犬の多くは暑さに弱い動物です。
よく、保冷剤を使用することがありますが、特に室内で飼う場合は人間と同じ暑さ対策をすることが多くなっています。
小さくて、地面の反射や熱を感じやすい犬は飼い主が気を使ってあげないとすぐに体調を崩してしまいます。
今回は犬の暑さ対策と、使用する保冷剤の危険についてお話します。
犬の暑さ対策
室内飼いが増えている犬ですが、その場合は人間の暑さ対策とあまり変わりません。
動物も水分補給と体温上昇を避けることを基本にします。
◆室内での暑さ対策
飼い主と一緒にいるのならば室内はエアコンがつけられているでしょうし、エアコンを使用していない場合も通気や日差しの対策はしているでしょう。
それに水も飲めるようにたっぷりと入れてあれば特に問題はありません。
管理するのは
・エアコンの温度
・日差しを遮る対策
・水の補給
くらいでしょう。
毛足の長い種類ならば夏向けに美容室で短めにしてもらったりします。
問題はお留守番の時です。
◆家に一人でいる時の暑さ対策
閉め切った留守の時に室温が上昇しないように配慮します。
・エアコンをつけておく
・窓にはすだれ、カーテンなどの日差しを遮るものをつける。
・キッチン以外の部屋は自由に出入りできるようにしておく
・保冷剤を数か所に用意しておく
・水は十分に用意しておく
本来ならば、風が通るように窓をあけておけば室温が上昇することもありません。
でも、都会ではあけっぱなしで出かける訳にはいきません。
また、エアコンは故障したり、止まったりすることもあるので、その際の対策をしておく必要もあります。
部屋を自由に行き来するようにすると冷え過ぎた場合や、暑い場合に最適な温度を求めて犬が自分で移動してくれます。
カーテンを使用することでは部屋の冷房の効率化と温度上昇を防いでくれます。
保冷剤はもし、エアコンが止まってしまった時にそこで体を冷やしてもらうためのもの。
また、今は窓が少し空いた状態で施錠しておく器具もあるのでそれを使えば、万が一の事故の時にも安心です。
◆お出かけの時
散歩のときの注意点
・日中はできるだけ避ける
・アスファルトが暑い場合は地面を触って確認する
・水を用意する
・水にぬらした首巻きを使用する
・場合によってはペットカートを併用する
などが挙げられます。
日中はアスファルトの照り返しが強いので避けましょう。
手で触れてみてアスファルトが熱いようだと、肉球を火傷してしまう可能性があります。
散歩中の水分補給を考えて、水を持参しましょう。
首巻きは水にぬらして、巻いてあげると気化熱で涼しくなります。
素材は速乾性の化学繊維のものが最適です。
乾きづらいものだと、皮膚が弱い子は皮膚病になってしまう事があります。
地面の熱が冷めないときやどうしても日中に散歩しなくてはいけない時には、ペットカートも使用します。
アスファルトの地面を避けて、土や芝生のところまで連れて行ってあげます。
そのカートの中も暑さ対策をします。
◆ペットカート、キャリー内の暑さ対策
ここは狭い、密閉された空間なので暑さ対策を万全にしておきます。
・カートに日除けをつける
・クールマットを敷く
・カート内に保冷剤を入れる
・羽が露出していない小型扇風機を用意して内部に風を送る
・地面から高い位置にあるカートを選ぶ
・飲み水を用意する
通気口があっても結構狭い空間なので、移動しているわずかな間にも温度は上がってしまいます。
ですから、夏に何もしないでペットカートやキャリーだけで移動するのはお勧めしません。
外出の時や、公園や芝生の場所に行くまでの間も十分に暑さ対策をしてあげましょう。
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保冷剤を使用するときの注意点
犬の留守番でも、移動の時にも活躍する保冷剤ですが、実は危険なものもあります。
普通に使用する分には危険はないのですが、犬が噛んで破いてしまったりした時に、その中身が問題になります。
保冷剤には主に2種類あって、ジェル状で冷やしても固くならないものと固く凍るもの売られています。
主に凍らせて固くならないものに含まれている
エチレングリコールと言う成分が危険なのです。
◆エチレングリコールが危険なの何故か?
保冷剤を普通に使用している分にはなんの問題もありません。
犬にとって危険なのは保冷剤を噛んで破いてしまって、
エチレングリコールを飲んでしまった場合です。
エチレングリコールは甘い味いがするので、甘みを感じる動物は喜んでなめてしまう可能性が高いのです。
その場合は中毒を起こして、かなりの確率で死にいたります。
中毒を起こした症状としては
・30分から12時間で嘔吐、神経症状、多飲多尿、精神状態の低下が起こる
・12時間から24時間で呼吸速迫、貧脈
・半日から1日で腎不全で死に至る
ようです。
動物では症状が現れた段階では手遅れになることが多く、事前になめてしまわないように注意をすることが最善の策です。
もし、なめてしまった場合の治療は緊急を要します。
◆エチレングリコール中毒の治療法
獣医師が行う治療法はエタノールの静脈注射と言う方法です。
腎不全を起こす原因は体内にシュウ酸カルシウムが生成されて、腎臓にダメージを与えてしまう事なので、それを防ぐためにこの治療を行います。
もし犬がエチレングレコ―るが含まれた保冷剤をかじってしまったら、それが分かった時点で異常が無くても急いで獣医師に診てもらってください。
その際は必ず保冷材をなめてしまった事を告げるようにします。
症状が出てしまうと手遅れになっていることが多いのです。
ですから使用する保冷剤に関しては
・成分表示を確認する
・エチレングリコールが含まれているものは使用しない
事を徹底してください。
万一、エチレングレコールが含まれている保冷剤を犬が噛んで中身を舐めてしまっていたら
・症状が出ていなくても緊急で獣医師に診てもらう
・獣医師に保冷剤を舐めてしまったことをしっかり伝える
ことが大切です。
万が一に備えて、普段から救急で診てもらえる動物病院をピックアップしておくようにしましょう。
かかりつけで診てもらえれば一番ですが、常駐していない動物病院もありますので念のために。
保冷剤を自分で作ってみる
犬の暑さ対策で使用する保冷材ですが、自分で作ることもできます。
有害成分を使用しないので安全ですが、長時間は効果がありません。
でも、移動のときとか、散歩の時には十分役に立ってくれますから知っておくとよいでしょう。
身の回りにあるもので簡単に作ることが出来ます。
◆保冷材に使用するもの
・フリーザーバック(作りたいサイズのものを用意)
・タオル、またはバンダナ(ペーパータオルやコットンでも可)
・水
◆作り方
①フリーザーバックをあけて、タオルを畳んで入れる
②袋の中に水を注ぐ
③空気を抜いて密閉する
④冷凍庫に入れて凍るのを待つ
⑤凍ったら出来上がり
これは凍るとカチカチになります。
使用する時には周りにタオルを巻いて使用してください。
水の量は逆さにした時に水滴が少し落ちるくらいが適量です。
市販の保冷剤で安全なものが見つからなかった時に代用品として使っても優れています。
犬の暑さ対策に大活躍する保冷材ですが、危険な成分を含んでいるものもあります。
良く成分を見て、万が一の時にも安全なもの選んであげてください。
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2016-05-31 08:19
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