやすく、自分の言葉でまとめやすいものを使用するようにします。

印象に残る読書感想文の構成



読書感想文の基本的な構成は

・書き出し(本を選んだ理由 きっかけ)
・あらすじ
・本題(本を読んで感じたこと)
・まとめ(得られたこと 心動かされたこと)

とよく言われています。

でもこの書き方で読む人の印象に残るようなものはできないでしょう。

読書感想文はあくまで自分の感想や考えが主体ですから、

それを主軸に展開します。

優秀作に選ばれるほとんどの読書感想文は次の様な構成になっています。

・書き出し(感想 結論)
 
 読み終わっての感想を先に書きます。心惹かれたセリフから始まるものも多いです。

・あらすじ
 
 共通の課題図書が決まっているときには書かなくてもよいです。

・本題

 最初に持った感想の理由、主人公と自分と比べての同情や反発などを書く

・まとめ(本を読んでの自分の変化と今後)

 本題をまとめる形で書き出しの部分に戻っていきます。

 ただし、同じようにならないように。

 そして本を読んだ後の生き方、考え方の変化を書きます。


最初になぜ自分がこう思った(考えた)か、

そう感じたのはなぜか、

そう感じ、自分は今後どのように生きていくのか、

という順序で書くことがコツです。

自分の考えが中心に展開していくので、言葉も

「~だ。」「思う。」

というように強く言い切る形にします。

より、自分の考えが伝わります。

ワークシートと付箋を使用して本を読む



上で紹介した構成で読書感想文を書く準備をしましょう。

まず、この画像のようなワークシートをつくります。

といっても、白紙の紙に大きく四角を四つ書くだけで出来てしまいます。

何について書こうか絞れていないときには複数枚用意しておきます。

読書感想文 高学年 ワークシート1.jpg

①は書き出しの部分

②はあらすじの部分

③は本題の部分

④はまとめの部分

となります。

シートが用意できたら、付箋をそろえましょう。

付箋は細い小さいものよりはメモ書きがしやすいように四角い大きめのものを用意します。

◆本の読み方

本はメモを取りながら読みます。

特に印象に残ったセリフや場面に付箋を貼ります。

付箋を貼ったら、本のページ、台詞や場面、その時自分がどう思ったかを簡単にメモしておきます。


自分の印象に残ったセリフや場面はすべてチェックしましょう。

最後に付箋のページやセリフだけをたどってみると、自然と自分が書きたいこと心惹かれたものを選んでいるはずです。

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◆ワークシートの使い方

次は付箋をワークシートに移します。

一番心惹かれた場面やセリフ、自分がどう感じたかをメモした付箋を選んでワークシートの③の部分に貼りつけます。

付箋を見ながら、①の書き出しを決めます。

主人公や登場人物のセリフにするか、自分の感想にするかを選びます。

決まったら①の欄に書き出します。

下書きなので、簡潔に書いておきましょう。

次はまとめの部分④です。

④には自分が本を読んだ後の生き方、考え方の変化、またはこうしていこうという決意を書きます。

これも簡単で構いません。


ここまでで、

①の書き出し
③の本題
④のまとめ

の骨子が出来ました。

ではそれぞれに肉付けをしていきます。

①の書き出しは問題提起や自分の考えをはっきりと伝えて、

こういうことについて書きます、という部分です。

台詞にまつわるシーンや、自分の感想にまつわるシーンや考え方を書きすすめます。

この際に選ばなかった付箋が大いに役立ちます。

③の本題の部分は自分と主人公の比較や行動に対しての感想や考え方の違いなどより深く①の理由について掘り下げます。

先程と同様に選ばなかった付箋で関連する場面やセリフのメモを活用します。

④のまとめは③がしっかりできていればそれほど難しくありません。

本の中の世界や主人公の生き方を現代の自分や考え方と比較します。

社会に対しての考え方も付け加えることが出来たらなおよいでしょう。

②のあらすじは①、③、④が凡そ書きあがってから、それらに関係するあらすじを書く感じにします。

①と③の距離があまりに離れすぎるとインパクトが薄れるので、できるだけ簡潔に自分のテーマに沿ったものにします。


