結婚式のスピーチで一番緊張するのは父親のするスピーチではないでしょうか。
父親のスピーチは披露宴の最後に行われる、いわば親族代表としての締めの様な位置づけになります。
でも、およそ構成と形は決まっていて、それに沿って考えれば難しいことはありません。
独自のエピソードを盛り込んだり、するのも基本的な構成を意識すれば簡単に出来ます。
今回は父親が行うスピーチを例文を交えて紹介していきます。
スピーチを書く時にチェックが欠かせない忌み言葉にも触れていきます。
式の流れとスピーチの順番
まず、結婚式披露宴の標準的な構成を把握しておきましょう。
この中でスピーチをする順番を見ると事前にしておかなくてはいけないことが見えてきます。
◆披露宴の流れ
・前半
①新郎新婦入場
②新郎新婦紹介
③ウェディングケーキ入刀
④祝辞 乾杯
⑤食事 歓談
⑥お色直し
ここまででおよそ1時間弱位を目安にしています。
・後半
①新郎新婦再入場
②新郎新婦がテーブルを回る
③余興 歓談
④両親への花束贈呈
⑤
親からの謝辞
⑥新郎からの謝辞
⑦新郎新婦退場
⑧お見送り
この中で父親がスピーチを行うのは⑤の親からの謝辞です。
慣習としては新郎側の父親が両家を代表して行うことが多いです。
父親のスピーチの内容はこの後、具体的に触れていきますが、
すぐ後に新郎からの謝辞がありますから、
話す内容が新郎のものと重ならないように打ち合わせが必要です。
どちらも感謝を伝えることでは共通なのですが、
今後の二人を見送る親側
と
これからの未来への抱負を述べる新郎とでは異なります。
出来る限り内容を事前に確認し合っておく方が良いでしょう。
では父親のスピーチの基本構成を見ていきましょう。
父親のスピーチの基本
父親のスピーチはお決まりの形として次のようになります。
①はじめの言葉
②感謝
③新郎新婦へのはなむけの言葉
④お願い
⑤締め
この中で③以外はすべて決まった例文を知っていれば特に迷いません。
ではそれぞれ具体的に例文を見ていきましょう。
◆スピーチの例文
①初めの言葉
最初に述べる言葉です。
まず、自己紹介を含めて新郎新婦とどういう関係なのかを改めて説明します。
例文
・
ただいま、ご紹介にあずかりました新郎の父、○○○○でございます。本日、無事にこの日を迎えるとができ感謝の気持ちでいっぱいです。
・
両家を代表し、新郎の父、○○○○よりご挨拶をさせていただきます。
この部分には次の感謝をくっつけて述べられることも多くあります。
②感謝
結婚式に出席していただいた方への感謝や仲人をしてくれた方、日ごろお世話になっている方々への感謝を伝えます。
例文
・
新郎△△がこのように素晴らしい□□さんという生涯の伴侶を得て、今日の良き日を迎えられましたことも、
ひとえに皆様方の温かい励ましとお力添えの賜物と心より感謝申し上げます。
・
本日はあいにくの空模様にもかかわらず、このように多くの皆様にご臨席を賜り深く感謝申し上げます。
先程から多くの方々からご祝辞や、温かい励ましのお言葉をいただき、親としても身に余る光栄でございます。
悪天候や猛暑の時などにはそのことにも触れたりします。
ここは当日の情況によってアドリブを入れますl。
媒酌人の方へのお礼もここで入れるようにします。
③新郎新婦へのはなむけの言葉
ここには新郎と父親の独自のエピソードを盛り込みます。
ただし、
両家の代表としてスピーチをするので内容が偏らないように新婦についても配慮が大切です。
例文
・
△△は兄弟はおりませんが、幸い、たくさんの友人に恵まれ、明るく元気な子供時代を過ごすことが出来ました。
すこし控えめな性格の息子ではありますが、□□さんという優しく素晴らしい女性と出会い、今日という日を迎えられたことをとてもうれしく思います。
昨年、初めて□□さんを紹介された時、にこやかな笑顔と穏やかな話し方に、これなら明るく笑いの絶えない家庭を築いてくれると、安心いたしました。
スピーチの中でもいちばん個性が出せる部分です。
ここがあることで、ほかの部分が定型の言い回しでも、凡庸な印象にはならないでしょう。
④お願い
ここは周りの皆様方に二人を見守ってほしいという気持ちを述べます。
・
本日、晴れて夫婦となった二人ですが、新しい家庭を築いていくのは平たんな道のりではないかもしれません。
