貝を食べて食中毒になってしまったらどんな症状が出るのか?
一見、自分には関係ない事のように思えるかもしれませんが
貝を食べて食中毒になる人は意外に多く、
これからの季節その危険が増えるのです。
症状を知っておいて、万が一に備えましょう。
暖かくなる季節は貝で食中毒が増える?
流通している貝は一応の基準をパスしている筈なので、大きな心配はないと思われますが、
一番気をつけなければいけないのは自分たちで採った貝です。
暖かくなり家族で潮干狩りに行った時の獲物で食中毒になる人が多いのです。
主に貝毒と呼ばれるものが原因ですが、この貝毒を蓄積している可能性のある貝は
ホタテ ホッキ カキ アサリ イガイ
などの二枚貝です。
特にアサリは潮干狩りのメインのターゲットなので注意したいところです。
潮干狩りに行く際は海域ごとの貝毒情報が農林水産省のホームページに掲載されていますから必ずチェックしてから出かけましょう。
農林水産省のHPの検索窓に「貝毒」と入れて検索すると、各自治体の情報リンクが見れます。
http://www.maff.go.jp/j/org/outline/dial/suisan_ka.html
では貝が持っている毒の種類を見てみましょう。
①麻痺性貝毒
プランクトンの中にある自然毒を貝が餌とすることにより、蓄積された毒です。
ホタテ、アサリ、カキなどの二枚貝で起こります。
症状はふぐ中毒に似ており、潜伏期間は食べてから30分くらいで口や舌、顔面に痺れが出ます。
治療方法は無く対処療法のみなので、早急に病院で手当てをしてもらう必要があります。
②下痢性貝毒
原因は有毒なプランクトンを貝が接種することにより、蓄積されます。
潜伏期間は30分から4時間くらい。
激しい吐き気、下痢、嘔吐など消化器系の食中毒を引き起こします。
致命的な状態には至らないようですが、体力が落ちている時は注意が必要です。
対処法は一般的な食中毒の対処法です。
③光線過敏症
あわびのワタに含まれるクロロフィルが原因で引き起こされます。
症状はその日のうちに現れます。
日光に当たると顔が赤くなる、或いは腫れ、痛みという症状を併発します。
2月から5月にかけて起こりやすい症状です。
一見、食中毒とはかけ離れた症状ですが、心当たりがあったら医師の診断を受けましょう。
④神経性貝毒
赤潮のプランクトンが原因でそれを摂った貝が毒化して起こります。
症状は口内の灼熱感、紅潮、運動失調など。
予防するには貝のテトラミンと呼ばれる唾液腺を除いてから食べます。
⑤バイ中毒
バイ貝と言う貝を食べることによって起こるものです。
視力低下、瞳孔が開くなどの症状のほか、時には命にかかわることもあるので注意が必要です。
早めに医師の診断を受ける事が必要です。
⑥記憶喪失性貝毒(日本では事例なし)
この毒は日本では事例がないようですが、海外で万一の時に知識だけは持っておきましょう。
原因はアミノ酸の一種のドウモイ酸によって引き起こされる症状です。
脳細胞が異常に興奮した状態になり、海馬が壊されてしまい記憶に障害が出ます。
下痢や嘔吐、腹痛も併発し、記憶喪失や命にかかわることもあります。
貝毒による症状にも消化器系だけではなく色々あります。
貝を食べた後に体調の変化があった時は、貝毒による症状を疑ってみましょう。
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ノロウイルスと貝毒の違い
消化器系の症状を引き起こす原因としてノロウイルスがあります。
貝がノロウイルスに汚染されていた場合はそれによって食中毒が発生します。
症状は下痢性貝毒とほぼ同じですが、汚染の仕方が違っています。
◆下痢性貝毒とノロウイルスの異なる点
①潜伏期間
・下痢性貝毒:食後30分から4時間
・ノロウイルス:食後1日から2日
②貝が感染する原因
・下痢性貝毒:貝が食べた有毒性のプランクトン
・ノロウイルス:下水に含まれるノロウイルスが貝の中に蓄積される
③熱により殺菌できるか?
・下痢性貝毒:加熱しても毒は消えない
・ノロウイルス:85℃以上の熱で1分以上加熱することで死滅
これを見ると潮干狩り場の環境と熱による調理でノロウイルスのリスクは取り除くことが可能なのが分かります。
生で食べるのはプロの作ったもの以外は避けましょう。
食中毒になってしまった時の対処法
食中毒になってしまった時の対処法です。
あくまで応急的な措置として紹介します。
貝毒でもノロウイルスでも食中毒が疑われる場合は病院に行くか、救急搬送で医師に診てもらうのが最善の方法です。
以下の事を実行して応急手当てをしましょう。
◆水分補給をしっかりやる。
下痢や発熱、嘔吐が続いた場合は脱水症状になります。
水分補給を行いましょう。
ただし、夏でも冷たいものは避けてください。胃を刺激してかえって体の負担になります。
スポーツドリンク、常温のお茶、重湯がお勧めです。
症状が激しい場合はひと摘みの塩を入れるとよいです。
◆体の向きを気を付けて横になる
体力的に弱り、さらに嘔吐が続いた場合は患者を横向きに寝かせます。
これは吐きやすいようにする為と、吐いたものが気管に入って窒息するのを防ぐためと肺に入って肺炎を起こすのを防止するためです。
また、嘔吐物がある場合は手で直接触るのは避けましょう。
自分も感染してしまう恐れがあるので必ず手袋を、できればマスクもしましょう。
◆下痢止めは飲まない
下痢がひどく、水のような便が出る場合は水分補給は必須です。
また、下痢止めなどの薬は飲まないようにします。
なぜなら、食中毒を引き起こしている菌や毒素が体外に排出されなくなってしまうからです。
下痢と言う症状自体が体に悪い菌を腸内から排出する作用なのですから。
下痢が収まってきたらお粥など消化に良い食事をとっても良いです。
貝を食べても食中毒にならないために
食中毒で辛い思いをしないためにも貝を食べる際には次の事を実行しましょう。
①清潔な調理器具を使用して調理する。
包丁、鍋、まな板、盛り付ける器などを清潔に保ち、きちんと洗ったものを使用する。
菌を付けない事が第一です。
②85度以上で1分以上の加熱調理する。
少なくともノロウイルスのリスクを排除できます。
③冷凍、冷蔵保存を確実に行う
適切な保存方法で菌を増やさないようにしましょう。
④調理後は何時間も時間を空けずに食べる。
調理後でも放っておくと菌は増殖します。
貝類は非常においしい食材ですが、この時期は特に食中毒に注意しましょう。
予防法を実践すればかなりリスクは減ります。
特に潮干狩りで採った貝を食べる時は参考にしてください。
でももし、食べた後で体調に異変があったり、症状が現れたらすぐに応急処置をして病院に行きましょう。
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2015-04-25 16:55
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