七夕飾りは織姫様、彦星様、短冊やちょうちんなどいろいろ作られます。
それぞれに意味があるのですが、中でも不思議なのが野菜の形を作って飾る習慣ですね。
幼稚園や保育園で子供たちに聞かれてどう説明していいのか困った経験もあるでしょう。
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七夕飾りにはいろいろなお話がルーツになっていますが、
今回は野菜の飾りのルーツをいくつか紹介してみます。
子どもたちに簡単に説明するときの参考にもなるようにあまり難しいことは省いてシンプルにその意味をまとめました。
七夕飾りで野菜を飾るルーツは?
まず、
七夕という習慣は奈良時代から平安時代のころまでに中国から伝わったとされています。
もともと、7月7日に五色の糸を星にお供えする習慣が七夕の始まりでした。
これが宮中の行事として行われるようになると、季節の果物や野菜をお供えして、星を眺め歌を詠ん楽しむようになります。
七夕が庶民の間でも広く行われる行事になったのは江戸時代に入ってからで、
野菜や果物をお供えする習慣が人々にも広く伝わりました。
中国から伝わり、宮中行事から庶民に広まった時には野菜や果物をお供えする習慣はすでにあったわけですね。
では、野菜を飾る意味を見ていきます。
諸説ありますが、子どもたちには一番しっくりくるものを選んで教えてあげるのもいいですし、
いろんな説があってこんなお話もあるよ、とすべて話してあげてもよいでしょう。
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野菜飾りの意味
七夕に野菜を飾る意味は諸説あります。
◆天帝へのお供え
天帝は織姫様と彦星様のお話にも出てくるように織姫様のお父さんです。
織姫様と天帝は共に神様で、
織姫様は織物、機織りの神様、
天帝は天と水の神様とされています。
七夕の時期に一番おいしいものをこの二人にお供えする事で
その年の豊作
手芸の上達
を願いました。
宮中では桃、梨、キュウリ、ナス、瓜、大豆、干し鯛、アワビなどをお供えしたといわれています。
ちなみに7月ごろに旬を迎える野菜や果物は
きゅうり、なす、ピーマン、オクラ、ゴーヤ、トウモロコシ、スイカ、メロン、ビワ、マンゴー、ブドウ
などです。
七夕飾りで見覚えのある野菜もあるでしょう。
もちろんこの頃は笹に飾るのではなく、本物を神様にお供えしました。
また、一度お供えしたものは神様の食べ残しなので、神様の力が宿るといわれています。
ですから、ご利益のあるものとして残さず食べたものです。
ということで、一つ目の意味は
天帝に対するお供えで、その年の豊作と手芸の上達を意味で飾る
です。
◆お盆との関連から
今のお盆は8月の13日あたりから16日あたりまでに行われますが、江戸時代は7月の中旬辺りに行われていました。
地域によっては今も7月の中旬辺りに行います。
昔は七夕の日がお盆の始まりと重なるときもあり、七夕のお祝いをしつつ、お盆のお迎えを行っていたようです。
お盆と言えば、精霊馬が思い浮かびますが、ナスやキュウリをつかってつくられています。
当時からすると、その精霊馬もお供えの一つに数えられていたと思われます。
お盆の風習が8月に移ってしまうことでお供え物の数が減ってしまうのは神様に対して申し訳ない、という思いからナスやキュウリがそのまま七夕のお供えとして残ったとされています。
このお話は七夕単独のお話ではないので小さい子供にはむずかしいかもしれませんし、
お盆のお話を知らないとうまく理解できないかもしれませんね。
二つ目の意味は
お盆の風習で飾った精霊馬の名残が七夕のお供え物として残った
です。
◆天の川伝説から
わたしたちが良く知っている織姫と彦星のお話は
天帝の娘の娘の織姫と彦星はどちらも働き者でしたが、結婚してからは仕事をさぼってばかりになり、天帝が怒って二人を天の川の両岸に離れ離れにしてしまった。
その後、二人は年に一度7月7日にだけ会うことを許された
というものだと思います。
ここには野菜や果物は登場しませんね。
実は天の川と七夕にはもう一つのお話があります。
それは
海の近くに住んでいた男がある日、松の枝にきれいな着物がかかっているのを見つけます。
見渡すと近くの海で娘が水浴びをしている。
男はその着物がほしくなって盗んでしまいます。
夕方近くになって男が再び帰りに海の近くに来るときれいな娘が泣いている。
娘は水浴びをしているうちに着物を盗まれてしまったという。
男は自分の着物を着せて娘を家に連れ帰ります。
その娘のことが気に入った男は自分の嫁になるように言います。
娘も着物がないと帰れないので男と一緒になります。
二人には赤ちゃんが生まれ、日々をこともなく暮らしていたのですが、ある日娘は天井裏で油紙に包まれた自分の着物を見つける。
男に騙されていたと知った娘は急いで着物を着て、赤ちゃんを抱くと天の国に帰ります。
男は引き留めようとしましたが、「私に会いたければ草鞋を千足作ってください。そうすれば雲が下りてきてあなたを天の国に連れていってくれます。」
と言い残して去ってしまいました。
男は言われた通り草鞋を千足作ると、雲が下りてきて男を点の国に連れていきました。
娘は会いに来てくれたことを喜びますが、娘のおじいさんとおばあさんは着物を盗んだ男を許さず、何とかして男を追い出そうとします。
意地悪な仕事を言いつけますが、娘の知恵と協力で男は何とかやり遂げます。
そんな男におじいさんは「お礼にこの瓜をあげるから横に切ってごらん」
といって渡しました。
男が瓜を切ると、たちまち水が溢れ出て天の川になって男と娘を引き放してしまいました。
離されていく男に娘は「一月に一度、7日に会いに来てください」と叫びます。
男は水音で聞き間違えて「一年に一度7月7日に会いに行く」と勘違いしました。
それで男と娘は一年に一度7月7日に会うことになりました。
このお話の男が彦星、娘が織姫、おじいさんが天帝なのでしょうか?
ちょっとイメージ違いますね。
お話の中の瓜から水か出てくることから、水の神様、厄除けの意味につながり、願いが叶うという解釈をされるようになったらしいです。
ということで
瓜の仲間の野菜をお供えすると願いが叶う、という言い伝えが残ったもの
です。
一味違う七夕のお話ですね。
最後は野菜以外にも七夕の時に食べる料理についてお話します。
七夕料理について
七夕の時に食べる料理で
そうめんを思い浮かべる人も多いでしょう。
そうめんを食べる習慣は実に平安時代にさかのぼります。
七夕が宮中の行事だったころ、野菜や果物などと一緒にそうめんをお供えすることが定められていました。
そうめんを食べると大病にならないといわれていました。
これは江戸時代に七夕が庶民の間に広まるときにも風習としてのこり、現在に至っています。
7月7日の前夜にそうめんと季節の野菜、果物をお供えして願いの成就を願いました。
先程説明しましたが、お供え物は神様の食べ残しなので、神の力が宿り、食べるとご利益があるとされています。
そうめんは食欲不振のときにも食べやすく、夏バテ防止にも一役買っています。
また、旬の野菜や果物は栄養価が高いので生命力を高め、邪気を払うということにもつながります。
七夕飾りの意味にはいろいろあります。
野菜一つとってもこれだけルーツがあるわけです。
七夕飾りを作るときにも意味をお話してあげてはいかがでしょうか。
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