勝手なお願いではございますが、どうかこれからも暖かく見守り、皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りたいと思っております。
・
本日、新しい人生のスタート地点に立った二人ですが、家庭を築いていく中で困難にぶつかることでしょう。
そんな時はぜひとも皆様の変わらぬお力添えを頂戴したく存じます。
若い二人をあまり卑下することなく、回りの方々へのアドバイスをお願いします。
⑤締め
結びの言葉です。
例文
・
本日は慣れない宴席で不行き届きの面も多々あったと思いますが、何卒お許しください。
結びに皆様のご健康とご多幸を願いつつ、両家代表のご挨拶とかえさせていただきます。
・
ご臨席の皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げ巻いて、簡単ではございますが、お礼の言葉とさせていただきます。
本日はご多用の中、誠にありがとうございました。
ここはほぼ定型の挨拶になります。
スピーチの長さは全部でおよそ3分弱くらいになるはずです。
新婦の父親がスピーチをするときにも書き方は同じです。
こうして完成させたスピーチですが、書き終えたら必ず行わなくていけないことがあります。
それが
忌み言葉のチェックです。
普段何気なく使っている言葉にも結婚式のスピーチにはふさわしくないことも多くあります。
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忌み言葉をなおす
自分で書き上げたスピーチに忌み言葉とされるものが入っていない、ということはほぼないと思います。
そこで忌み言葉の代表的なものと修正例を挙げてみますので、最終チェックをしてください。
◆忌み言葉の修正例
「飽きる」→「満足する」
「本日はお忙しい中」→「本日はご多用の中」
「いろいろな」→「たくさんの」「多くの」
「終わる」→「お開きにする」「ゴールを迎える」
「かえすがえす」→「思い起こせば」「幾度も」
「帰る」→「帰省する」「帰宅する」「中座する」
「くれぐれも」→「十分に」「よく」「どうぞ」
「ケーキを切る」→「ケーキにナイフを入れる」
「最後に」→「結びに」
「料理が冷めないうちに」→「料理が温かいうちに」
「死ぬ」「亡くなる」→「ご逝去する」「天国にいる」
「しばしば」「たびたび」→「いつも」「よく」「しげく」
「たまたま」→「偶然」
これ以外にも日常使っていて問題が無くても、結婚式ではふさわしくないとされる言葉も沢山あります。
その他のチェックはこのブログの記事
結婚式のスピーチでの禁句 言葉と映像のチェックリスト
で禁句、忌み言葉をまとめているのでそちらを参照してみてください。
スピーチを読むときのコツ
では最後にスピーチをするときのコツを紹介します。
父親が両家を代表してスピーチをするのはなかなか難しいものです。
自分の息子への感情が溢れてつい、言葉に詰まってしまったりとアクシデントはつきものです。
そうなったらなったで仕方ないですが、基本的な心掛けを心にとめておきましょう。
◆スピーチをするときの留意点
・顔の向きに注意
花婿の父親がスピーチを向ける相手は、結婚式に臨席してくれているゲストの方々です。
顔はゲストの方にむけて話します。
媒酌人の方へのお礼を言うときにはそちらを向くようにします。
・原稿を読む場合
原稿を用意してきたときには読んでも構いませんが、ゲストの方に目を向けることを忘れずに。
原稿にばかり目をやっていると、顔が下向きになったままになってしまいます。
・ゆっくり読む
落ち着いて、ゆっくり読みます。
マイクに辿り着いたらいきなりせっかちに話し始めずに、一度大きく深呼吸するくらいの落ち着きがほしいですね。
言葉も早口になりすぎないように注意します。
・感情的になりすぎない
難しいかもしれませんが、立場としては新郎新婦の親の代表、つまり両家の代表です。
特に自分の息子のエピソードの場面ではつい涙が、ということもよくあります。
でも、ぐっとこらえて威厳をもってスピーチするのが理想です。
これらのことに気を付ければ父親としてのスピーチは無事に成功するでしょう。
結婚式のスピーチで父親の役割は大きいと思いますし、プレッシャーに感じる方も多いと思います。
でも、基本的な構成を知って例文を頼りにすればそれほど難しくないです。
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