こうしていくと自分考えや感じ方が強く印象付けられた読書感想文が出来上がります。


字数に関してはそれほど気にする必要はないと思いますが、目安として

書き出し: 400文字
あらすじ: 200文字
主題: 800文字
まとめ: 200文字

くらいでまとめるとよいでしょう。

◆作業で注意すること

・感動した場面、箇所は1か所か2か所にする

・あらすじは最低限にする

・本で語られている事だけではなく、語られていないことにも注目する


論点があちこちに行かないように注意します。

主人公のセリフの裏に隠された気持ちなども考えるとより効果的です。

これらのことも付箋をつかったメモを取ることでよりやりやすくなります。

これらを踏まえた例文はこのブログの記事

読書感想文の作例 戦争をテーマにした場合

でも紹介しています。

高学年向けには少し難しいかもしれませんが、参考にしてください。

では最後に、ここで紹介した構成の例を紹介しましょう。

読書感想文の例文



『レシピにたくした料理人の夢』

を読んでの感想文です。




 哀れでとても悲しく思えた。 脊髄小脳変性症に侵されできないことが増えていき、そして死んでいった母の姿を間近で見ていた昇兵が、母の代わりに6歳の時から台所に立っていた昇兵が、母と同じ病気であると知らされる。自分がこの先どうなっていくのかを知らされた昇兵がとても哀れでならなかった。しかし、私はその感情が間違っていることを病床の祖父に教えてもらうことになる。

 末期の胃がんと診断され、自宅で静養していた祖父が入院したのは2か月ほど前の事だった。はじめは面会に行くと元気で話も出来たのだが、今月に入ると病状が悪化し、言葉を発することもまっすぐに体を起こすこともとも出来なくなっていた。こんなにも早く、と人の命の儚さを感じた。

 六月下旬頃、着替えを取りに立ちよった祖父の家で見つけたのは真新しい二冊の本だった。最新のワードとエクセルの解説書で帯が付いたままのものだった。机の上には買ったばかりのノートパソコンも置かれていた。それを見て父は、
「残された時間はわかっていたはずなのに、今からできるようになっても意味ないのにね。」
 と言った。私は
「うん。」
 と、その時は言葉が出ず、曖昧な返事をしてしまった。しかし後から考えるとそこにはとても深い意味が隠れていることに気づいた。
 
後になって、祖父は残されたわずかな時間でも新しいことを始めようとしていた。つまり、少しでも人生を豊かに過ごそうとしていたのかもしれないと思い始めた。 又、昇兵は自分が生きた証をレシピにすることで残そうとした。きっとそうすることで、運命を背負い生まれてきた自分の人生に意味を見い出そうとしていたのではないだろうか。
 
二人に共通していることは自分の生をより価値のある深いものにしようとしていることだ。私はまだ、死ははるか遠くのものに感じる。生というものは死と向き合って初めてその意味を見出せるものかもしれない。たとえわずかでも命を輝かせ、人生を価値あるものにする時間にするためのものかもしれない。だとすれば、私が最初に抱いた哀れで悲しいという感情は昇兵に対して浅はかで迷惑なものではなかったのではないだろうか。なぜなら死と向き合い生きる意味を見出してレシピを残す昇兵にとって自分のことを憐れむ言葉は、今までの人生で通ってきた心の葛藤や決意を無下にしてしまうものだからだ。

 私はお見舞いのたびに祖父と同じように入院している人をただ、可哀相に思ってきた。その気持ちはその人の人生の価値気付かない浅はかなものではなかったのか。私は将来は医師になりたいと思っている。多くの人を助けたいと思っている。もし、死に直面した人に接するときに、その人の葛藤や決意を踏み躙るようなことを言ってしまわないような医師になりたい。そうでなければ患者さんの信頼は得られない。病床の祖父は人の生の奥深さについて私に教えてくれている。もしかしたら私の生しか知らない生活の中にも、考える鍵となるものが散らばっているかもしれない。だからこそ、私は死と向きあっている人がいることを忘れずに、今一瞬一瞬を大切に生きていきたい。


ほんの一例としてみてください。

読書感想文の書き方が良く解ると思います。

高学年になれば先生達が期待することも大きくなりますから、

ワークシートと付箋をつかって効率よく印象深いものを書いてください。

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